私は大阪府北部在住で「肯定派」ではありませんが「大阪万博ウォッチャー」です。経済専門誌も大阪万博を辛口で取り上げています。

 

タイトルはダイヤモンド・オンライン

巨大プロジェクトは想定外がつきもの
想定通りに進む確率はたった0.5パーセント!?

 大阪万博のような巨大プロジェクトが予定通りに行ったことは人類史をひも解いてもほとんどない。巨大プロジェクトで想定外のアクシデントが起こることはほぼ必然のこと、だからである。

 巨大プロジェクト研究の第一人者ベント・フリウビヤ教授が記した話題の著書『BIG THINGS』(サンマーク出版)によれば、実に巨大プロジェクトの91.5%が予算か期日、もしくはその両方をオーバーしており、予算、期日、そしてプロジェクトがもたらす便益が想定通りだったケースは実に0.5%に過ぎないという。

「巨大プロジェクトは絶対に予定通りにはいかない」というのは、もはや人間社会の宿命なのだ。

 

われわれは本来、うまくいかないことを想定して、プロジェクトを設計しなければいけない。

 万博推進者たちにミスがあったとすれば、ベストケースの完成予想図に基づいて、自信満々に喧伝して回ったことだろう。とりわけ、初期段階から不確実性が高かった空飛ぶクルマは、万博の目玉の一つにするには、リスクが高すぎた。

 巨大プロジェクトは、なぜ予定通りに進まないのか。

 それは、プロジェクトがあまりにも巨大であることに原因がある。

“予想通りに予想外”が
起こっている大阪万博

 プロジェクトの中には、無数のアクシデント要因がある。工期、災害、為替、物価、技術……一つ一つは、アクシデントになったとしてもごく小さなものかもしれないし、発生確率もさして大きくはないだろう。

 だが、数千数万ものそうしたアクシデント要因が積み重なれば、何かしらの重大アクシデントが起こる確率は、われわれの想定をはるかに上回るものになる。

 例えば、1%の確率で発生する1000のアクシデント要因があったとして、その全てを回避できる確率は、わずかに0.004%だ(0.99の1000乗)。一方、同じ条件のもとで、3度のアクシデントに見舞われる確率は、12.38%にも達する。

しかも、その1000の要因のうち、何が、いつ現実のアクシデントとなるかをわれわれは事前に予測することはできない。

 かくして、巨大プロジェクトでは「ほぼ確実に、予定外の何らかのアクシデントが発生する」のだ。

 

 これが、社会学者のチャールズ・ペロー氏が1984年に提唱した「ノーマル・アクシデント」の理論である。大規模な事業組織では、想定外のアクシデントがごくありふれた普通のこととして(Normal)起こることから、こう名付けられた。

 万博のような巨大プロジェクトの中では、私たちは、いついかなるトラブルが発生するとも予測はできない。爆発事故も、空飛ぶクルマの停滞も。

 

 

会場の夢洲は「大阪北港最終処分場」で埋め立て地軟弱地盤メタンガスが噴出するのは当たり前です。