2016年(平成28年)11月9日に開催された国家戦略特別区域諮問会議で、『…現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とするための関係制度の改正を、直ちに行う』ことが決定されました。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/pdf/h281109.pdf

 

下の日本地図は官邸のページからの抜粋です。

獣医系大学設置状況(平成28年度)

 

現在、岡山理科大学獣医学部も入れると全国で12都道府県に獣医系大学があります。言いかえると35府県には獣医系大学がありません。果たして、「広域的」という文言と上の日本地図を見て、どこが一番、距離的に離れているのでしょうか?私の目には福島県が最も獣医系大学から離れているように見えます。更には沖縄県が最も遠いです。しかし、東北地域には既に2校あります。京都府は隣の大阪府に獣医系大学があります。四国地域には獣医系大学がないので「ビンゴ」だったのでしょうか?どうしても1校に絞るのであれば、なのでしょうか?

 

突然出てきた、「広域的」と「平成30年4月開学」の条件追加は「アンフェア」というのが私の見解です。地域別人口では、九州地域:約1470万人、中国地域:約760万人、四国地域:約400万人です。したがって、九州地域 > 中国地域+四国地域ですし、家畜の飼養頭数では九州地域が圧倒しています。

 

四国地域で家畜伝染病が発生し、四国での公務員獣医師が足りなければ、中国四国農政局(岡山市北区)が中心となって中国地域の獣医師を派遣するでしょう(要確認)。車なら2時間少しで今治市まで行けます。さて、次長は折角の岡山市への出張で、中国四国農政局に行ったのでしょうか?岡山理科大学と同じ北区に所在しています。直線距離で5キロなので、職務に忠実であれば、訪問してしかるべき農林水産省の出先機関です。「広域的」という文言は、農林水産省の出先機関が中国四国農政局なので、「破綻」しているように私には感じます。ちなみに文部科学省は文化庁を京都市に移転しますが、出先機関はありません。

 

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岡山理科大学と京都産業大学(1)(5月17日)