団体最終日 | 河合彩オフィシャルブログ「等身大のダイアリー」Powered by Ameba

団体最終日

さあ、五輪初めて行われたフィギュア団体。

日本チームの皆さん、お疲れさまでした!

「団体」ってなんだかいいですね。

各国チームの絆を感じました。


さてまず、町田樹選手。

立派でした。

初めての五輪、しかもあのプルシェンコの後で
よく飲み込まれず落ち着いて滑ったと思います。

しかも4回転は本当に綺麗でした。

今シーズンの町田選手は、試合でもインタビューでも
どこか「強い町田樹」を演じているように感じていました。

これは決して悪いことではありません。

自分を強く見せるため、また強いと自分自身に言い聞かせるために
演じてコントロールすることはよくあります。

ただ、五輪でそれをやると、
時にプレッシャーになりすぎて固くなってしまいます。

しかし、今日の町田選手は、その「強い町田樹」の
兜を脱ぎ捨てて、とても自然に五輪を楽しんでいるように映りました。

とてもナチュラルな表情でした。

私は、五輪は楽しめた選手が力を出せるものだと思います。

引き続き個人戦でも、夢舞台を存分に満喫しながら
戦って欲しいと思いました。

続いて、鈴木明子選手。

一言で表すと、「仲間のために滑った」という演技だったと思います。

音楽が始まる前の一瞬の大写しの時、
僅かに指が震えているのが見えました。

誰でも五輪は緊張します。

そしてややジャンプが少し不安定だったのですが、
最後まで冷静に一つ一つに対処しているような印象でした。

中盤のステップからは、少し硬さが取れたようで、
表情もグッと良くなったように感じます。

あっこちゃんの「オペラ座の怪人」は、
素のあっこちゃんに近い、柔らかな、そして温かな表現ですが、
その心の思いが自然と伝わってきました。

性格的にあっこちゃんは、
自分のためではなく、「誰かのため」に滑った方が
良い演技をするタイプだと思います。

そういう意味で「仲間のために滑りきった」フリーでした。

その思いは、きっと日本チームに伝わりましたよね?

今日の大切な人たちのために滑った経験は、
個人戦に向けて、あっこちゃんにとってはプラス。

女子は時間があるので、まずは身体を休めて
調整して欲しいと願います。

そして最後を締めくくったのは、リード姉弟組でした。

昨日に続き、今日もとても良い演技だったと思います。

最後のローテイショナルリフトで少しだけ時間がオーバーしてしまい、
減点となってしまったのは残念でしたが、
全体的には安定していました。

安定感の理由は、ショートダンスと同様に
二人の息がよく合っていたからです。

まず息が合うと、スケーティングやステップ中の
ホールドが乱れないため、とても良い流れが演技に生まれます。

そしてもう一つ、無駄にエネルギーを使わないため、
後半も疲れにくく最後までスピードやキレが衰えません。

カップル競技の場合、自分たちの外にエネルギーを外に
アピールするのと同時に、互の気持ちを感じることが大切。

要は、どんなに演技に熱が入っても、
どこか冷静な目で相手を気にすることが必要なのです。
(ただし、一生に一度、選手が味わえるか味わえないかの
いわゆる「ゾーン」と呼ばれる境地に入ったときは
何も考えなくても両方できるんですけどね。)

しかし、試合の時は得てして外へのアピールばかりに
重きが置かれてしまい、結果、息が合わない演技になることが
ままあります。

今シーズンのリード姉弟組は、互いを感じる力が
以前に増して良くなっているので、力が出し切れるのだと思います。

引き続き、ぴったり息を合わせて、
二人の空気感と五輪の空気感、その両方を
満喫することがリード姉弟組にとって
次の演技につながると信じています。


今回滑った全ての選手に、個人種目が待っています。

1度「団体」を通して、五輪の雰囲気を踏めるのはありがたいことです。

個人戦では個々の戦いになりますが、
「団体」でのチームパワーを忘れずに、
皆がベストを尽くせることを祈っています。

皆、がんばれ~!!