豊洲市場 について:「卸売市場を小売業と比較する」(4月9日)で、『…東京都にある11の中央卸売市場と7&i、高島屋と比較してみました。7&i はコンビニが全国に約19,000店あって、高島屋は国内に19店舗、海外に3店舗あるので、店舗数で比較すると高島屋との比較がしっくりするかも知れません。業態としても、建物の中に小売店舗がテナントとして入っている百貨店との比較が適しているのでしょう』と書きました。

 

東京都中央卸売市場の11市場の水産物青果の取扱金額を平成27年の決算審査意見書の表からグラフにしてみました。場所は、東京都中央卸売市場のページから拝借しました。

 

 

出典:平成27年度東京都中央卸売市場会計決算審査意見書

 

 

 

 

業界3位の高島屋も含めて、百貨店業界は、売上高ランキングの4位までは年間売上高が1兆円程度です。上記のグラフで分かるように、水産物青果を合わせると年間の取扱金額は1兆円を超えています。その他、食肉、花きを含めると平成27年度で約1.3兆円でした。

 

卸売市場法農林水産省が所管しています。

卸売市場流通の現状等 - 農林水産省には、図表を使った分かりやすい分析があります。また、神戸市中央卸売市場のようにPFI事業として、施設の設計・建設、施設の維持管理及び運営を委託した例があります。

 

さて、豊洲市場豊洲新市場移転計画)は、豊晴計画の中の一つのピースだ(と考えています)。豊洲地区の南北を環状2号線が、東西を補助315号線が横切っていて、主要棟である青果棟、水産仲卸売場棟、水産卸売場棟が東西南北に分かれているというのは、実は豊洲市場のことを誰も真剣に考えていなかった結果だ(と思います)

 

豊洲新市場移転計画は、2006年からの(2016年東京開催に向けての)オリンピック招致活動、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災などがあり、土壌汚染については、2008年に開催され:「卸売市場を小売業と比較する」(た前専門家会議(第6回)でベンゼンが環境基準の4万3千倍という結果が明らかにされました。2006年からでも11年を経過しました。オリンピック招致には豊洲市場への移転が最優先なのかも知れませんが、立ち止まる機会は、2008〜2011年までに何回かあったと思います。

 

私は関西在住の門外漢ですが、2020年東京開催の決定には、キーワードで「(東日本大震災からの)復興」と「レガシー」がありました。築地市場豊洲市場については、どちらが「レガシー」を尊重するのかが問われていると思います。また、半分ぐらい、「卸売市場を小売業と比較する」のタイトルから脱線しましたが、小売業と同じく、水産仲卸業者から買うのは、消費者です。