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労災保険の給付の種類について

 

 

労災保険の給付について

どのような給付があるのか?

 

今回は、そのケガや病気が

業務災害

又は、通勤災害と

認められたときには

どのような給付により労働者が守られるのか

書いてみます。

 

 

 労災給付の種類

 

 

・療養補償給付(療養給付)

・休業補償給付(休業給付)

・傷病補償給付(傷病給付)

・障害補償給付(障害給付)

・遺族補償給付(遺族給付)

・介護補償給付(介護給付)

・葬祭料(葬祭給付)

・二次健康診断等給付

 

※カッコ内は通勤災害の場合の

名称です。

 給付内容は一緒です。

 

※複数業務要因災害の場合

 「複数事業労働者療養給付」などの名称がついています。

ここでは省略します。

 

 

 

 

 療養補償給付

(療養給付)

 

 

仕事上や通勤によりケガをした

あるいは病気になった場合で

療養が必要な場合の給付です。

「療養の給付」と

「療養費用の支給」

の二種類あります。

 

【療養の給付】

 

以下の項目が労災指定病院などで

ケガや病気が治るまで無料で

受けられます。

 

・診察

・薬剤、治療材料の支給

・処置、手術その他の治療

・居宅における治療上の管理及び

 その療養に伴う世話その他の看護

・病院又は診療所派の入院及び

 その療養に伴う世話その他の看護

・移送

 

 

【療養の費用の支給】

 

労災指定病院以外で

上記の治療などを

受けた場合に、療養に要した費用を償還する制度です。

※先に支払った治療費を後から返還してもらうものです。

 

 

※原則は「療養の給付」ですが、

 療養の給付を行うことが困難又は

 労働者に相当の理由が

 ある場合には

 「療養の費用の支給」が

 されます。

 

 

 

 

 休業補償給付

(休業給付)

 

 

労働者が業務上や

通勤上のケガや病気になった

場合に、

労働者が働くことができなくなった期間で

賃金を受けることができない

場合に

休業補償給付

(休業給付)により

補償されます。

 

原則として休業1日につき

給付基礎日額の60%が

支給されます。

 

※給付基礎日額は労基法12条の

平均賃金です。

 1日当たりの賃金相当額と

考えてください。

 

 

【支給要件】

・労働者が業務上、通勤上により

 負傷、疾病により療養している

 こと。

・療養のために労働することが

 できない日であること

・賃金が支払われない日であること

 ※賃金が一部支払われる場合には

  給付基礎日額の60%を

  超えていないこと。

  越えると休業補償給付

  (休業給付)は

  行われません。

 

 

    

【原則】

休業補償給付(休業給付)=

1日につき給付基礎日額×60%

 

 

給付基礎日額が

8,000円の場合

 

8000×60%=4,800円

 

1日につき4,800円が

休業補償(休業給付)として

支給されます。

 

【支給開始日】

労働することができないため

賃金を受けることができない

4日目から支給されます。

 

業務災害の場合には、

3日目までは事業主に

休業補償義務があります。

 

※この3日を待期期間といます。

連続でなくてもかまいません。

通算して3日でも4日目から

休業補償給付(休業給付)が

支給されます。

 

 

 

傷病補償給付

(傷病給付)

 

 

業務上の負傷や疾病にかかった労働者が

療養開始後1年6か月を経過した日または

同日後において

その負傷や疾病が治っていない場合に

その傷病により

傷病等級1級~3級に該当している場合には

傷病補償年金(傷病年金)が

支給されます。

※まだ治癒していない場合に

支給されます。

 

まだケガや病気が治っていないので

療養補償給付(療養給付)も

支給されます。

 

※傷病補償年金(傷病年金)が

 支給される場合には

 休業補償給付(休業給付)は

 支給されません。

 

【傷病補償年金、 

  傷病年金の支給額】

 

1級・・給付基礎日額の313日分

2級・・給付基礎日額の277日分

3級・・給付基礎日額の245日分

 

※給付基礎日額は労基法12条の

 平均賃金です。

 1日当たりの賃金相当額と

  考えてください。

 

 

 

