メルカリはバーチャルだったのか④(8月11日) で株価の動きを見ました。今回は、PBRに着目して考えてみます。

 

スマホアプリによる C2Cビジネスは日本では目新しいですが、それだけだと考えています。コンビニ百貨店ディスカウントストアPBRを見ると

  • セブン&アイHD(3382):1.31、ローソン(2651):1.99、ユニーファミマ(8028):1.93
  • 三越伊勢丹HD(3099):0.51、J.フロントリテイリング(3086):0.77、高島屋(8233):0.47、H2Oリテイリング(8242):0.48
  • パン。パシフィック・インターナショナルHD(パンパシHD、旧ドンキホーテ、7532):2.98
  • メルカリ(4385):7.37

など。都心部にリアル店舗を構える百貨店が苦戦しています。ディスカウントストアパンパシHDでも3倍です。

 

私は、メルカリリアル店舗がない代わりに、巨大な情報システムの構築が必要だと考えています。ネットショッピングのアマゾンはB2Cビジネスなので、商品にはコードが予め割り振られていますし、数は顧客数(ユーザ数)よりははるかに少ないです(N : n (Nは販売者の数、nは顧客の数))。それに対して、C2Cビジネスは、商品コードが割り振られていないもの、汚損、使用程度の異なる中古品など種々雑多です。最近は7月にあった京都・祇園祭の粽(ちまき)が出ていました。昨年は、「甲子園の土」が出ていました。それぞれに、画像を元にして「固有」の商品コードを付しているのでしょうか?

(※ 新品のDVD、ゲームソフト、本を例にすると、売れ筋の商品を大量に発注して仕入れ原価を下げ、日本であれば全国数カ所の配送センターに分散しておけば、商品コードは単一ですみます。データベース設計では、「再利用」できることが「肝」です。

また、利用者(ユーザ)が3倍になると、C2Cでは3 x 3で9倍になります。かかる費用は10倍にはなりませんが、DBサーバの負荷は10倍になるので「スケールアウト」で設計しても大変です。十年間でざっと千億円以上と見ています。

※ 専門雑誌の"Web+DB Press"は十数年前は仕事で読んでいましたが、メルカリのエンジニアは優秀なようです)

 

まともな情報システムを作るには、恐らく100億円オーダーが必要です。さらには、ここ1、2年で更新しないとパンクすると危惧しています(要確認)。現在、純資産は約500億円なので、PBRが2倍として、株価は千円以下が妥当と考えています。(新規のビジネスが立ち上がらない場合)

 

アマゾンが強いのは、自前でソフトウエア開発センター、データセンターを運営していて、配送センター(物流センター)があることです。

 

(18日、追記)

少し書きすぎかもしれませんがm(__)m、やはり評価できません。住んでいる地区の古紙、空き缶、ペットボトル等を廃品回収日に指定の場所に出していると、市の指定業者以外の業者、個人が朝早くから回収しています。「すき間ビジネス」というのか、よく分かりませんが、いい光景ではありません。同じようなものだと考えています。

(関連ブログ)

メルカリとパンパシHDとを比べる(8月18日)