事実婚と遺族年金と相続の関係について

 

 

最近、朝ドラで共演した芸能人同士が

事実婚という選択をしたという

ニュースがありました。

 

この事実婚、

実際には婚姻届け等出していないため

役所などで婚姻している

証明ができません。

 

この事実婚の状態で、年金や相続の

問題が起きたときに

婚姻届けを出しているのと

同じようにできるのか?

 

 

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事実婚とは?

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辞書で調べると、

「法律上の婚姻をしていないが、

社会的に夫婦と同一の生活を

送っていること」

と出てきました。

 

 

厚労省の資料にある

「生計維持関係などの認定基準

  及び認定の取り扱いについて」

という資料の中での

事実婚の認定の要件を見てみます。

 

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事実婚関係の認定

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・当事者に社会通念上、

 夫婦の共同生活を認められる

 事実関係を成立させようとする合意がある。

 

・当事者間に社会通念上、

 夫婦の共同生活を認められる

 事実関係が存在すること。

 

このような2つの状態が認められると

事実婚と言えるようです。

 

出典:厚生労働省

「生計維持関係などの認定基準

  及び認定の取り扱いについて」

 

詳しく知りたい方はこちらから見てください。

 

リンク:

・生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて〔厚生年金保険法〕(◆平成23年03月23日年発第323001号) (mhlw.go.jp)

 

 

 

では、この事実婚で暮らしている二人は

遺族年金を受け取ることができるのか?

 

遺族年金は国民年金と厚生年金で

年金を受け取れる方に違いがあります。

 

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遺族基礎年金(国民年金)

 の受給権者

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・子

・子のいる配偶者

 (子と生計を同じくしている必要あり)

 

※配偶者の方は、子供がいない場合には

 遺族基礎年金は支給されません。

 子は18歳到達後、最初の3月31日まで、

 障害等級1級、2級の場合は20歳まで

 

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遺族厚生年金(厚生年金)

の受給権者

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1配偶者又は子 (同順位)

2父母

3孫

4祖父母

 

1~4まで順位があります。

 

 

    

では、配偶者について考えます。

 

国民年金法5条7項

厚生年金法3条2項

に規定があります。

 

この法律において「配偶者」、

「夫」及び「妻」

には、婚姻の届け出をしていいないが

事実上婚姻関係と同様の事情にある者を

含むものとする。

 

このように規定されています。

 

 

 

ということは、

 

事実婚の配偶者は

 遺族年金を受け取れる

 

ということです。

 

ただし、事実婚であることを

証明しなくてはなりません。

生計維持と生計同一の証明が

必要になります。

 

 

どうやって証明するのか?

 

 

 

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生計維持要件について

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遺族年金(国民年金、厚生年金)の

遺族の要件の一つには

被保険者、被保険者であった者の

死亡の当時その者によって

生計維持されていたということが

必要です。

 

・・・・・・・・・・・

  生計維持要件

・・・・・・・・・・・

・前年の収入が年額850万円未満

 (前年の収入が確定しない場合は

   前々年の収入)

 

・前年の所得が年額655.5万円未満で

 あること

 (前年の収入が確定しない場合は

   前々年の収入)

 

・一時的な所得があるときは、

  これを除いた後(1) 又は(2)に

  該当すること。

 

・(1)~(3)に該当しないが

 定年退職等の事情により近い将来

 (おおむね5年以内)

 収入が850万円未満又は所得が

 年額655.5万円未満となると

 認められること。

 

 

この生計維持要件を満たしていることが

必要です。


 

 

 

・・・・・・・・・・・・・

配偶者であるという証明

つまり事実婚の証明です。

(生計同一の証明)

・・・・・・・・・・・・・

 

日本年金機構のホームページには

「生計同一関係・事実婚関係に

  関する申し立てをするとき」

というページがあります。

 

ここにあるのが、

「事実婚及び生計同一関係に関する申立書」

です。

 

この申立書を提出すると同時に

事実婚を証明する書類も

必要になります。

 

法律上の婚姻をしていない

(婚姻届けを出していない)ため

事実婚をどうやって証明するのか?

 

 

・・・・・・・・・・・・・

住民票で事実婚が証明が

 できる場合もあります。

・・・・・・・・・・・・・

 

住民票で住所と世帯が

 同じになっている場合

 

 

・・・・・・・・・・・・・

住民票だけでは

 証明できない場合は?

・・・・・・・・・・・・・

 

・住民票の住所は同じだけど世帯が別

・住民票の住所は別だが同居している

・事実婚しているが別々に暮らしている。

 

これらの場合には

証明する資料が必要です。

 

「事実婚関係及び生計同一関係を

 証明する書類」という資料があります。

ここに証明するための書類が

載っていますので見てみます。

 

出典:日本年金機構

・⽣計同⼀関係証明書類等について

・生計同一関係・事実婚関係に関する

 申立てをするとき

 

リンク:

H.pdf (nenkin.go.jp)

 

生計同一関係・事実婚関係に関する申立をするとき|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

 

 

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生計同一関係証明提出書類

(事実婚関係認定のための

 証明書類

==============

①    健康保険の被扶養者になっている場合

   ●健康保険被保険者証の写

 

②    給与計算上、扶養手当の対象に

   なっている場合

   ●給与簿又は賃金台帳等の写

 

③    同一人の死亡について、

  他制度から遺族給付が行われている場合

   ●他制度の遺族年金証書等の写

 

④    挙式、披露宴等が最近(1年以内)に

  行われている場合

   ●結婚式場等の証明書又は挙式、

    披露宴等の実施を証する書類

 

⑤    葬儀の喪主になっている場合

   ●葬儀を主催したことを

    証する書類(会葬御礼の写等)

 

⑥    その他①~⑤のいずれにも該当しない場合

   ●その他内縁関係の事実を証する書類

    ・連名の郵便物、

    ・公共料金の領収証

    ・生命保険の保険証

    ・未納分の税の領収証

    ・賃貸借契約書の写  等

 

 

 

事実婚の場合はやはり

事実婚であるということを

証明するのが大変そうですね。

 

 

証明がされれば、事実婚であっても

配偶者に遺族年金が支給されます。

 

 

事実婚の場合の相続について

 

 

事実婚の場合、相続に関しては

他人同士として扱われます。

 

 

自分の財産を

事実婚の相手に残してあげたいと

考えている方は、

 遺言書の作成

必要です。

(特別縁故者の認定という

 手段もありますが、ここでは

 省略します)

 

 

では、事実婚の二人の間に

子供がいる場合に

子供は相続人になるのか?

 

 

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事実婚の二人の間の子供の相続権は?

 

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母親の財産の相続については相続権が

当然にあります。

 

※出生という事実により

 親子関係が証明できるため。

 

 

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父親の財産については?

・・・・・・・・・・・・

婚姻関係にない方の間に

生まれた子どもを非嫡出子といいます。

 

婚姻関係にある方の間に

生まれた子どもを嫡出子といいます。

 

 

 

非摘出子の場合には

父親の認知が必要になります。

 

認知がされていれば

父親の財産も子が当然に相続できます。

 

認知は、遺言によりすることもできます。

 

 

 

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では、また・・・

 

 

 

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