西日本豪雨も峠を越えたように見受けられます。私は関西在住ですが、8日は朝から晴れ間が見えました。ただ、西日本各府県の被害は、まさに”国破れて”の状況です。まだ、雨が降ることもあります。関西にいるので、西日本のTVニュースが多いようです。映像は衝撃的です。特に、”亡くなられた方を発見した”というニュースを見聞きすると悲しいです。

 

被害には人的被害と物的被害に分けられます。

 

人的被害については、死者、行方不明者を含めると最終的には200名程度になると予想しています。昨日の新聞を読んでいると、『…過去に1972年の「昭和47年7月豪雨」がある。被害は甚大で、死者421人、行方不明者26人、住家の全壊は2977棟だった。』(毎日、3面(分析・解析欄))が目に留まりました。

 

今回の物的損害は分かっていません。ググると阪神・淡路大震災の被害額は約10兆円、東日本大震災は約17兆円という数字がありました。数字については確認が必要ですが、参考数字として挙げておきます。私の全くのあてずっぽうですが、10兆円前後で考えることにします。住んでいる家の被害、農畜産業への被害、企業への被害等、多岐に亘ります。町の1/4が水没した岡山県倉敷市真備町では、庁舎そのものが浸水して、使えないようです。

(※ 普通は、「国民保護法」で中央省庁、関連機関、地方自治体等は「国民保護計画」を定めるので、浸水、水没は想定外の筈ですが…。地方公務員でもある程度の役職であれば、当然知っているものです。)

 

10兆円とすると、政府予算の1割前後になります。平成30年度の第1四半期が終わったばかりなので、「本当に」政府がやる気があれば、予算を組み替えて、今年度予算を減額補正し、必要な災害対策費を捻出すべきです。一度、ついた予算だからと各省庁だけでなく、族議員の猛烈な反対が予想されます。また、政府予算の多くは義務的経費なので、思い切って減額補正しても、精々、2、3兆円でしょう。

 

復旧、復興については、全額拠出するのではなく、1/2補助、2/3補助とすべきです(これは私の意見です)。そうしないと自治体のモラルハザードとなります。一方で全壊した家にローンが残っておれば、「二重ローン」問題があります。しかし、阪神・淡路大震災では、多くは地方自治体、企業、個人が負担しました。農畜産業の被害については、農業共済組合(NOSAI)がありますが、民間の大手損害保険会社並みの保証能力があるのかは検証が必要です。

 

自治体が「ハザードマップ」を出すと、不動産業者が嫌がるという話を聞いたことがあります(要確認)。物件の価格が下がるとか。山の中腹を造成して作られた土地をどう考えるのか?難しい問題ですが、古くからある平坦な場所の価格を基準として、価格を見直す必要があるのでしょう。

 

(あと書き)

私の住んでいる所では、6日間、ずっと雨でした。今回は、気象庁が臨時に記者会見し、大雨特別警報を出す判断も早かったと評価しています。しかし、倉敷市真備町のように町の1/4が水没しました。広島県での住宅への被害では、鶏舎が緩いのにも関わらず、”表層なだれ”のように土砂が流されました。土木工学の専門家も予想できなかったようです。

 

さて、何故か、自民党の得票率は「西高東低」のようです。一般会計予算の半分は赤字国債なので、どこかの予算を減らさないと、必要な予算は出てきません。今が、本当に「汗をかく」時です。お金はどこからも湧いてきません。聖域なき財政改革が今こそ、必要です。「激甚災害」に指定されるようです。本当の「国難」と言えます

 

7月なので、来年度予算の話があります。防衛費は5兆円だそうです。外交と安全保障は表裏一体です。まだ、北朝鮮への警戒を解くべきではありませんが、徒(いたずら)に「国難」と煽り、対話の努力を怠ってきたように思います。必要な防衛予算は認められるべきですが、英語で'destroyer'と表現される駆逐艦を、”護衛艦”と称し、戦闘機が離発着できるようにするのは、「自衛」の範囲を超えています。守るべき「国」が疲弊しているのに、本当の「国難」なのに、どうかと思います。

 

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”数十年に一度”は想定外か?①(7月8日)