我ながら馬鹿だと思う。グラビアアイドルのイベント参加に夢中になるなど、ひと月半前には考えられなかった。何かを得れば何かを失う。まだ、ドキュメンタリー作家を目指し、頑張っていたならグラビアアイドルのイベ ントにうつつを抜かしてはいなかった。そんな暇もなかった。いまごろ気づいたわけではない。ドキュメンタリーが半ば続けられないと認識したあたりでそちらに意識が移った。
自己実現。能動的に創造性を発揮し、自分のしたいことに一心不乱に突き進む。本を出版した3年前の俺には底力があった。集中力があった。凹みながらも前を見ていた。いまの自分を堕落しているとは思わない。頑張っている。だが方向性が少しズレている。自分のなかで欠けているピースの欠片をパズルにはめ込もうとしながらはめ込めず、もがく。
ドキュメンタリーを撮る気力も動機付けも失った。逃げ出したプロデューサーを批判したところで筋違いだろうが俺は激しく怒っている。その怒りのはけ口をイベントに向けている。本来の目的を失いつつある俺にグラビアアイドルは癒やしを与える。間違った選択だと知っている。グラビアアイドルは幻想だ。対象でしかない。だが自分のなかではリアルに存在する。そのリアルをどこかで履き違う自分もリアルに存在している。
ボビー・ミルク