私の住まいの近くに、「小石川植物園」があり、自然をそのまま保護している、広大な場所です。私は毎朝ここを散歩しています。
この三日間、この植物園で「Sounding Garden of Koishikawa~小さな音を聴く」というイベントがありました。
10名のアーティストがインスターレーションとして、音を出しているのですが、野口桃江(のぐちももえ)さんだけが、音の垂れ流しではなく、銀杏の木の前にオルガンを置いて、ご自由に弾いて下さい、という体験型のインスターレーションを展開していました。
初日は、気になっただけで、通り過ぎただけだったのですが、余りにも気になったので、二日目に、彼女に話しかけて、色々とお話を伺いました。
彼女のサイトの経歴と音を視聴して、びっくりしました。筋金入りの現代音楽家です。
https://www.momokonoguchi.com/CVによると、

桐朋学園大学音楽学部 作曲理論学科研究科修了
フランス リヨン国立高等音楽院 電子音響, エンジニアリング, オーケストレーションクラス修了

オランダ ハーグ王立音楽院/王立アカデミーオブアート ArtScience学科卒業 / 音楽修士

作品のテーマも、電子音楽の作曲、即興演奏、センサーを使ったパフォーマンス、光と霧のインスタレーションの制作などの創作と、多岐に渡っています。

そんな彼女の背景と音楽を知った上で、三日目の(9/3)に、彼女がこのオルガンで弾く即興演奏を、間近で楽しませてもらいました。


「鳥の声、蝉の声、風の音と一緒に演奏したい」という彼女の演奏を聴きながら思ったのは、

ホールでのピアノの即興演奏
教会でのパイプ・オルガンの即興演奏
今回の植物園での即興演奏


が一つになったCDがあったなら、

キース・ジャレットの「ソロ・コンサート」とか「ブレーメン・コンサート」の感動が蘇るのかな、と勝手に想像しました。
ECMレーベルから彼女の作品が出てもおかしくないと思います。

又、即興演奏の録音に関わり、尋常ではない音質へのこだわりを感じました。
彼女が使っているスピーカーがB&Wと知り、納得したのと同時に、より親近感が増しました。
(このイギリス製のB&Wの音については、「音」とは? (B&W、マスタリング)をご参照下さい。)
 

追記 : 森のオルガンができるまで 1ーグリーフの会

 

 

 

 

 

 

又、彼女や、今回の植物園のイベントとは関係ありませんが、私の作品のいくつかのトレーラー・ビデオには、この植物園で撮影しています。