国家戦略特区」制度による獣医学部新設については、「獣医師の数は足りているが、職種/地域での差がある」とされています。主だった都道府県の獣医師初任給について、各都道府県のHPをググって調べてみました。下の表は暫定版です。実際に受け取る給料には、住居手当、交通費等があり、初任給調整手当も調べきれていませんm(__)m

 

また、実際の職務内容と比較しなければ、給料が高いのかどうかの判断はできません。また、初任給だけでなく、生涯賃金や福利厚生も考慮する必要があります。

 

 

少し、調べていると青森県初任給調整手当を3万円→4.5万円にしたので、一番高いようです(要確認)。上の表の右端に、国家公務員総合職)の初任給を入れています。獣医学部/獣医学科は6年制なので、2年分は高くて、21〜25万円@月のようです。

 

国家公務員では、農林水産省厚生労働省獣医師を採用しています。霞が関の本省勤務以外に、下の図の動物衛生研究所、国立医薬品食品衛生研究所、国立感染症研究所等で研究職としての勤務や全国の動物検疫所が勤務先になります。国家公務員は基本的に、人事異動(地方転勤)があるので、地方公務員のように地域限定ではないのでしょう。

 

 

公務員であっても民間企業ほかであっても、長続きするには、「本人の資質」が一番です。デスクワークというよりは、現場の仕事なので、特に「本人の資質」次第でしょう。

 

獣医師は国家独占資格であり、獣医師は飼育動物(家畜、ニワトリ、ペット等)の診療ができます。ただし、野生動物のキリン、象などは家畜ではないので、獣医師法(昭和24年6月1日法律186号)の「外」にあります。

獣医師法

 

(1PM、追記)

医師の医療過誤と同じく、獣医師医療過誤に対して、民事での損害賠償の対象となります。競走馬への静脈注射時に間違って頸動脈を刺してしまい、死んでしまったことがあります。8月に起きたJRA獣医師による医療ミスです。人よりも高価な場合があります。米国では

競走馬をトラックで輸送中に、人身事故を起こしても、そのままで移送先に移動すると聞いたことがあります。

(※ 「馬運車 + 人身事故」でググれば出てきます。人が飛び出しても急ブレーキを踏まないと言われています。逆に「馬運車」に損害を与えた場合は、「青空天井」の賠償請求となります。)

 

診療行為には、人でも動物でもミスがあってはいけません。その意味では、待遇改善は必要でしょう。愛媛県とか今治市の首長、議員は、「公務員獣医師が足りない」というのであれば、まず、自らの報酬をカットしてでも処遇改善すべきでしょう。

 

(2019年7月28日、追記)

2年経過して、時々は過去のブログに追記しています。理工系の大学院修了だと、男女とも初任給は23万円強です。ただし、東大、京大、早慶など著名大学の院卒者は数年で管理職になりますので、30歳前後でメーカー系であれば年収は500万円は超えていると思われます。

 

獣医学部は6年制なので理工系の院卒者と同等ですが、昇給カーブが低いので、決して恵まれているとは思いません。