障害者自立支援法
弱いものから金取るな
障害者とその家族から悲痛な叫び
四月施行の障害者自立支援法が、障害者と家族を直撃しています。福祉サービスに原則一割の応益負担が導入されたためです。負担増のため、サービスの利用を中止する障害者、これからサービスが継続されるのか不安を抱える人などが増えています。
増える個人負担
通所型の授産施設に通うB子さんは、この四月から食費や送迎バス代として月額10500円を負担することになりました。授産施設の工賃は月額10000円なので働いた工賃をそっくり負担金で取られてしまいました。B子さんのお母さんは、「障害年金は減っているのに負担は増えている。子どもの将来を考えると不安になる。障害者が安心して暮らせる世の中にしてほしい」と切実に訴えています。
娘が障害をもっている母子家庭のTさん宅では、お母さんが「自分はどんどん年をとっている。子どものことをだれにお願いしたらいいのかと思う。通所型の授産施設に通っているが、工賃は一日わずか600円。給食を頼んだら何も残らないから給食をとらずに弁当を持たせている」と言います。
知的障害者の入所施設に入っているFさんのお母さんは「3月まで日常生活費が一ヶ月2100円で済んでいたが食費・水光熱費がとられ、補足給付があっても一ヶ月8000円の値上げ。これからが不安」と述べています。
入所施設・グループホーム施設では、障害者の貯蓄が350万円を下回る場合減免がされますが、上回ればありません。そのために障害者の母親は「これまで子どものためにつめに火がともるような思いで貯蓄していたことが仇になった」と涙を流したと言います。
行き場がなくなる知的障害者
障害者自立支援法は、10月からサービスの利用方法も大きく変わります。福祉サービスを利用したい場合は、介護保険と同じように、「障害程度区分」(6段階)の認定審査を受けなければなりません。知的や精神の障害程度区分は身体に比べ軽くなる傾向が指摘されています。
自閉症の子どもを持つMさんは、「認定区分の調査によって知的障害者は障害の程度を軽くみられる。サービスを受けられることができなくなったら行き場はない」と言います。
障害者サービスは生きるすべ
障害者自立支援法について、ある福祉施設の責任者は、「障害者の生きるすべをサービスと考えることが根本的なあやまり」「障害者が自立できるような社会をつくることがノーマリゼーション。社会基盤を何も改善しないで障害者を放り出すこととは意味が違う」と憤慨しています。
また他の施設の経営者は「障害者から金をとってもせいぜい数百億円にしかならない。政党助成金は年間に300億円、アメリカ軍のグアム移転に3兆円という金を出そうとしている。まったくおかしい」と憤ります。
障害者自立支援法は、国が社会保障予算削減をもくろむ中でつくられたものであり、懸念されていたとおり、障害者の自立を阻み、生存権の侵害ともいうべき深刻な問題を引き起こしています。応益負担を撤回させ、国に法制度の抜本的な見直しを求めることが必要です。(かつ)