矢野義昭( 元陸将補)のウクライナ戦争占いを夕刊フジ(ネット無料版)で読んだ。

そして、「ウクライナ戦争「ロシアが勝利」すればグローバリズム拡大に歯止め ナショナリズム復興と文明固有の価値観を再認識」

そうか、世界はますます混沌と・・・・(´・ω・`)。

******************** 

 

矢野義昭
「ロシア勝利」濃厚か 欧米の力は低下し、世界は新たな多極化時代に突入 
2024/2/3 08:30 週刊フジ
 
クライナ戦争は、「ロシア勝利」で終結する見通しが強まっている。その後の世界秩序は、欧米の力が相対的に低下し、多極化時代になるであろう。

ウクライナ軍では、70歳の老兵、14歳の少年兵が確認されているほどの兵員不足に陥っている。弾薬・装備も枯渇している。ジョー・バイデン米政権の軍事支援担当者は今月、「米議会が動かなければ、(弾薬が枯渇し)あと数週間でロシア軍が勝利する」と述べている。

ウクライナの敗北は、ウクライナを支援してきたNATO(北大西洋条約機構)、とりわけバイデン政権の敗北を意味する。

米国の一極覇権は終わった。米国は900万人とも言われる不法移民の激増に伴う、「社会の分断」と「経済の混乱」「治安悪化」に直面している。同様に「政治的不安定」にさらされている欧州の混乱も進むだろう。

他方で、戦勝国となるロシアは、国力を増大させて国際的な影響力を拡大するであろう。漁夫の利を得た中国や、グローバルサウスの筆頭に立ちロシアと親密な関係にあるインドなどの大陸国の台頭を招くだろう。

これまで親米的だった中東やアフリカの諸国の間でも、サウジのBRICS加盟にみられるように、欧米離れが進んでいる。

このような世界的な「バランス・オブ・パワーの変化」の背景には、「海洋国優位から大陸国優位へ」という、地政学的要因がある。

近代西欧文明は新大陸発見以来、他の文明世界を植民地化して覇権を維持してきた。その優位性の源泉は、大砲を搭載した大型艦船に象徴される「渡洋可能な軍事力」にあった。

西欧列強の覇権国は、スペイン・ポルトガルから、オランダ、英国、米国へと移り変わってきたが、海洋植民地帝国として覇権を維持してきた点では一貫している。

これら諸国は、まず海外の資源と労働力に富む地域に艦隊を送り込み、軍事的に征服して植民地化し、得た富を艦隊の護衛の下に本国に送り返し、貿易で多額の富を得る。その富を、また海軍力に注ぎ込んで次の植民地開拓に投入するという手法で植民地帝国を築いてきた。

第二次世界大戦以降、世界的覇権国となったのが米国である。米ソ冷戦もソ連崩壊に終わり、1990年代には、世界中が米国型の自由で民主的な市場経済の国になり、新世界秩序ができると一部では予測された。

しかし、その予測は当たらず、「新たな多極化時代」が到来している。米国は今後内向きになっていくであろう。日本は米国依存から脱却し、自立しなければならない。

資源、エネルギー、食糧とも自給率が低く、少子化の進む海洋国家のわが日本が、どう自立し生き残るかがいま問われている。