世界は終わらない、しかし米ドル覇権は終焉に向かう

1974年6月8日

今から丁度、50年前の会談



  ​ペトロダラー体制の確立

米国の覇権を維持するための工作です。


1971年に起きたニクソン・ショックと言われる金本位制を捨てざるを得ない状況に陥り、米国覇権は危機に瀕した。


その「金」にとって代わる方策を探して、ヘンリーキッシンジャーがサウジアラビアと結んだ密約が、当時石油消費全盛期の「石油」売買の条件として、米ドルのみを使用するという、言わば独占的であり、他通貨を排除する独占的契約を結んだ訳です。



Title 

Henry Kissinger With Prince Fahd of Saudi Arabia

ヘンリーキッシンジャーとサウジアラビア皇太子ファハド

Date Created and/or Issued

1974-06-08T07:00:00Z 

1974年6月8日

Publication Information

Chapman University Digital Commons 

Contributing Institution


50年前の記事ニューヨーク・タイムズ記事

NYTimesアーカイブから(1974/06/09)


NYTimes記事のポイントは(和訳)

サウジアラビアは世界最大の石油埋蔵量を持っていますが、協定は石油という言葉に言及していませんでした。双方は、これらが石油に関する二国間協議であるという印象を避けたかった。


しかし、アメリカの当局者は、サウジアラビアが石油生産量の増加（現在1日約860万バレル）を主導し、それが世界価格の下落をもたらすのに役立つという希望を秘密にしていません。


事実上密約として成立！




  ​キッシンジャーの死去

冷戦期のアメリカで国務長官として外交政策を担ったヘンリー・キッシンジャー氏が29日、死去した。100歳だった。日本時間2023年11月30日、昨年です。

キッシンジャー氏が設立した政治コンサルティング会社「キッシンジャー・アソシエーツ」が発表した。米コネチカット州の自宅で亡くなったという。死因は公表されていない。




  ​ペトロダラーの終焉



2024年6月、サウジアラビアは米ドルでの石油販売をすべて停止すると発表する予定で、これにより、1974年6月6日に署名され、2024年6月9日に期限切れとなる50年間のオイルダラー協定が終了する。

この協定を更新することは、サウジアラビアの最近のBRICSへの招待と脱ドル化に向けた動きに端を発している。


ムハンマド・ビン・サルマン皇太子はサウジ政府に対し、石油取引には今後米ドルを受け入れないと通告した。


2022年3月15日にウォール・ストリート・ジャーナルが報じたように、この移行には原油販売のために中国人民元など他の通貨を受け入れる検討が含まれている。


  ​そして、戦争＆紛争レスの世界へ


期限切れになるといっても表面的には普段通りに世界は進んで見えることは間違いありません。


一極支配体制から転換せざるを得ない世界とは、妥協と交渉を重ねながら軍事的手法以外の解決法を見出して行くしかないのではと、庶民としての期待を込めて見守りたいです。


心穏やかに、また世界が穏やかになりますように🙏


最後までご覧いただきありがとうございました。