台風19号が東日本に広範囲に大きな爪痕を残して去った一昨日、ラグビーW杯で日本チームが4連勝し予選リーグ突破、準決勝に駒を進めたことに日本中が沸き返った。
 

ラグビーW杯で日本4連勝の快挙、プロ野球CSで優勝チーム西武が敗退の悲​
 ラグビーは、言っては悪いがマイナースポーツだ。ただ早世した父が、かつて地方大学でラグビーをやっていたことを母から聞いていたので、サッカーより親近感があった。体力が外国選手より劣り、伝統もない日本が勝ち進んだことは、素直に喜びたい。
 一方同じ日、プロ野球のパ、セ両リーグのCSで、パの優勝チームの西武が、2位ソフトバンクに4連敗して、昨年に続いて今年も日本シリーズ進出を逃がした。
 野球解説者の権藤博氏が指摘するように、リーグで最悪3位でもリーグ優勝チームを尻目に日本シリーズに出場でき、相手リーグの出場チームに勝てば日本1になるのは、1年間戦ってのリーグ優勝という偉業への敬意を失わせる悪制度、という批判がある。これには留意したい。
 実際、2010年の千葉ロッテマリーンズは、リーグ3位から、CSのファーストステージとファイナルステージで、それぞれ西武、ソフトバンクを下し、日本シリーズでは落合監督率いる中日を破って日本1になっている。
 2年連続でソフトバンクに敗れて日本シリーズに進出できなかった西武のナインには、深い同情を禁じ得ない。
 

​​​最終日の朝、7月なのに寒~~​
 さて、樺太紀行である。この日、南樺太滞在最終日だ。せめてユジノサハリンスク市内をできるだけ歩きたい。
 朝食前に市内散歩に出た。長くは歩けないが、駅近くまでは行けるだろう。
 ホテルの外に出ると、7月17日と思えないほど寒い。涼しい、ではない。寒いのだ。おそらく10℃を切っているだろう。
 チェーホフ博物館の前とチェーホフ記念公園(下の写真の上と中央)を通り抜け、チェーホフ記念ドラマ劇場前(下の写真の下)を通って、共産主義者大通り(Коммунистический пр.)を西にたどる。

 

 

 


 チェーホフ記念ドラマ劇場の隣が、サハリン州政府庁舎だ(写真)。電光時計は6時9分を示している。この日は月曜日だが、朝早いので、誰も出勤していない。​​​

 

 

​​再び豊原市役場の建物に
 そしてその隣が、前にも独りで訪れた旧豊原市役場である(下の写真の上)。建物の西端には、「共産主義者大通り41」のプレート(下の写真の下)。ここの住所表示である。

 

 


 さらに西へ。「オクチャーブリ」という名の映画館がある(写真)。ちなみにオクチャーブリは、ロシア語で10月の意味。

 


 旧ソ連時代にはオクチャーブリは、特別な親しみをこめられて、あちこちの建物、通りなどに付けられた。もちろん、十月革命へのオマージュである。​​
 

​​巨大なレーニン像という20世紀の遺物の建つレーニン広場​
 その先に見えてきた公園に、ついに20世紀、旧ソ連の遺物が現れてきた。
 台座を含めれば、高さは7~8メートルになろうという巨大なレーニン像である(写真)。

 


 まだ、こんな物が残っていたか……、僕は恐竜の遺物を見るように、この前世紀の遺物を仰ぎ見たのである。
 レーニン像か建てられているからなのだろう、ここはレーニン広場、と呼ぶようだ。

​昨年の今日の日記:「樺太紀行(17);チェーホフ山(鈴谷岳)登山④:7月半ばの山はワイルドフラワーの宝」

 

​ 多くの反対を押し切って文在寅が先月に法相に任命した曺国(チョ・グク)が14日午後、辞任すると発表した(写真)。曺は声明文で「私が法相の職から辞してこそ検察改革の完遂が可能となる時期が来た」と述べた。法相就任からわずか1カ月余りで電撃的な辞任発表となった。

 


