タイムトラベルについて本気で語る学者がいることが気になって、

今わかっている事実を集めていましたが、

最後は、まったくのおとぎ話になります。

 

いまだに語られる自称タイムトラベラー

2000年11月、

自身をタイムトラベラーと名乗るジョン・タイターという人物がウェブに投稿を始めます。

タイムトラベルの方法をはじめ、(彼の世界線で起きた)米国の内戦(というより内乱)や2015年に起きる核戦争について言及し話題を呼んだそうです。

 

2009年の調査では、タイターはフロリダの弁護士ラリー・ハーバーと、彼の弟でコンピュータ技術者のモリー・ハーバーによる創作である可能性が高いと結論づけられたそうです。

 

ホンモノかどうかは疑わしいですが、

作り話だとしても興味深いところが多かったので、その投稿内容を抜粋してみました。

 

タイムマシン
タイムマシンの動作や仕組みについて書かれた部分に注目してみます。

 

タイムマシンで時間を移動したときの様子
目的地の座標をコンピュータに入力した後、装置が立ち上がるのに少し時間がかかります。
アラームが鳴り小さなライトが点いて、カウントダウンが始まります。
この時点で、乗組員はシートに体を固定しておかなければなりません。

装置により重力場が生じ、乗組員も急速に巻き込まれていきます。
エレベーターが高速で上昇するときのように、装置にぐいと引っ張られる感じです。
この感覚はどんどん強まっていきますが、どこまで強くなるかはパワー設定により異なります。
パワー全開の場合、万有引力定数では2G、装置に近ければそれ以上にもなります。
深刻な副作用はありませんが、私はフライト前にものを食べないようにしています。

明るい閃光は見えません。
外からは、光が周囲で屈折し、それと同時に乗り物が加速しているように見えます。
このとき紫外線が瞬時に炸裂するため、サングラスをかけるか目を閉じるかしなければなりません。

私の個人的な意見ですが、虹の下を走っているように見えると思います。
その後、色が消えて黒くなり、装置をオフにするまで真っ暗な状態が続きます。
マシンの外側にはかなりの熱が生じるので、窓は閉めておかねばなりません。
また、重力場によりマシンの周囲に小さなエアポケットができます。
圧縮空気を持ってきていない場合、これが唯一の酸素の供給源となります。

このエアポケットは短時間しか持ちませんが、危険なレベルになれば、二酸化炭素センサーが知らせてくれます。
C204型の装置は1回のタイムトラベルが50~60年の範囲なら正確に動作し、パワー全開の場合は10年を1時間で移動します。

装置の動作中はパワーが変化するとき、あるいは装置がオフになるとき、かすかな機械音がします。
静電気のパチパチという音はかなり大きく聞こえます。

 

地球の位置が変わることや目的地に障害物がある場合
非常にいい質問ですね。
答えの一部は過去の書き込みにも含まれています。
皆さんの一番目の質問がこれでないことに、私はよく驚かされます。
あなたの言うことは正しいです。
実はこの問題が、タイムトラベルで一番困難なところなのです。

物体の転移に関するあなたの想定は少々ポイントがずれてはいますが、確かに問題はあります。
転移装置は、高感度の時計と重力センサーを内蔵しています。
このシステムはVGL(可変重力ロック)といいます。
単純に言うと、装置がある世界線から出発する前に、局所重力の基礎読み込みを行い、ティプラーの正弦波をその位置に「ロック」します。

時間に関する物理的説明として正しい表現ではありませんが、実質的にはこれにより「地球」に対して固定されることになります。
移動中、重力場に変化がないか定期的にチェックを行います。
変化があれば、停止してコースを逆戻りするか、その時点に落下します。
建物やその他特徴的な地形も同様に回避できます。
酸素は乗り物に積み込みますが、大気圧はそのまま保たれます。

 

Zピンチ核融合について
CERNでは、同時にいくつもの実験が進められているはずです。
私の言う実験とは、陽子を使って非常に高いエネルギーを生み出すものです。
私の世界線での歴史だと、この課題は今より1年半ほど前に論点になっていたと記憶しています。

