この本は旅本シリーズのパート6で舞台は南ヨーロッパ・ロンドン。このシリーズではこれで完結となる。


最後の舞台は南ヨーロッパ・ロンドン。私は中学生の頃だが、西ヨーロッパではあるがドイツにいた事があって、一年間だが、学生時代を過ごした事がある。南ヨーロッパへは行った事がなくどんな国なんだろうと思いながら読んだ。実際にスペイン人などの友達がいた事を回想した。前のシリーズの東南アジアなどと比べるとトラブルなどは少なくて、現地の人とコミュニケーションを取りながら次の旅の目的地へと行くという感じ。



私にとって西ヨーロッパであるドイツは初めての海外長期初滞在であり、日本人学校であったが、他国としての日本を感じたでき事だった。日本人としてのコミュニティを強く感じたし、サッカーチームに所属し、ドイツ人と試合するとフィジカルの違いに驚いた。



著者が記している旅行記には物怖じせず、カジノに飛び込んだり、お金の交渉をしたり、酒場で仲良くなったり、時には怒りを覚え捲し立てたりなど、どこへ行っても現地の人と対等だし、オープン。今回のシリーズを通しても、酒場でお酒を奢ってもらい仲良くなったり、親しい関係に持ち込んで宿を安くして特別に泊めてもらったりと色々なストーリーが展開していく。(ヨーロッパ地方という事もあって、建物などに対する造形美やそれに対しての心情の変化なども多くの記載があったが)その対等に話をする心持ちも凄いなと思った。また、後書きでは文章にまとめるのは大変だったとあったが、現地の人と会話をしている時に何を思ったか、どのような事を感じていたかなど、覚えていて本に起こせるのが神業だなとも思った。



最後の締めくくりの部分。元々友達達との約束で始まったこの旅。仲間達に電報で目標を達成した時に送った電報の内容もなんか素敵だなと思った。




このシリーズは他の本も読みながらおやすみしてたのも含め、全6巻を読むのに半年くらいかけて読んだ。大学時代から友達が読んでいたのにずっと憧れ、途中手に取るも全部読めた事がなかった本。ここまで、著者の旅の軌跡を本を通して追ったけど、旅に正解はないし、何を見つけて、何に導かれるかはその旅をした本人による。得るものがあれば失うものもある。普段と違う環境で取捨選択の判断をしてたくましく成長していくのも旅の醍醐味だなと思った。旅のあり方、捉え方は人それぞれだけど、少なくとも自分の人生は広い意味で旅そのものだし、どんなストーリーを紡いで行くかは自分次第。これからも時に本と出会って人生の視点を変えて楽しんでいけたらいいな。