外国人労働者に関する新聞記事(12月22日) に、”…私は「出入国在留管理庁」の設置そのものには反対ではありません。寧ろ、これまでの「入国管理局」を換骨奪胎して、新しくすることには期待もあります。…”と書きました。

 

下の資料は法務省のHPから抜粋した概算要求資料です。

 

 

外国人労働者に関する来年度予算について、読売新聞は『…来年4月に「出入国在留管理庁」を新設することを決定した。5432人態勢で発足させる。…同庁は、法務省の内局にあたる入国管理局(4870人)を外局に組織改編して設ける。…』と書いています。上の機構図では、「在留管理支援部」と「出入国管理部」が並列となっています。

 

出入国管理部」が不法滞在者を取り締まる立場、「在留管理支援部」が在留外国人を支援する立場で、同じ組織の中で立場が大きく異なることになります。果たして、これまで不法滞在者を取り締まっていた職員が、外国人労働者を受け入れる業界、中小・小規模事業者を指導監督できるノウハウを持っているとは考えにくいです。最低賃金法を遵守しているかの立ち入りも予定されているようです(要確認)。

 

組織については、いきなり4870→5432人と562人も増えることはないと考えています。全国にワンストップサービスの拠点を100カ所、設置するようですが、担当者は、いきなりスーパーマン的な活躍をしなければなりません。例えば、中国語、韓国語、ベトナム語などのいずれかが話せて、社会保険労務士の資格があって、それぞれの拠点の労働基準監督署(厚生労働省所管)と連携が取れて、受け入れる中小・小規模事業者と外国人労働者の双方に対応することが求められるのでしょう。

 

読売新聞4面(政治欄)

 

在留を希望する外国人の在留資格を見直すには、来年4月1日のスタートは拙速だと考えています。常識的に考えれば、外国人が多く住む自治体で職員が数カ月、研修を受けないと、いきなりでは無理でしょう。職員が必要なスキルを身につけるには、年単位の経験が必要です。

 

(11PM、追記)

本当に、「多文化共生社会」を目指すのであれば、「在留管理支援部」の職員の半数は外国人が好ましいと考えています。私の偏見かもしれませんが、これまでは法務省は外国/外国人労働者に対して「鎖国」政策だったように思います。意識改革が必要なのでしょう。