こうした実験について、危険すぎて試みるべきでないと考える科学者もいました。
私の言うタイムトラベルでは超光速は必要ありませんし、多重世界という「現実」があるためパラドックスは起こりません。
自然現象としてのタイムトラベルというものも存在するのです。
~中略~
ティプラー・シリンダーは、カーのブラックホールの裏付けとなる実在の物理現象を説明するための思考実験にすぎません。
私もあなたもそれは知っていますね。
「ワームホールを用いたタイムトラベルが可能だとしても、ワームホールを建設する以前の過去へ戻ることはできない」などの意見についても、単一の世界線に沿った空間内の移動という限界の範囲内ではすべて真実です。
異なる世界線間の移動の説明にはなりません。

私は、自分が物理学者だと言ったことはありません。
また、CERNの研究所が何をしているのか詳しく知っていると主張したこともありません。
ですから、CERNが未来で何をしているだろうとか、どんな「新発見」をするだろうとかを論じ合うのは無意味です。

CERNの研究所についての私のコメントは、粒子加速器一般や、その他過去に持ち上がった疑問に関するものです。
あなたたちの未来では、確かにCERNで重力のねじれを制御するための大きな物理学上の進展があります。
しまった、まだ「Z」フィールド圧縮(※訳注:米サンディア国立研究所に設置されている「Z機」に関する科学技術用語と思われる)という話題については一言も触れていませんでしたね。

 

※Z機について

米サンディア国立研究所のZピンチを使った核融合試験機のことだと思われます。

 

最近は、小型化が進んでいるようです。

 

重力場の影響範囲
重力歪曲装置が世界線の出入口を通過するときに装置に近付きすぎると非常に危険です。
装置から放射能が放出され、強力な局所重力が生成されるためです。
個人的に、これについては心配しています。

それ(重力場)はある程度調整できます。
重力の中心は4フィート(1.2メートル)以内なら調整可能で、装置は半径10~12フィート(3~3.6メートル)の円内に影響を及ぼします。
影響範囲の垂直距離はそれよりやや短く、装置のセンサーから測定値を出します。

行先が未来か過去により、装置の残す足跡は異なります。
地面はきれいに「すくい取られる」と言うよりも、振動により土がボロボロになってマシンにくっついていく、という感じです。
小型のクワかシャベルで1インチ(2~3センチ)ほどの深さに土を掘り返したように見えます。
エルゴ領域(※注釈:回転するブラックホールの外側にあり、超高速で物体が運動すると言われる領域)が後ろ向きの場合、場の前方と後方が「すくい取られ」ます。
作用圏が前向きであれば、後ろ向きのときより広い範囲の地面が質量の中心付近に残ります。
6平方フィート(0.5平方メートル)の面積に1立方フィート(28リットル)ほどの土をばらまいたような感じになります。

1.カー局所場の中の二重の特異点
2.負のタイムフィールドの出力
3.ゼロのタイムフィールドの出力
4.正のタイムフィールドの出力
5.X線放射領域
6.垂直方向安全間隔(6m)
7.マスオフセット(5m)
8.後方マスオフセット(8m)
9.前方マスオフセット(11m)
10.負の時間の事象の地平線(画像ではこの項目から⑪になっている)
11.ゼロの時間の事象の地平線
12.正の時間の事象の地平線

 

装置につながっているコンピューターインターフェイスのようなものについて
はい、それは遠隔装置です。
転移装置自体は長旅の間中、熱くて「接触不可能」になるうえ、通常、乗組員にも2Gの重力がかかります。
そこで、マシンの中を動き回るのが難しくなるため、手元に携帯型の装置を置いておくのです。
装置の画面にはいろいろなものが表示されていますが、タイムトラベル中は、出発からの経過時間、目的地までの時間、VGLの分散値、装置内の温度が中心です。
はい、メニューは画面に出ます。

 

トレーニング
私は2034年に卒業したとき、担当将校に推奨されてトレーニングを開始しました。
35年3月に学校での訓練を終え、直後から実地訓練が始まり、2036年4月には未来の世界を出発しました。
私が装置に施すことができる修理はあまり多くありません。
装置はしっかり作られていますが、許容誤差は非常に小さいです。
恐らくは電気系統の修理なら私にも可能でしょうか。
古いコンピューターからのインプットも受け入れると思います。

