ルドルフ赤鼻のトナカイRudolph the Red Nosed Reindeer
クリスマスの定番アニメ「ルドルフ赤鼻のトナカイ」について。
アメリカ出身の方に、
「この人形アニメは日本で作られたのに、どうして日本ではあんまり人気じゃないのかな?」
と聞かれたことがあります。
え?
日本でもテレビで放送されたことがあるようですし、DVDも出ています。
でも確かに「誰もが知っている」わけではないですね。
それよりも私がビックリしたのは、「日本で作られたのに」という部分です!
調べてみると、アニメーション作家アーサー・ランキン・Jr氏がプロデュースしたアメリカの作品ですが、日本人スタッフが参加し、1960年代に日本で撮影されたものなんだそうです。
そういわれてみれば、トナカイも日本の鹿っぽくてかわいいです♪
歌の方は、日本でも「赤鼻のトナカイ」(作詞:新田 宣夫)として定着していますよね。
日本語のわかるアメリカ人の方がこの歌の日本語バージョンを聞いて
「ルドルフは、名前も出てこなくて可哀そう」
(?)などととおっしゃるのを聞いたことがあります。
確かに、日本語詞には名前、出てきませんね。
「ものしりクイズ大会」に出場するような人じゃなくても、アメリカの子ども達は9頭分の名前を全部言えちゃうそうです。
ルドルフ、ぐらいは覚えておきましょうか。
このアニメが出来るまでのアメリカの人々のクリスマス観
ちょっとだけ長いですがこの古いパペットアニメ誕生までの経緯を。
起源をたどれば、1823年アメリカの神学者クレメント・クラーク・ムーア(Clement Clarke Moore)が書いた子ども向けの詩“ A Visit from St. Nicholas”に登場する9頭のトナカイ。
9頭すべてに名前が付いていて、この詩を子どもの頃から耳にしているアメリカの方たちは、サンタの手伝いをするトナカイさん達にはそれぞれ名前があると固く信じているようなんです。
ちなみにこの詩は“The Night Before Christmas”などのタイトルで、世界中の画家や絵本作家による絵で、たくさんの絵本になっています。
【クリスマスのまえのばん The Night Before Christmas】
このクレメント・クラーク・ムーアの詩の中に書かれたセント・ニコラス→サンタ・クロースや9頭のトナカイがアメリカ人の間で一般的なクリスマスのイメージとなっているのを背景に、1938年、児童書のベストセラーが生まれました。
ロバート・L・メイ (Robert L. May)が書いた“Rudolph the Red-Nosed Reindeer”です。
更にこのベストセラーの物語を基に、ジョニー・マークス(Johnny Marks)作曲の♪Rudolph the Red Nosed Reindeerというクリスマスソングがヒットし、
そして1964年、ランキン・バス・プロダクション制作により、ルドルフを主役にしたパペットアニメーションが出来たということです。
それ以来、長い間アメリカでは毎年クリスマスシーズンにはテレビで再放送されていて、絵本やDVDも新版が発売され続けているらしいのです。
Why Japanese people・・・ ?
厚切りジェイソンさんじゃないけど、“Why Japanese People?!”
なぜ日本人は、あまりこの作品を知らないのか?
「みんなと同じじゃなくても、あなたはあなたのままが素敵・・・」
というメッセージを感じさせるストーリーが、
「みんなと同じが心地いい」と感じる多くの日本人の気質にウケなかったのか?
それとも著作権の関係などで日本では冬休みにヘビーローテーションできなかったのか?
それは私にはよくわからないのですが、映像的には小さいお子さんとも安心して見られるかわいらしいパペットアニメです。
うちでは、毎年この時期にDVDをひっぱり出して見ています。
(2015年12月 アメママ+コラムより再投稿)
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