 曺はこの日の午前に特捜部の縮小などの検察改革案を発表し、改革の実行を訴えていた。
 曺を巡っては、娘の大学院の不正入学や私募ファンドの不透明な運用などで親族が相次いで起訴・逮捕されている。
 この日発表された世論調査では、曺の法相退陣を求める声が55.9%にのぼり、継続を求める声(40.5%)を大きく上回っていた。同時に任命した文在寅への支持率も10月第1週に比べて「支持」が41.4%と3.0ポイント下落し、「不支持」が56.1%と3.8ポイント上昇し、不支持率と支持率の差がさらに開いた。
 韓国では、文在寅を支持する左派の岩盤は40%とされており、支持率はそれに急接近し、文在寅には後がない状態。文在寅が、疑惑のタマネギ男をこれ以上支えられないとして、曺に詰め腹を切らせたとみられる。

 

 トランプ大統領の私的利益のために、世界の安全保障とアメリカの国益が脅かされている。
 

エルドアンに軍事侵攻の了解を与えたトランプ大統領​
 その1つが、9日にトルコ軍がシリア北東部のクルド人主体の武装勢力「シリア民主軍(SDF)」の支配地域に軍事侵攻を始めたことだ(写真=軍事侵攻を始めたトルコ軍部隊)。かねてからトルコのエルドアン政権は、SDFを自らの政権を脅かすテロリストと非難しており、いつでも侵攻する構えを見せていたが、ついに侵攻とSDF殲滅に乗り出した。

 

 


 その背景には、トランプ大統領のトルコ軍侵攻への了解がある。トランプ大統領は6日、エルドアンとの電話協議後にシリアからのアメリカ軍撤収を表明、トルコの軍事作戦に了解を与えた。​
 

IS打倒の盟友シリア民主軍を裏切る​
 その決定は、アメリカ軍事筋や議会に衝撃と深い憂慮を与えた。これまでアメリカは、SDFに軍事援助を与え、IS(自称「イスラム国」)の掃討に当たらせた。直接、アメリカ軍を投入できないために、SDFに援助してIS討伐を行ったのだ。
 ISの伸張と「国家」樹立まで許したシリアのアサド政権軍やイラク軍と違って、クルド人部隊は勇猛だった。2014年9月にはトルコとの国境地帯にある要衝コバニをめぐってクルド人部隊は攻勢をかけるISと死闘を展開し、5カ月間の防衛戦の後についにISを敗退させた。これが分水嶺となって、後にSDFはISの「首都」ラッカを攻め落とし(写真=SDFの旗を振ってラッカ解放を喜ぶクルド人兵士)、ついにはシリア全土を解放したのである。

 


 その盟友であるSDFを、トランプ大統領はいとも簡単に、それこそ古草履のように捨て去ったのだ。マティス前国防長官なら、決して認めなかった愚挙・盲動である。​
 

私的利益のためだけに同盟軍と自国兵士を裏切る​​
 トランプ大統領のトルコ侵攻容認は、盟友を見捨てることでアメリカへの信頼感を損なうという道義的問題以外に、トルコ軍によってSDFがシリア北部地域から排除されたら、ISが息を吹き返す恐れ、という軍事的懸念もある。
 それでもマティス元長官が強く反対していたSDFへの裏切りは、来年の大統領選挙を睨んだトランプ氏の私的利害があるからだ。つまり有権者に対し、シリア、イラクからアメリカ軍を撤退させたとアピールし、支持を稼ごうというものだ。
 シリア北東部でSDFの支援に当たってきたアメリカ軍特殊部隊兵士が、撤退命令を受けて、アメリカのテレビ局のカメラの前で「自分の任務をこれほど恥ずかしいと思ったことはない」と吐き捨てたそうだが、自分の利益のためだけに前線のアメリカ軍兵士に恥辱を思わせるトランプ氏とは、それだけでも大統領の資格はない。​
 