※ジョンの説明によると、これは2036年を出発する前のトレーニングミッション中に撮った写真。
マシンがオンのときレーザー光線が車の外部の重力によってどのように曲るのかを、インストラクターがタバコの煙を使って説明している。

 

タイムトラベルの原理
タイムトマシンに使われている理論や原理についての記述を抜粋しました。

 

大きな重力=静止したブラックホール
次のステップは、タイムマシンに使う大きな重力源を見つけることです。 
静止したブラックホールを使えば、この種の力を生み出すことができます。
双子の片割れが事象の地平線、 すなわちブラックホールの端に近づくと、 地
球にいるもう片方の双子には、 相手が減速しているように見えます。 
また、 彼が腕にはめた時計の動きも徐々に遅くなり、 事象の地平線のところでは完全に止まってしまうのがわかるでしょう。
一方、 事象の地平線に向かって動いている本人には、そのような感覚はまったくなく、 腕時計も正常に動いているように見えます。
静止したブラックホールに入るのは可能ですが、 そこから別の世界線に行くことはできませんし、進行方向も一方通行です。
さらに、 人間の体は重力に押しつぶされてしまいます。

 

回転するブラックホール=ドーナツ状特異点
幸い、ほとんどのブラックホールは静止していません。
回転しているのです。
回転するブラックホールは、カー・ブラックホールとも呼ばれます。
カー・ブラックホールには面白い性質が2つあります。
1つ目は、事象の地平線が2つあること、
2つ目は、特異点は点ではなく、ドーナツのような形をしていることです。
これらの奇妙な性質は、ブラックホールの重力にも明らかな影響を与えています。
また、重力に押しつぶされることなく特異点に近づくことができるベクトルが存在します。

 

ドーナツ状特異点=別の世界線への移動
ドーナツ状特異点を通り抜けると、さらに面白い結果が生まれます。
別の世界線に移動することで、時間の中を旅することができるのです。
カー・ブラックホールについては、ペンローズ・ダイアグラムか、フランク・ティプラーの計算を参照してください。
そこで問題となるのが、どこでドーナツ状特異点を見つけるかということですよね?

 

ロジャー・ペンローズは2020年にノーベル物理学賞を受賞した数理物理学者

 

※ペンローズ・ダイアグラム

ペンローズ・ダイアグラムは無限の時間や無限の空間を2次元の図上に表現した画期的な図

 

 

ミクロ特異点
ビックバンで作られたミクロ特異点(ミニブラックホール)の存在は、この世界ではここ10年以内に提唱されているはずです。
サイズは陽子ほどで、熱放射による蒸発効果のために、何年か経つと消えてしまいます(そう、ブラックホールはエネルギーを放射するのです)。

 

※ミニブラックホール

2011年にミニブラックホールの存在についての新理論が発表されたそうです。


高エネルギー物理学=人工ミクロ特異点
数か月前に初めてウェブに書き込みを始めた頃、私は粒子物理学の大きな進歩が目の前に迫っていると言いました。
もうすぐ、CERN(欧州原子核研究機構)が大型機を稼働させ、超高速・高エネルギー粒子の衝突を始めるはずです。

このエネルギーの増大から生まれる中で最も奇妙で、潜在的に危険な要素が、電子サイズのミクロ特異点のかけらなのです。

 

 

人工ミクロ特異点=カー局所場
試行錯誤を通じてわかったのは、ミクロ特異点は極めて重く、熱く、大量のエネルギー(300~500メガワット)を放出するものの、帯電性があり、捕獲できるということでした。
また、ここで面白いのは、帯電した特異点にも事象の地平線が2つあるということです。
このようにさまざまな性質を持つミクロ特異点を回転させることで、カー局所場が作られます。

 

カー局所場=ティプラー重力正弦波
極めて近い位置にある2つのミクロ特異点を用いて、カー局所場を作り出し、
それを操作、変化させることで、ティプラー重力正弦波を作ることができます。
この場を調整、回転、移動させれば、物質がドーナツ状特異点を通って別の世界線に移動するときの質量の動きをシミュレートすることができます。
これによって、安全なタイムトラベルが可能になるのです。