ブルガリア講義と地震 | ブルガリアづくし

ブルガリア講義と地震

昨日、3月11日、13時25分~15時15分まで

柳沢中学校で2つのブルガリア講義をする予定でした。

1つ目の講義が終わって、

2つ目の講義がちょうど盛り上がっていた時に、

「ガタガタガタ」と

揺れ始めて、

生徒たちも「地震だ!」と言い始めたんだけど、

今までと同じように地震がすぐ終わるだろうとしか思わなかった。

しかし、揺れがどんどん強くなって

「皆、落ち着いて、しゃがんで」と叫び、

思わずとなりにいる学生の手をつかんで、

皆と床にしゃがんだ。

先生がドアを開けて、

「蛍光灯から離れろ!頭を椅子のしたに隠せ!」

と指示を出した。

もう笑顔の生徒が一人もいなかった。

皆すばやく椅子の下に頭を隠し、重い沈黙が広がった。

女の子何人かが泣き出した…

揺れがかなり長かったが、

結局おさまって、学生たちと外に避難した。

学校のグラウンドで皆と一緒に並んで、

ニュースを携帯で見ていた。

津波は1メートル、いや6メートルと聞いて、

近くの先生に伝えると、先生の顔が曇った。


30分位グランドに立っている内に、余震もどんどんきて、

体育館の窓ガラスが「ガタガタ」と恐ろしいくらいの勢いで

音を立てていた。

もう家に帰れないのか、これで世の終わりなのかと

一瞬パニクッタけど、ここで冷静でいなきゃと

心に決め、やっと落ち着くことが出来た。

学校を後にしたけど、

「電車が動いてないだろう」「西部柳沢駅よりも三鷹駅に

バスで出た方がいいかも」などと

先生方に言われた…

頭の中で、歩くしかないのかなと

考えるばかり。

柳沢中学校は青梅街道のすぐ側、

青梅街道をずっと歩けば…新宿の事務所がある。

「歩いて3‐4時間かも」といわれたことが

耳に残っている。

カバンと民族衣装が入っているガラガラのスーツケース、

また生徒から頂いた花束…

ブルガリアづくし-tokyo_eq


これで歩けるかな…

ピカピカ光るハイヒール…

今日に限って、履き替える靴を持ってこなかった

自分を本当に馬鹿だと決める。

心の中で、

「神様」と「タクシー」の

この2つの単語しか浮かばない…

通る道に穴があいたり、家の塀が倒れている…

ブルガリアづくし-tokyo_eq


「こんな遠いところに、私は一人ぼっちか」

と感じながら、必死に目でタクシーを探す。

そこで、

本当に目を疑うほど美しく輝く

黒いタクシーがガソリンスタンドに止まっているのに気づく。

空車とひかる文字が、なんて嬉しいサインなんだ。

タクシーに乗って、「新宿まで」

とお願いする。

タクシーの運転手さんはなぜか「電車動いているみたいんですよ」

となぜか大したことが起きてないと思いこんでいるようだ。

必死に私に三鷹に下ろすことを勧める。

「いや、直接に新宿に行きたい」

と決心して伝えると、

あきらめた表情を浮かべた。

タクシーの窓から、木造の家が被害を受けているのを運転手さんに

見せると、二人で黙り込む。

ブルガリアづくし-tokyo_eq


荻窪駅の側を通ると、

やはり電車が止まっているのがわかる。

消防車も沢山走っている。

ブルガリアづくし-tokyo_eq


ブルガリアづくし-tokyo_eq


地下鉄の出口から流れる人が多い。

いつもまったく人がいない中野坂上。

ブルガリアづくし-tokyo_eq


今は消防車と歩いている人であふれていた。

見慣れない私の町の姿。

タクシーから降りると、

女性二人はタクシーに乗ろうとして、

必死に会話をする。

事務所のエレベーターが止まっている。

ブルガリアづくし-tokyo_eq


非常階段を上ると、壁にヒビが入っているのに気づく:

ブルガリアづくし-tokyo_eq



テレビやパソコンが倒れているけど、

お陰さまで無事に動いている。

電話がつながらないけど、インターネットがなんとか大丈夫。

それで、テレビの前に座り、

皆の無事を祈るだけ。

被害を受けた地域、お亡くなりになった方々とその家族のこと

を思い、ただただ祈るだけ。

Praying for Japan,

Katerina Markova (Katusha)