ウクライナ疑惑も自身の再選睨み​
 この自分の利益のためだけに世界を見て、国家を動かしているのは、下院で始まろうとするトランプ大統領のウクライナ疑惑も、そうだ(10月9日付日記:「新たなトランプ疑惑で、大統領弾劾の機運が再燃;性懲りもない無法者を止める人がいないWH」を参照)。
 民主党の有力大統領候補のバイデン氏の人気を失墜させるために、プーチンとも気脈を通じるように、ウクライナに圧力をかける。
 つい最近も、ロシアからウクライナ東部の侵略を受けていることに対し、ウクライナ支援策を担っていた国務省外交官を辞任に追いやった。プーチンの歓心をかうため、としか思えない愚挙だ。
 かつてトランプ大統領の選対部長だったマナフォート氏は、ウクライナで親ロシア派のヤヌコヴィッチ大統領(当時)の顧問を務めていた人物で、同政権から多額の不正資金を受け取っていた。
 今回の反バイデン氏の策謀でも、間接的にロシアの助けを借りている節がある。
 

北朝鮮ならず者集団の11回のミサイル発射を容認​
 今年5月からの北朝鮮ならず者集団の11回に及ぶ短距離ミサイル発射(10月3日の11回目の発射は、短距離ミサイルではなく、中射程のSLBMだった=写真)も、トランプ大統領は金正恩の安保理決議違反行為を黙認している。その間実験で、北朝鮮ならず者集団はミサイル技術をさらに洗練化させている(これについては、別の機会に論じる)。

 


 これも、金正恩とのボス交渉で核実験とICBM発射実験を停止させていることの見返りで、来年の大統領選挙で成果として誇りたいためだ。
 民主党の大統領も嫌だが、来年の大統領選挙でのトランプ再選は見たくない姿である。​

 

昨年の今日の日記:「オホーツク海沿岸、北辺の超過疎村の猿払村は、全国第3位の金持ち自治体、その秘密は」

 

 1日から、2度にわたって延期された消費税増税が実施された。消費税率は食品などを除くと、10%と初めて2桁に乗せた。
 

前回より痛税感は弱いか​
 今回は、2度も延期されたことの慣れもあるうえ、8%から10%の上げで増税率は25%である。前回は5%から8%の増税で、実に消費税は60%増しになったことを考えれば、前回より痛税感は弱い。そのせいか、9月末の駆け込み需要は、前回ほどではなかった(写真)。

 

 


 それに増税分5.2兆円の半分は、幼児教育・保育の無償化や大学など高等教育の無償化に還元され、政府の借金の返済に回るのは半分しかない。
 この無償化で恩恵を受ける人は、若い世代を中心にたくさんいる。それだけに、抵抗感を持つ人は、前回の増税ほど多くはないだろう。
 

プライマリー・バランス達成の道遠し、しかし​
 しかしそれでも、現在、国と地方の債務は1100兆円を超える。今回の増税分の半分の2.6兆円が借財返済に回されても、高が知れている。
 実際、今回の増税を受け、さらに成長率をちょっと現実離れした高めに見込んでも、基礎的財政収支(プライマリー・バランス)の黒字化は2025年度になる。
 それまで日本の財政が、現在のように平穏・円滑に進められるかどうか分からない。いつ、なんどき、海外投資家が国債を売り込み、国債暴落・金利急騰になるか分からないのだ。
 今、長期金利はマイナス圏に沈み、国債投資の主役はかつての銀行から、日銀と外国人投資家に移っている。日銀も銀行も国債は売らないだろうけれど、外国人投資家は分からない。ギリシャの金融危機も、1997年のアジア金融危機も、外国人投資家の売り、で始まったことを忘れてはならない。
 

歳出カットに加えて税収増を図るしかない​
 財政再建には、無駄な厚化粧で肥大化した社会保障費など歳出の削減と共に、増税によって歳入増大を図るのは不可欠だ。
 今、歳入源の税は、法人税、所得税、そして消費税の3本の柱がある。このうち法人税は、国際的な法人税減税のトレンドからさらに下げ圧力がかかり、増税など全く不可能だ。無理矢理、法人税の増税をすれば、税を払ってくれる優良企業ほど日本から脱出する。
 所得税の増税も、不可能に近い。それでなくとも、勤労者は社会保険料の上げが続き、賃上げがあっても、社会保険料増に可処分所得が吸い取られている。これで所得税を増税すれば、消費を冷え込ませ、逆に税収減を招く。
 

