こんにちは。



視覚と肢体不自由の障害を持つIT先生、目が不自由な人のためのSNS参入サポーターこと、河和 旦(かわ ただし)です。



私は会員制の文章教室、ふみサロに入会しています。



ふみサロでは毎回課題図書が与えられ、その本から得たインスピレーションをもとに800字(点字32マス44行)程度でエッセイを書きます。



今回の課題図書は、早く絶版になってほしい #駄言辞典です。



この本を元に書いたエッセイは以下の通りです。






【早く終わってほしい「障害者排除論」】



「なんだ、この車椅子の役立たず!!」



1999年、中学2年生で私がいじめられたときに言われた言葉である。



そのときは何も言い返さなかったが、心の中で「社会人になったら『役立たず』とは言わせない人間になってやる!」と言い聞かせた。



私には重度の視覚障害と肢体不自由の重複障害がある。詳しくはプロフィールを見ていただきたいが、包み隠さずに言うと私は身体障害者手帳1級の最重度の障害者である。



それから17年経った2016年7月26日、神奈川県立の知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」で19人の施設入所者が元施設職員だった犯人に刃物で刺し殺される事件が発生した。



犯人は犯行の動機として「意思疎通のできない重度の障害者は不幸かつ社会に不要な存在であるため、重度障害者を安楽死させれば世界平和につながる」と思って殺人を犯したと供述した。



私の事例と津久井やまゆり園で起きた事件の共通点は、障害者を社会から排除しようとする思想のステレオタイプな人間がいるということだ。



だが、本当にそのような考え方でよいのだろうか。



確かに日常生活において介助が必要だったり、意思疎通が困難だったりするので、健常者のように何でもたやすくこなせるわけではないことは事実である。私たちは不器用に生きていると言ってもよいだろう。



他方、さまざまな手段を駆使して仕事をしている障害者もいる。私は画面読み上げソフトが入ったパソコンをフル活用して仕事をこなし、執筆活動も行い、昨年共著でエッセイ集24色のエッセイを出版した(現在2冊目のエッセイ集刊行に向けて準備中)。



木村英子氏や天畠大輔氏は、障害を負いながらも国会議員として働いている。



日本では(個人的に)、「障害者だから」というだけで「役立たず」や「社会に不要」というレッテルを張られた社会が、ずっと続いてきた印象がある。



一報で、障害者差別解消法の制定や東京パラリンピックの開催などが影響し、バリアフリー化や障害者を理解する試みが少しずつ浸透しつつある。



このような転換期に来ているからこそ、「障害者お断り」という議論をするのではなく、「どうすれば障害がある人が健常者に近いかたちで社会参加できるか」皆で考えることが必要だと感じている。