前回投稿の「お門違い」の話。



昨秋からいっしょに活動することが多いOさんは、地元密着の里親募集サイトを利用している。



ある日、そのサイトに、里親希望者を装い、猫の保護を依頼をしてきた人がいた。それも、ご丁寧に、2頭の里親募集中の猫に、連絡があったそうだ。



初めOさんは、なかなか御縁がつながらない子だし、やっと応募があった、と思ったらしい。しかし、話を聞いてみると、なんと保護の依頼。

週4で通っている仕事先で、自分が餌やりをしている猫9頭(子猫もいるらしい)を保護してほしい、というのだ。週4でも、雨が降ると、仕事はお休みらしい。



この時点で、Oさん、怒り心頭💢😡



当然だ。

里親募集サイトは、私達が手塩にかけて育てた猫の、幸せな出逢いを求めるサイトだ。一日千秋の想いで、応募を待っている。

里親希望者になりすまし、あろうことか猫の保護を依頼してくるお門違いの依頼など、ボランティアの神経を逆なでしている。



ましてや9頭とは。



腹は立つが、猫の話なので、保護について、何かお手伝いしていただけますか、ときいたそうだ。そうしたら、「生活が苦しいから、お金はだせない」「自分では、捕まえることも、保護することもできない」etc.…。お定まりの言い訳のオンパレード。要するに、自分の餌やりで増えている猫の面倒を、ボランティアに丸投げしたいといってきているのだ。



優しいOさんは、保護はできないが、とりあえず増やさないようにしないと、と立ち上がり、TNRにかかったのが、先週の三連休初日。そのことは、依頼者にも伝えてある。現場に徒歩圏内に住む私も、お手伝いすることになった。



初日は、雪もよいの寒い日だった。

依頼者は、休日でもあるし、雨☔どころか雪❄では、当然来ない。



現場は、川口駅東口の繁華街。
実はこの場所、かつて、かわねこTNR部さんや、私の古巣の里親の会川口さんが、何度も入って、都度、コンプリートしているはずの現場。依頼してきた人は、その度に違ったそうだ。
しかし、多分街をあげて餌やりをしているようで、すぐにまた猫が流れてきて繁殖を繰り返す。



依頼者からは、猫の個体情報と頭数以外の情報は全くないため、事前に里親会のMさんに現場ツアーにつきあってもらい、捕獲器をかけられる場所を確認する。



通常、TNRをする場合は、餌やりの時間、猫がいつ、どのあたりにでてくるか、など、細かいことを聞き込みをして、作業にかかる。しかし今回、「猫がかわいそうだから、保護してあげて」と依頼してきたにもかかわらず、依頼者は現場に様子を見にすらこない。餌やりさんがいると、捕獲率は格段にあがるのだが、協力してくれる気配すらない。本当に猫が心配なわけではないのだろう。



結果は、初日は午前中、2日目は、早朝5時半から終日、3日めはやはり5時半から9時まで、捕獲器をかけ続けたが、初日、O夫妻が雪の中頑張って捕獲した3頭のみ(1頭は手術済)に終わる。



少ない情報量と、餌どめができない現場では、上出来なくらいだ。でも、まだ子猫?もいるはず。難しい現場だが、継続してやるしかない。



私達は、猫のためなら、自分のことを後回しにしてでも行動する。それは、口はばったい言い方をすれば、猫に対する「善意」がエネルギー源だ。今回のように、その「善意」につけこむような依頼の仕方、すべてのことをスマホを打つ指先一つですませようとする態度には、怒りしかない。若い人なら常識がない、と思わないでもない。しかし、この依頼者は還暦らしい。そんな人が、ここまで人の好意を踏みにじるようなことをする。



悲しい世の中だ。