高校生のとき行事で竹が必要になった。学校から少し離れた禿げ山のそばに家の竹藪があって、春先には筍も掘りに行っていた。そこに友人達数人で竹を取りに行った。山は小さい頃から崖のようになっていて、その頃から山肌は露出していたが、新しく住宅を建てるために少しずつ削り取られて、どんどん形を変えているようだった。

禿山は中腹に細い道があって、子供たちがそこから段ボールに乗って滑り降りていた。禿山は急斜面になっていて、僕も子供の頃は平気で滑り降りていた。それが高校生になったときには、斜面が急すぎて怖くて、遊んでいる子供達を、そして平気だった幼い自分を、信じられない思いで見ていた。

赤土の禿げ山のそばの竹藪に日射し差し入る静かな孤独