富士通セミコンダクターのひどい仕打ち | ようこそ!かっちゃんげえへ

ようこそ!かっちゃんげえへ

「住民こそ主人公」なのだ

富士通FIM工場閉鎖
「事実上の整理解雇ではないか」


 富士通セミコンダクター㈱は、100%子会社の富士通インテグレーテッドマイクロテクノロジ㈱(以下FIM)の半導体組み立て工程を㈱ジェイデバイスへ譲渡する基本契約を締結しました。この契約によりFIMの九州工場(薩摩川内市入来町)は、順次ジェイデバイス九州地区工場(大分県)に設備を移設し、2014年3月末までにはすべての製造を移管する計画です。

 約700人の従業員はジェイデバイス社に転籍するか富士通グループ内で再配置するとなっています。会社で働くAさんは、「面談ではジェイデバイス社は300人の雇用枠しかなく給与も今よりも7万円減給になると説明を受けた」と言っています。また残り400人を富士通関連会社に配置転換するかどうかは具体的に何も示されていません。Aさんは「大分に行っても7万円の減給では家族の生活を支えられない。富士通関連会社への配置転換の話は何も聞いていない。やめた時の退職金の話はあった」と言っています。

突然メールで知らされた

 事実上、従業員は自主退職を迫られているのです。交替勤務で工場にいなかった労働者には、「本日FIM譲渡契約が締結されました。詳細は、8/31および9/3の従業員説明会で説明しますが、プレスリリースの内容を新聞等で必ず確認して下さい。」というメールが届いただけでした。メールを受け取ったとき新築の家の受け渡しの最中だったと若い従業員もいたということです。
 井上議員は、岩切市長に「こんなひどいことをしている会社を許せますか」と問いました。岩切市長は、「残念だがやむおえない」と述べながら「指摘が本当ならきびしいと思うが、富士通FIMの説明では、全職員が再就職などの手当を受けると聞いている」と従業員の話と富士通FIMが市に対して行っている説明が食い違うことが発覚しました。

富士通FIMに企業責任を問うべき

 井上議員は、「富士通FIMの工場閉鎖の理由は、『事業基盤の強化、経営体質の改善』『経済環境・事業環境の変化に対応した製造体制の最適化』などだ。事実上の整理解雇なのに『人員削減の必要性』など4要件は何も示されていない。」と指摘。

  また富士通FIMは旧入来町時代に工場用地の造成などインフラ整備を受けています。薩摩川内市企業立地促進条例の罰則規定には、「工業生産施設等の操業を廃止したとき」などに市長は、「既に行った固定資産税の課税免除を取り消し」などができるとあります。井上議員は罰則規定に該当すると思わないかと質問しました。

 岩切秀雄市長は、「現在のところ退職者に対する対応のほうを進めている。出水市や日置市など先進事例に基づいて検討していきたい」と罰則規定には触れませんでした。

 井上議員は、「大企業が目先のコスト削減などで労働者をモノのように扱うのは日本経済にとっても大企業にとっても損失」と主張し、市の厳しい対応を求めました。