古之欲明明徳於天下者、

先治其国。

欲治其国者、先齋其家。

欲齋其家者、先修其身。

欲修其身者、先正其心。

欲正其心者、先誠其意。

欲誠其意者、先致其知。

致知在格物。

 

古の明徳を天下に明らかにせんと欲する者は、

先ずその国を治む。

その国を治めんと欲する者は、

先ずその家を斉(ととの)う。

その家を斉えんと欲する者は、

先ずその身を修む。

その身を修めんと欲する者は、

先ずその心を正しくす。

その心を正しくせんと欲する者は、

先ずその意を誠にす。

その意を誠にせんと欲する者は、

先ずその知を致す。

知を致すは物に格る(いたる)に在り。 

 

 

≪解釈≫

古代の明徳を天下に対して明らかにしたいという者は、

(天下よりも先に)まずその国をよく治める。

その国を良く治めたいという者は、

(国よりも先に)まず自分の家族を整える。

その家を秩序ある形で整えたいという者は、

(家よりも先に)まず自分自身の身や道徳を修める。

その身を修めたいという者は、

(身よりも先に)まず自分の心を正しいものにしようとする。

その心を正しくしたいという者は、

(心よりも先に)まずその意志を誠実なものにする。

その意志を誠実にしたいという者は、

(意志よりも先に)まずその知を高めようとする。

知を高めるとは、

物や事物の仕組み(基本教養としての六芸)について

理解するということにある。 
 


≪後述≫

大学は、

儒教の思想を簡潔かつ体系的に述べた書物であり、

その内容は、

三綱領(明明徳 、親民、止於至善 )、

八条目(格物、致知、誠意、正心、修身、斉家、治国、平天下)に要約されており、

本章では、

君子が習得すべき知として

八条目の​​​”致知”、”格物”(格物致知(格致とも略される))

について述べている。

 

 

本日も貴重なお時間を頂戴しまして有難うございます。
 

今日という日が

あなたにとって最善、最良の日となりますように!

                        

                             祈

苫米地英人集大成メソッド『オールライフコーチングプログラム』

 

 

≪孔子とは?!≫

名を丘,字を仲尼といい、

魯の陬(すう)(山東省:現在の山東省曲阜(きょくふ)市で)の生まれ。


父は叔梁紇(しゅくりょうこつ)、

母は身分の低い16歳の巫女であった

顔徴在(がんちょうざい)。

(詳細な記述はありません。)

紀元前552年(一説には551年)、

孔子は叔梁紇(しゅくりょうこつ)の庶子(父が認知した私生子)、

次男として生まれた。

 

孔子の身長は、九尺六寸(216cm)。

(春秋時代の1尺は、22.5cm)

 

漢民族は非常に大柄なのですが、

史記の記述には

「彼を見て驚き、長人と言う」とあります。

 

また、

「色黒で、長身で、はるか遠くを見つめるまなざし」

とあり、屈強、精悍、切れ者といったイメージの男

であったとされます。

 

孔子は前四七九年、73~74歳で没し、

曲阜の城北の泗水(しすい)のほとりに葬られた。

古代としては、大層な長生きです。

 

「夾谷の会」で華々しい活躍をした孔子は、

その後も魯の国で善政を広めました。

孔子は自らの理想とする政(まつりごと)を実施したようです。

 

魯の国で宰相を補佐し、国政に参加しました。

その後三ヶ月以内に、

魯の国では商売をする者で暴利を得る者は居なくなり、

男女の道を行く者は、自然と別々の道を歩くようになり、

風紀が保たれました。

さらに道に落し物があっては、

黙って拾って自分のものにすることが無い国になりなりました。

 

しかしながら、

宿願であった為政者としての経歴は、

中都の宰・司空・大司寇を務めた

五十二歳から五十六歳迄の間のわずか五年間しか続きませんでした。

自らが作り上げた安定が、

五年間で崩れ去ってしまうことを全く想像すらしていなかったことでしょう。

彼の政治はいつしか民衆に息苦しさとして受け取られ、

非難がどこからともなく湧いてきたのです。

そして、失脚。

孔子は自らの政治を誰も求めなくなったことを知りました。

彼は絶望と哀しみの中で決意をします。

それは自らを登用してくれる国を探し、

弟子たちを連れ、

十四年にもわたる長い流浪の旅(亡命生活)に出ることでした。

 

孔子は「和を以て貴しと為す」と遺しているように、

”人の和”を最も大切にした人です。

 

孔子の弟子は三千人にも達し、

その中で孔子は四つのことを教育していました。

一.道理を書き記した学問(文)

一.徳行を以て垂範すること。実践。(行)

一.自分の良心に忠実であることと、

  他人に対する思いやりが深いこと。(忠恕)

一.真心をもって約束を守り、偽ったり、欺いたりせず、

  真実で正しい道を守ること(信)

 

孔子は、

人々が陥りやすい四つのことを断ち切りました。

(子四を絶つ。意なく、必なく、固なく、我なし。)

その四つとは、

一.(主観的な)私意を通すこと、独断

一.無理押し、無理強い

一.固執、執着

一.我欲を張り通す

 

仁は遠からんや。

我、仁を欲すれば、ここに仁至る。

(仁は誰の心にもあり、

 仁を願う自分自身の心が呼び起こすものである。)

 

『論語』述而篇の中で

「孔子は温和だったが厳格、威厳があったが、

威圧感はなく、礼儀正しいが窮屈な人ではなかった」

と弟子たちが述べています。

孔子の傍にいる人に幸福感を与え、

しかもそれらの人を向上心に導く

理想的な先生だったのでしょう。


孔子の弟子たちは、

孔子との様々な人間模様を

今の世に遺してくれています。

 

≪儒学の経典について≫

儒学の基本思想を示した経典には、

四書と五経が存在しています。

 

四書には、

論語、大学、中庸、孟子の四書が存在しており、

五経には、

易経、書経、詩経、礼記、春秋があり、

五経を以て四書よりも高しとする。

 

儒学として勉強するなら、

まず四書、その中でも始祖の孔子の教えをまず学び、
然る後に

四書の他の三つを勉強して儒学の基礎を固めることになるのです。