介護補償給付

(介護給付)

 

 

障害補償年金、傷病補償年金を

受けている労働者が

常時介護または随時介護を

受けている場合に

その介護にかかる費用をてん補する制度です。

 

毎月支給されます。

常時介護、随時介護とも

原則実費を保証されますが

上限額が定められています。

 

また、

最低保証額というものもあります。

 

介護補償給付を詳しく知りたい方は

こちらをどうぞ

 

リンク:厚生労働省ホーム―ページ

介護(補償)等給付の請求手続き

 

 

 

 

 

 障害補償給付

(障害給付)

 

 

業務上又は通勤上のケガや病気が治癒したが

一定の障害が残った場合に

その障害の程度により

年金又は一時金が

支給されます。

 

治癒した場合で障害が

残ってしまった場合

に支給されます。

 

【障害補償年金(障害年金)の額】

1級・・給付基礎日額の313日分

2級・・給付基礎日額の277日分

3級・・給付基礎日額の245日分

4級・・給付基礎日額の213日分

5級・・給付基礎日額の184日分

6級・・給付基礎日額の156日分

7級・・給付基礎日額の131日分

 

※年6回分割して支給されます。

 

 

【障害補償一時金

  (障害一時金)の額】

8級・・給付基礎日額の503日分

9級・・給付基礎日額の391日分

10級・

   ・給付基礎日額の302日分

11級・・

   ・給付基礎日額の223日分

12級・・

   ・給付基礎日額の156日分

13級・・

   ・給付基礎日額の101日分

14級・・

    ・給付基礎日額の56日分

 

※一括で支給されます。

 

 

※給付基礎日額は労基法12条の

平均賃金です。

 1日当たりの賃金相当額と

 考えてください。

 

 

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障害補償年金(障害年金)

  前払一時金

==============

障害補償年金(障害年金)の

受給権者が

一時的にまとまったお金が

必要な時に

一定の額を限度として

前払いしてもらえる制度です。

 

 

==============

障害補償年金(障害年金)

   差額一時金

==============

障害補償年金(障害年金)の

受給権者が

死亡した場合に、

支払われた障害補償年金

(障害年金)と

障害補償年金前払一時金

(障害年金前払一時金)の

合計額が、

定められた一定の額に

満たしていない場合に

その差額が労働者の遺族に

支払われます。

 

 

【障害補償年金の受給権者の順位】

 

生計を同じくしていた

1 配偶者

2 子

3 父母

4 孫

5 祖父母

6 兄弟姉妹

 

生計を同じくしていない

7 配偶者

8 子

9 父母

10 孫

11 祖父母

12 兄弟姉妹

 

※1~6は労働者死亡当時

 生計を同じくしている方

 7~12は労働者死亡当時

 生計を同じくしていない方

 

最先順位の方が

 受給権者となります。

 

 

 

 遺族補償給付

(遺族給付)

 

 

労働者が業務災害または

通勤災害に

により死亡した場合に

一定の遺族の方に

支給されます。

 

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遺族補償年金(遺族年金)

============

 

【受給資格者】

遺族補償年金(遺族年金)を

受け取る権利のある人です。

労働者が死亡当時にその収入により

生計維持されている

 

配偶者、子、父母、孫、祖父母、

 兄弟姉妹です。

 

※妻以外は年齢要件または

 障害要件に該当していることが

 必要です。

 

 

【受給権者】

実際に年金を受け取る人です。

受給資格者のうち最先順位の方が

受給権者となります。

 

※妻以外には年齢要件または

 障害要件があります。

 

【転給とは?】

遺族補償年金(遺族年金)には

転給という制度があります。

これは、受給権者が失権した場合に

後順位の受給権者がいると

その方が受給権者となり

年金の支給を受けます。

受給資格者がすべていなくなるまで

転給されます。

 

 

【遺族補償年金、遺族年金の額】

 

遺族の人数により変わります。

※受給権者本人と

 後順位受給権者及び

 受給資格者の人数の合計です。

 

(遺族の人数と給付)

