近所の八百屋の

親父さんは

おっかない女将さんから

 

尻を叩かれて

渋々仕事をしていたような

気がする

 

僕ら子供達も

そんな親父さんを

軽く見ていた

 

僕が子供の頃は

店に持っていくと空き瓶を

買い取ってくれた

 

店の裏側に

ジュースの空き瓶が

積まれていた

 

そこから空き瓶を

取っては

親父さんに売っていた

 

今思うと

それは立派な犯罪だった

けれど僕らは平気でやっていた

 

親父さんに隠れてやっていた

けれど親父さんは

すべて分かっていた

気がする

分かっていて

僕ら子供達に甘えさせて

くれたような気がする

 

僕らもそれを

薄々感ずいていて

甘えていたところもあった