月面に月面に ブランコを下げて 漕いでみる 風は無く 薄闇に 影が 溶けていくよう 空気が無いと 風が吹かない 大気の揺らぎが無い ということは 無音の世界でもある ということ 無音の状態は 孤独だけれど それが良い また、重力が無いと (まるっきり無い訳ではないが) 自分の存在が 不明瞭になる 重さが無いと 他者との境が 判らなくなる気がする 月面のブランコゆらり揺れてゐる無風の闇にとけてゆくまで