kawanobu日記/軽井沢紀行3:星野エリア、日本野鳥の会、中西悟堂;ロシアのコムギ輸出停止とコムギ値上がり 画像1

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 中軽井沢星野エリアは、温泉とホテル、そして渓流に野鳥の森のあるピクニックエリアである。全身汗びっしょりになってレストラン「村民食堂」に入ったら、昼時だったので、ウエーティングで20分ほど外の椅子で待った。木の香りを乗せてくるような天然の涼風が心地よかった。

疲れた体にしみわたる生ビールのうまさ
 順番がきて、名前を呼ばれ、テーブルに案内されると、まず生ビールを注文した。地ビールだという。ほどなく運ばれてきたその生ビールを、一気飲みである。うまかった!! 疲れてなお汗のひかない体にしみわたった。
 ふだんは注文したことのないとんかつ定食などを注文したのも、体がエネルギー補給を欲していたのだろう。高カロリーの揚げ物など、ふだんは食べたことはないのだが。
 それにしても、入らなかったけれども途中で見たカフェの値段からも予想されたように、観光地価格なので値段が高い。とんかつ定食が1800円である。東京都内の大衆レストランなら、この半分の値段だ。ただホテルが運営しているらしく、持ってくるウエートレスなどのサービスは洗練されていた。
 ウエーティング時間も含めて、小1時間ほど休憩し、レジで飲食費の支払いを済ませた時、感じのいいレジの若い男性に、中軽井沢駅までどれくらい時間がかかるか、そして軽井沢行き上り電車の時間はいつ頃かを聞いてみた。

緑が目にしみる落葉樹の森
 初めは軽井沢まで歩くつもりだったが、すでに10キロ以上も歩いた後だったので、軽井沢までは無理、と判断した。計算では、あと5~6キロは歩かねばならない。午後の強い日差しの下、疲労した身で強行すれば、2年前に8月の長崎で倒れたように熱中症になる。
 するとその男性は、あと1時間弱待つと、軽井沢駅南口行きの無料バスがある、と教えてくれた。それに乗ることにした。
 その間、ただ待っているのも、もったいない。貧乏性のリブパブリは、さっそく「ピッキオ」というビジターセンターへ行って(写真上=センター脇の落葉樹の森の散歩道。緑が目にしみる)、国設「野鳥の森」のガイド図をもらい、情報を仕入れた。1周1時間ほど、と言われた。すると間に合わない。それでも行ける所まで行ってみよう、とリュックをしょって山に入っていくことにした。

残念! 野生ザルに遭えず
 野鳥の森の入り口には、「日本野鳥の会」の創設者にして詩人・歌人の中西悟堂の胸像と歌碑が設置されていた(写真中)。自らの造語である野鳥を左肩に乗せた胸像のそばの説明板を読む時間も惜しく、湯川という渓流沿いの静かな原生林に入っていった(写真下=渓流の水は冷たかった)。道は、よく整備されていたが、予測どおり野鳥の声は聞こえなかった。裏磐梯でガイド付きの自然観察ツアーに参加したおり、ガイド氏に野鳥は朝に活動するので、真昼は全く鳴き声はきこえないものだ、と教えられていたが、そのとおりだった。
 朝、森に囲まれたリゾートマンションを出てくる時、すぐ近くでウグイスが鳴いていたが、午後ではやはり無理だった。
 ただ深い森の中で新鮮なヒンヤリした空気を思い切り吸えたのは、よかった。途中で引き返してきた老人夫婦に目標地点を尋ねると、野生ザルがいて怖かったので帰ってきたという答だ。それを聞いて、野生ザルに遭えるなら、とモチベーションがあがり、さらに突き進んだが、けっきょくサルには遭えなかった。ただ所々に新鮮な糞が落ちていて、けっこう出没するのだ、と思った。

ロシアがコムギ輸出停止でシカゴ先物相場が一時ストップ高
 またぞろパン・めん類値上げの懸念である。干ばつでロシア穀倉地帯のコムギの作柄が打撃を受け、ロシアが年末までコムギ輸出を停止したのだ。5日、ロシア政府が一時輸出禁止を決定した報道を受け、シカゴ商品取引所の小麦先物相場はストップ高で引けた。08年8月以来、2年ぶりの高値となる。
 ロシアは、アメリカ、EUに次ぐ世界第3位のコムギ輸出国で、1億トン近い予想収穫高が、干ばつ被害で約26%も減収となるという。ロシア国内のコムギ価格も急騰しているので、自国消費に回すために輸出停止をした。先物市場は、コムギ国際価格がさらに上がることを先読みしたのである。
 もっともロシアのコムギ不作は、すでにマーケットは織り込んでいた。6月末比で7割もコムギ価格は上昇している。したがってストップ高後は、利益確定の売りも出て、先物価格は伸び悩んだ。それには、世界一の穀物輸出国のアメリカが豊作の予測があるからだ。急騰は、一時的とみられる。

農水省はまた無策のツケを消費者に回すのか
 ただ、10月に決まる政府の国内製粉会社向けのコムギ売り渡し価格は、この影響をもろに受けそうだ。2年前にも別の日記で書いたが、マーケット感覚が皆無のお役人たちの仕切る農水省は、3月~8月までの政府平均買い付け価格を基に、機械的に売り渡し価格を決めるからだ。上がれば、製粉会社は小麦粉の価格を上げるだろう。つれてパン、麺類も上がる。
 2年前も、リーマンショックを前に、原油や金価格などが暴騰し、そのあおりでコムギを初め穀物価格が急騰していた。性懲りもない、とはこういうことを言うのだろう。市場マインドが少しでもあれば、安値の時に備蓄しておき、高騰時にそれをはき出せばよいのに。
 多額の金を使って農家の個別所得補償を進める一方、口蹄疫問題で後手に回った農水省など、百害あって一利もない組織のように思えてしかたがない。

昨年の今日の日記:「アメリカ人女性ジャーナリスト解放から日本人拉致被害者救出を考える:北朝鮮制裁、クリントン、国連安保理決議」