消費税こそ最も公平・公正​
 それに所得税は、公正ではない、という根本的欠陥を抱える。医者、個人自営業者、農家は、税法的に優遇されたうえに、所得捕捉率が低いという欠陥がある。サラリーパースンだけが負担する構図となっている。
 その点、消費税は誰でも公平に支払う最も公正な税、である。それこそヤクザも生活保護者も払うのだ。しかも税収は、景気動向に左右されにくい。
 だから将来的にも、財政再建には消費税増税が不可避である。また遅くとも2025年まてには「団塊の世代」が後期高齢者になって、社会保障費が雪だるまのように膨らむ。この後期高齢者にも、社会保障費の給付に見合った公平な負担をしてもらうには、消費税増税しかない。
 

安倍首相は4選して消費税増税の道を​
 今、安倍首相は、空前の野党力不足と与党内の非主流派の不在(取るに足らない議員数しかいない石破派はあるが)で、憲政史上でも最強の指導力を持つ。
 したがって安倍首相が力を持っている間に(その意味でも自民党総裁4選が望ましいが)、消費税増税の道筋を付けて欲しい、と願う。
 増税法にも、妙案がある。誰だって税金が高くなるのは、好まない。しかし額が少なければ、諦めもつく。
 

無理のない2年ごとに1%ずつ増税​
 そのため、2年ごとに1%ずつ、という低率での増税をしていくのだ。
 1%の増税なら、ほとんどの人が受け入れるだろう。しかも2年ごとなら、すぐに増税、ということにもならない。増税前の駆け込み需要も、その後の売り上げの反動減も少ないと見込める。
 それでも10年たてば、5%増税できる。1%の増税での税収は、約2.5兆円といわれる。5%増税できれば、12.5兆円の歳入増が見込める。
 10年たって、さらに増税が必要なら、その時に為政者が決めれば良い。僕の感覚では、ヨーロッパ諸国並みの20%まで、やむをえないと思っているけれど。

 

昨年の今日の日記:「世界株価暴落の10日に東京市場で値を保ったREIT、やはり魅力的」

 

​ 2019年のノーベル平和賞に、エチオピアのアビー・アハメド首相が選ばれた(写真)。アビー・アハメド首相は昨年4月に首相に就任し、かつての領国であった隣国のエリトリアとの国境紛争の解決に貢献したことなどが授賞理由。日本時間の11日夕刻、ノルウェーのオスロで発表された。

 


 アフリカには、国境紛争や独立を求める内戦が多い。エチオピアは同国から1991年に分離独立宣言したエリトリアと、以来、昨年7月に関係正常化に合意するまで、砂漠地帯の国境をめぐって紛争が続いていた。
 2016年にエチオピアのダロール地帯を訪れた時、国境に近い一帯は静かだったが、カラシニコフ銃を手にした兵士が守備していたことを思い出す(写真)。

 


アフリカに感じる親しみ​
 僕の遺伝子はアフリカ由来であり、体内を流れる血液はアフリカ産だ。
 それは僕に限られない。日本人はもちろん、いやそれどころか世界中の人たち――白人も――は、みなアフリカ出身者と言える。
 なぜなら僕たち現生人類ホモ・サピエンスは、20数万年前にアフリカのどこか――僕は南アフリカの一角だと推定しているが――で先行人類から派生し、そこから世界中に拡散していったからだ。
 それ以前の先行人類のそのまたはるかに先行するサヘラントロプスやアルディピテクスなどもすべてアフリカにしかいない。人類は、アフリカ生まれ、なのだ。
 そのはるかな祖先の呼び声からか、僕はアフリカにそこはかとない親しみを感じる。遠いためになかなか行けなかったが、2013年9月についに南部アフリカを訪れた時、故郷に帰ったような懐かしさを感じたものだ。
 

トバイアス教授の「Welcome  home(お帰りなさい)」で大喝采​
 以前、南アフリカで世界の古人類学者を集めた研究発表大会があった。主催者のヴィッツヴァーテルス大学のフィリップ・トバイアス教授(写真=プレトリア近郊のステルクフォンテイン洞窟と洞窟前前庭部に設置されたトバイアス教授の胸像)は、世界各国から集まった参会者への挨拶で「Welcome  home(お帰りなさい)」と最初の一言を発し、満場の喝采を浴びた。

