ここ数日、仕事が立て込んでいて

娘とちゃんと顔を合わせられない日が続いていた。

 

朝は私が先に。

夜は娘が先に。

 

気が付けば今日も話をしてないなと思う毎日、、、。

 

その日も同じように、

起こさないように、なるべく音をたてないように

静かに玄関のドアを閉めて出かけようとした。

 

その時。

 

後ろから、パタパタと小さな足音。

 

振り返ると、

眠そうな目をこすりながら

娘が立っていた。

 

髪は寝ぐせで少し跳ねていて顔は引きつっている

まだ夢の途中みたいな顔で、

 

 

 

👩「バイバイ」

 

 

それだけ言いに起きてきたらしい。

 

胸の奥がぎゅっとなった。

 

ちゃんと一緒に遊べていないとか、もっと話してあげたいとか

いろんな後悔が一瞬で押し寄せてきた。

 

そして同時に思った。

 

ああ

 

この一言のために

今日も頑張っているんだなって。

 

ドアを閉めて歩き出すとさっきまで重かった足取りが

少しだけ軽い。

 

おそらく今日も忙しい。

帰りも遅くなるだろう。

 

それでも

朝の「バイバイ」があるだけで

少し仕事が頑張れそうな気がした。