1人・・給付基礎日額の153日分

 ただし、55歳以上の妻、

  一定の障害のある妻場合

  は給付基礎日額の175日分

2人・・給付基礎日額の201日分

3人・・給付基礎日額の223日分

4人以上・・・

    給付基礎日額の245日分

 

 

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遺族補償年金(遺族年金

前払一時金

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労働者の死亡時に一時的に

まとまったお金が必要な時に

給付基礎日額の1,000日分を

限度として

前払される制度です。

 

 

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遺族補償一時金(遺族一時金)

==============

遺族補償年金(遺族年金)を

受け取る

遺族がいない場合、

又は転給される方が

すべていなくなった場合に

最大で給付基礎日額の

1,000日分が

支払われます。

 

 

労働者が死亡当時に

遺族補償年金(遺族年金)を

受け取る遺族がいない場合

 

 給付基礎日額の1,000日分

 

 

遺族補償年金の受給権者が失権し

受給資格者もすべていなくなった

場合に

支給された遺族補償年金

(遺族年金)

及び遺族補償前払一時金

(遺族前払一時金)

の額が給付基礎日額の

1,000日分に満たない場合

 

給付基礎日額の1,000分から

支払われた年金額と前払一時金の

合計額を

差し引いた額が支払われます。

 

 

【遺族補償一時金

(遺族一時金)の受給権者】

 

1 配偶者

 

2位から5位は

生計を維持されている必要があります。

 

2 子

3 父母

4 孫

5 祖父母

 

以下の順位は

生計を維持されていない方です。

 

6 子

7 父母

8 孫

9 祖父母

10 兄弟姉妹

 

 

 

葬祭料(葬祭給付)

 

 

業務上の原因で労働者が死亡した場合に

葬祭を行う者に支給されます。

 

(1)、(2)のどちらか高い方が

 支給されます。

 

(1)315,000+

   給付基礎日額の30日分

(2)給付基礎日額の60日分

 

 

特別支給金ってなに?

 

 

社会復帰促進事業という制度があります。

 

社会復帰促進事業の中の

被災労働者等援護事業に

特別支給金制度というものがあります。

各種の給付に

さらに特別支給金が

加算されます。

 

 

特別支給金の種類

 

・一般の特別支給金

・ボーナス特別支給金

 

※ボーナス特別支給金は

 ケガや病気になる前の

 1年間に支払われた給与のうち

 「3か月を超える期間ごとに

  支払われる賃金」をもとに

   計算され支給されるものです。

 

 

    

例えば

 

休業補償給付の場合

給付基礎日額の20%が

休業特別支給金として支払われます。

つまり

 

1日につき最大で

給付基礎日額の80%が

補償されます。

 

・休業補償給付(休業給付)

 給付基礎日額×60%

 (休業給付)  

      +

・特別支給金

 給付基礎日額×20%

 

 

給付基礎日額8,000の場合

 

休業補償給付(休業給付)

8,000×60%=4,800円

 

一般の特別支給金

8,000×20%=1,600円

 

  合計 1日につき 6,400円

となります。

 

休業補償年金(休業年金)には

ボーナス特別支給金はありません。

 

 

 

障害補償年金(障害年金)1級の場合

 

・1級の障害補償年金(障害年金)

  給付基礎日額の313日分

 

・特別支給金 343万円

 

・ ボーナス特別支給金

  (障害特別年金 1級)

  算定基礎日額の313日分

              となります。

 

 

二次健康診断等給付

 

 

会社で定期健康診断(一時健康診断)などを

受けたときに

 

・血圧検査

・血糖検査

・血中脂質検査

・腹部の検査又はBMIの測定

 

この4つすべての項目に

異常の所見が出た場合に

無料で二次健康診断や

保健指導が受けられます。

 

※一次健康診断で、脳・心臓疾患の

症状を有すると

医師の診断を受けた場合には、

二次健康診断は受けられません。

 

 

 

労働保険、社会保険の手続きをして、

また、労務管理をすることにより

労働者が安心して働ける職場作りの

お手伝いをするのが社労士です。

 

当事務所がお手伝いさせていただきます。

 

 

 

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では、また・・・

 

 

 

 

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