 

 


 まさにアフリカが(トバイアス教授は、とりわけ南アフリカこそ人類誕生の地だと考えていたのだろう)人類起源地、現生人類起源地であることを、的確に言い表していた。
 

植民地支配と奴隷貿易で​
 しかしアフリカは、不幸な大陸、でもある。
 南アフリカ共和国を除けば、相変わらず開発途上国である。一部には高成長を果たしている国もあるが、さらにマイナス成長や成長率0%というどうしようもない国も多い(19年8月28日付日記:「アフリカ大陸50カ国余の参加する横浜TICAD7開催:アフリカに日本の貢献を」を参照)。
 ヨーロッパ諸国、特にイギリスとフランスにより長期間、植民地体制下に置かれ、アフリカは資源を収奪されるだけの土地だった。それ以前には、ヨーロッパと新興国アメリカの奴隷商人の手で、アメリカの綿花畑などのプランテーションの労働力として、重要な労働力が拉致された(=腕をつながれて奴隷交易のために海岸まで連行されるアフリカ人)。その数は、1000万人とも言われ、これによりアフリカの社会構造は破壊されてしまった。

 


 

新国家指導者は国家発展に無関心​
 発展の基礎を、1960年の独立ラッシュの前に、メチャメチャにされていたのだ。
 しかも以前の白人支配下で、分断統治と勝手な国境線引き(地政学を無視した真っ直ぐ、一直線の国境線が目立つ)で、国内の統一が図れなかった。
 さらにこれが1番の問題だが、肝心の新国家の指導者が腐敗して私的利害の最大化に専心し、本気に経済開発と民生向上に力を傾けなかった。
 明治維新の日本が、遅れた極東の1小国から明治末には列強に伍すほど発展したのは、山県有朋などの腐敗漢はいたが、おおむね清潔で、しかも教育と富国強兵に力を入れたからである。
 これができないのだとすれば、かつての宗主国の清廉な政治家を呼んできて、自分たちを統治してもらった方がよほどいい。
 

今なお部族対立が発展を妨げる​
 さてアフリカの癌の1つに、部族対立がある。その対立が深まると、流血のジェノサイドに発展する。
 部族とは、言語・宗教を含む同一文化を共有する民族の下位区分である。よくメディアで見かける「民族」対立ではない。民族の下位区分だから、部族間の言語はほぼ同じだ。それでもいがみ合い、ルワンダ内戦のフツ族によるツチの大虐殺のようなジェノサイドになることも多い。
 部族とは、部族の存在しない日本では、イメージしにくいが、戦国時代の大名に統治される集団を想像したらよいかもしれない。あるいは明治以前のアイヌ民族の地域的な集団も、それに近い。

 

昨年の今日の日記:「ふるさと納税制度の返礼品を禁止すべきだ、利他行動ではなく利己行動だ」

 

​ 南樺太の第4日も、結局、好天には必ずしも恵まれなかった。チェーホフ山は雨に降られなかったが、晴れなかった。それでも稜線歩きの途中、コウリンタンポポの咲く斜面のはるか遠くにわずかにオホーツク海が見られたのはよかった(写真)。

 


 

次にもう1度来るしか​
 前にある方から聞いた話だが、大枚をはたいて念願のスイス旅行に行ったのに、悪天候続きでユングフラウもマッターホルンも全く観られず、やむなく翌年、もう1度出かけて、やっとアルプスの秀峰を心ゆくまで観望できた、と聞いたことがある。
 もう1度、訪れるしかなさそうだ。
 幸い、朝晩、自分の脚で市内を歩いたので、地理には明るくなった。日本統治時代の都市計画のおかげで、市内は碁盤目状に整備されているから、迷うことはない(写真)。次に訪れる時は、独りで歩いてみよう、と思った。

 

 

