フフフ・・・
外は雨が降っていた
傘もささず、その女はマンションを見上げる
長い髪は濡れてべっとり顔にへばりついている
ユルサナイ・・・
見上げる目は血走っていた
雨の中、佇む妙子には
サキの顔しか思い浮かばない・・・
ミミは警戒していた
サキもヒロシも気がつかない
恐怖はすぐそこまできているのに
わかるはずもない
タエコ・・・
そう彼女の名は妙子という
妙子は何故二人を妬み、恨むのだろう
私は悪くなんかないのに
悪いのはあの猫を飼っているあの女だ
ピンポーン!
サキの家のチャイムが鳴った
インターホンのカメラには何も映っていない
何時?
夜中の3時だ
嫌だわ
気味悪い
ヒロシは12時ごろ仕事の打ち合わせが明日あるからと、名残惜しそうに帰っていった
泊まろうか?
と言ってくれたが、仕事の迷惑にはなりたくない
サキは背筋がぞっとしながらも、落ち着こうとした
ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!
何?誰?
ドアの前に誰かいる
施錠はしっかりしている
さっき合鍵はヒロシに渡したが、ほかは管理人しか開けられないはずだ
大丈夫よ
いたずらだわ
カギもドアチェーンも二重にかけてあるもの
ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!
え・・・?
バンッ!バンッ!
バンッ!
バンッ!
バンッ!
ひっ!
叩いている・・・
でもドアの前が映るカメラには何も映っていないのだ
とてつもない恐怖を感じながら
サキは自分のiPhoneを探し、ええと・・・警察?
どうしよう?
とにかく110番?
慌てふためくサキ
心臓の鼓動が早くなる
呼吸が苦しい
息が出来ない
サキはへたり込んで床に手をついた
胸を押さえながら、意識が遠くなっていく
その時ベランダのカーテンの隙間が見えた
グリーンの生地がチラリと見えた
そ、そんな・・・
彼女はもう・・・
サキは意識を失った
つづく