ハンバーグみたいなカツレツのジョージア料理​
 夕食は、なぜか「グルジア(ジョージア)」料理である。ご存じのように、ジョージアはロシアに一部地域が占領されている。反ロシア感情は極めて悪く、したがってロシアでの対ジョージア感もいいわけはない。オーナーは、ジョージア人なのか。
 メインは、グルジア風カツレツと言われたが、ハンバーグみたいな感じだった。大きな皿の中央に、ちょこんと盛り付けられている。前菜は、ナスを煮たもの、そしてスープはカボチャ。あまり美味くはなかった。
 この日は、チェーホフ山(鈴谷岳)登山がきいて疲れ、ホテル帰着後(写真=ホテルの部屋の窓から市街地を見下ろす)の夕方散歩はやめ、早々とベッドに入り込んだ。

 


 

最終日、早朝散歩へ​
 明けて第5日最終日、である。
 早朝に起きて、窓から外を見ると、雨は降っていない。朝食前に、たっぷりと時間が取れる。
 僕は身支度を調え、外に出た。夏至を過ぎたばかりで、北の土地は6時でも十分に明るかった。

 

昨年の今日の日記:「世界で一番危険な国――あなたは中国に行けますか? 拉致・拘束の恐怖、日本人も」

 

 ノーベル賞自然科学3賞は、世界で最も権威ある賞である。基本的に各賞3人となり、受賞者はその国のその道の科学界の最高権威が選ばれる(多少の例外はあるが)。
 

ノーベル賞受賞は一国の科学技術力の高さの証し​
 ただ受賞者は、他から傑出した飛び抜けた逸材というわけではない。惜しいところで受賞を逃した、異なる分野の多くの研究者がいる。また受賞者の下には、富士山の裾野のようなぶ厚い研究者層が控える。
 だから1人の受賞者を出すことは、その国の科学技術力の高さを世界の学界最高権威から認証されることでもある。
 いまだに1人も自然科学3賞を出していない反日韓国、学界の傍流のため共産党官僚国家から歓迎されない女性科学者1人しか出していないスターリニスト中国が、毎年、日本人受賞者の出ることに歯ぎしりして悔しがるのも、当然である。
 一国の科学技術力を表す最重要の指標としてら僕も重視しているから、僕は毎年、その動向を追い、本ブログに取り上げてきた。
 

リチウムイオン電池の原型を発明、1985年に特許出願​
 2019年度のノーベル賞自然科学3賞の掉尾を飾って化学賞の発表が昨夕(日本時間)行われ、受賞者3氏の1人に、日本人の企業研究者である旭化成名誉フェローの吉野彰氏(71)が入ったことは、そうした意味で本当に喜ばしい(写真=旭化成東京本社での記者会見で、リチウムイオン電池原理の模型を手に)。年齢から分かるように、団塊の世代の1人だ。

 


 吉野氏の業績は、僕たちの日常生活になくてはならないスマホやパソコンなどIT社会に、さらにハイブリッド自動車や電気自動車、太陽光発電所など低炭素社会に不可欠なリチウムイオン電池の原型を発明したことだ。1985年、特許出願している。
 ただ吉野氏の所属する旭化成は電機会社ではないから、特許を基に世界で初めてリチウムイオン電池を商品化したのは、91年のソニーだ。
 その業績は、リチウムイオン電池の重要性の高まりから産業界だけでなく、世界の学界で高く評価され、毎年、化学賞の有力候補の1人に挙げられてきた。だから今回の受賞も、僕には意外感はない。
 

ノーベル賞を輩出する堂々の大国だが……​
 なお吉野氏のノーベル賞受賞は、昨年の生理学・医学賞の本庶佑氏に続いての日本人の受賞だ。また化学賞では、2010年の根岸英一氏と鈴木章氏に続く受賞となる。さらに企業研究者としては、2014年の物理学賞を受賞した中村修二氏(後にアメリカ国籍)以来の快挙だ。
 合計は、アメリカ国籍を含め吉野氏で自然科学3賞で24人となる。日本は、世界で5番目の堂々たるノーベル賞大国である。
 ただしノーベル賞は、過去の成果に対して受賞される。現在、日本の基礎科学が研究者層を含めて細っていることは、毎回、警鐘を鳴らされるとおりだ。
 

物理学賞は残念​
 実は一昨日夕方に発表されたノーベル物理学賞に、僕は密かに期待していた。生理学・医学賞に続いての日本人外れだった。ただ宇宙・素粒子物理学と物性物理学が交互で受賞する慣例からすれば、昨年が物性物理学だったので、今年は宇宙物理学の欧米の天文学者3氏は順当なところだ。
 しかし宇宙物理学なら、インフレーション宇宙の佐藤勝彦氏も可能性はあったのだ。残念である。

 

昨年の今日の日記:「エチオピア紀行(142):ティグレ族の村に立ち寄り、家庭に案内される」

 

 今や僕たちの日常生活になくてはならないスマホやパソコンなどIT社会に不可欠なリチウムイオン電池。その原型を発明した旭化成名誉フェローの吉野彰氏(71=写真)ら3氏が今年のノーベル化学賞を受賞した。

 

 

 生理学・医学賞、物理学賞で日本人研究者は惜しくも受賞を逃がしたが、自然科学3賞の最後の化学賞で、金的を射止めた。
 吉野氏は、昨年の生理学・医学賞の本庶佑氏に続いての日本人の受賞。また化学賞では、2010年の根岸英一氏と鈴木章氏に続く受賞となる。さらに企業研究者としては2014年の物理学賞を受賞した中村修二氏(後にアメリカ国籍)以来の快挙だ。
 なお吉野氏は、京都大学の出身。またも京大の創造力の強さを示した。

 

 トランプ大統領がまた弾劾の矢面に立っている。前はロシアゲートだったが、今回は大統領として外交を武器にウクライナのゼレンスキー大統領に政敵の民主党・バイデン前副大統領のスキャンダルを捜査するよう要求した疑惑だ。
 

​◎身辺はイエスマンばかりのトランプ大統領​
 相変わらず、というか、性懲りも無く、というか、ともあれトランプ氏という人物は、大統領資質にかなり欠けることのある人物であることがまたもはっきりした。
 こうしたことが繰り返されるのは、側近にイエスマンばかりを集めたからだ。苦言を呈するケリー主席補佐官やマティス国防長官らをホワイトハウスから追い出し、耳に心地よいことを言うばかりの側近を配する。この前は、北朝鮮や中東・イラン問題と意見が衝突することのあったボルトン氏を補佐官から追放した。
 今回は、ロシアゲートの時と違い、民主党重鎮のペロシ下院議長が訴追に乗り気なので、民主党が多数を占める下院で大統領弾劾が決議される可能性が高い。共和党が多数を占める上院では、まだ困難視されているが。
 

​◎バイデン氏のウクライナ疑惑をあぶり出す目的​
 今回の直接の疑惑は、バイデン氏を標的にしたものだ。バイデン氏は、副大統領時代、自分の息子のハンター・バイデン氏が今年まで取締役を務めていたウクライナの天然ガス会社ブリスマ社の不正をもみ消していた疑惑があると、トランプ大統領は主張。その調査を、ゼレンスキー・ウクライナ大統領に要求していたという(写真=バイデン父子)。

 


​◎バイデン氏を追い落とし、ウォーレン上院議員の民主党候補にする狙い​
 全思考が来年の大統領選挙ファーストであるトランプ大統領の狙いは、民主党の有力大統領候補であるバイデン氏の追い落としである。あらゆる手段を使ってバイデン氏の人気を落とし、民主党候補者レースから脱落させることだ。
 もちろんそれでバイデン氏が脱落しても、本選で勝てるわけではない。しかしバイデン氏が敗退すれば、有力候補になるのはウォーレン上院議員(写真)であることは衆目の一致するところだ。実際、最近の世論調査では、民主党候補としてバイデン氏の支持率が落ち、調査によってはウォーレン氏に逆転される例もある。

 


 トランプ大統領の狙いは、まさにそこにある。民主党候補にウォーレン氏が出てくることだ。

​◎「反ビジネス」の左派候補なら勝てるという読み​
 ウォーレン氏は、民主党左派のチャンピオンで、富裕層の資産に一律課税する「富裕税」を提唱し、またトランプ大統領の実施した企業や富裕層への減税を無力にし、その税収で国民皆保険の実現や大学無償化を公約にする。またフェイスブックやアマゾンなどIT大手を非難し、分割・解体を主張している。どう見ても「反ビジネス」で、もしウォーレンとなれば、株式市場の大幅下落は避けられない。
 したがってウォーレン氏に対しては、ウォール街はもちろん、企業経営者や上級勤め人に大きな不安がある。それは、中間層にも波及する。誰だって、左派が大統領になれば、景気は失速し、失業が増えると言われると、嫌気がさすだろう。
 

​◎弾劾のリスクを負っても​
 したがって、ウォーレン民主党大統領候補こそ、トランプ大統領の思う壺なのである。逆にバイデン氏が民主党の大統領候補になれば、中道層・浮動層をごっそり獲られる。
 これまでのところ、バイデン支持率下落は鮮明で、トランプ大統領の仕掛けはある程度、成功している。しかし逆にトランプ氏は、これで弾劾のリスクも負った。
 どう転ぶか、今後の帰趨が見物である。

 

昨年の今日の日記:「インターポールの中国出身ボス、孟宏偉が母国で拘束された怪;超人気女優の巨額脱税の摘発の怪」

 

 昨日の日記の冒頭で期待感を込めて書いたノーベル生理学・医学賞、日本人の森和俊・京大教授の受賞はならなかった。
 アメリカ、イギリスの受賞者3人は、下馬評に登っていなかった科学者らしい。
 今日のノーベル物理学賞の発表に期待する。
 さてところで、南米にクマがいるんだ、ということを初めて知った。去る9月30日にS-プレミアムで放送されたワイルドライフ『南米アンデス 天空の森を謎のクマが跳ぶ!』で、それを知った。


秘境南米の雲霧林に棲むメガネグマ​
 取り上げられたのは、エクアドルのアンデス奥地の標高3000メートルを超える雲霧林にすむメガネグマだ(写真)。

 

 

 


 地元のメガネグマ研究者の協力で、撮影スタッフが山中で子育て、採食、さらには雌雄の交尾まで撮影する。番組の最後は、約1年、母グマに育てられた仔グマが「子別れ」で独り立ちしていくシーンで飾られる。
 メガネグマは、顔に白線が入っていて、それが眼鏡をかけたように見えるからだ。英語名も「Spectacled bear」で、「眼鏡をかけたクマ」である。​


北米から海を渡って来たか?​
 今は狭いパナマ地峡で南米は北米とつながっているが、そもそも両大陸は成り立ちが違う。南米はゴンドワナ超大陸の一断片であり、ゴンドワナ分裂後にその一断片が北上していって、北米大陸に接近、350万年前頃、ついに連結された。
 これにより南北アメリカ大陸間で、動物群が相互に流入していった。
 メガネグマも、北米からやってきたグリズリーかアメリカクロクマの子孫なのだろう。
 ただクマは、泳ぎがうまい。ホッキョクグマなど数百キロもの氷海を泳ぐことが知られている。日本でもふだんは熊のいない利尻島に2018年にヒグマの足跡が確認され、大騒ぎになったことは記憶に新しい。おそらくそのヒグマは、北海道北部から106年ぶりに泳いで渡ってきた個体であり、その後、再び泳いで北海道に戻ったのだ。
 だからパナマ地峡が形成されるという大イベントの有無にかかわらず、クマは南米に移住できたと思われる。


樹間を飛び越える身軽さも、開発で生息域の縮減進む​
 そのメガネグマは、日本のツキノワグマより、一回り大きく、雄では体重100キロを超える。それほどの巨体なのに、メガネグマは木登りがうまく、木に登って食の95%を木の実に頼るという。近くの木なら、軽々と飛び移る。番組のタイトルに「クマが跳ぶ!」となっているのは、それを指している。
 撮影されたエクアドルでは、途上国のどこにでも見られるように森林の開発が進み、メガネグマの棲む森の3割が失われてしまっているという。
 そのためメガネグマは、餌を求めてアボガド果樹園にもやって来る。農園主たちが、クマ退治をせず、温かく見守っていることが救い、となる。

 

昨年の今日の日記:「ヨーロッパの先史時代、10歳未満の子どもたちも熟練工並みに働いた(or 働かされた)、骨と遺物が語る先史ヨーロッパの児童労働」