○●○●○●○●○●2014.10. .



応援団 NO.182   私の本棚~その4


  『向山式「勉強のコツ」がわかる本』  向山洋一・著






「読み・書き・計算」の重要性を中心に、

学校で家庭でできることを説いたのが

岸本裕史氏と隂山英男氏でした。

「いつでもどこでもだれでもできる実践」を

めざしているところに私も共感をし、

実際の自分の教室で

少しでも同じようにして

子どもを伸ばすことができるようにと

100題計算を中心に

いろいろな取り組みをしていました。


この頃時期を同じくして、

「これだ!」と思い

実践に取り入れるようになったのが、

この本の著者、向山洋一氏の実践でした。

跳び箱

私が最初に出会った向山氏の本は、

『感動のドラマ 跳び箱は誰でも跳ばせられる』

(教え方のプロ・向山洋一全集14)

という本でした。

この題を見たとき

「そんなことができるのか」と

不思議に思いました。


当時の私は、

子どもたちが

「跳び箱が跳べない」

「逆上がりができない」子の多さに

悩んでいた時でした。

確かに

「どういう指示が、子どもたちができるようになるのか」

ということは、

「勢いをつけて」

「思い切って」とか

「足を思いっきりふりあげて」

とかいう感覚的な励ましくらいしかできていなかったので、

とても具体的で理にかなった「指導法」であり、

実際自分でやってみて

「なるほど!」と

目の前の子どもができるようになる姿から

大きな衝撃を受けました。


また、この本にもあった文章です。

「教育でこわいのは「我流」です。

単なる自分の思いつきを「絶対に正しい」と

思いこむことです。

教師の我流、父母の我流の教育によって、

伸びる才能をつみとられた子どもは数多くいます。」



この考え方をつきつけられたとき、

「私の我流」というものに気づいたのでした。

それだけに「これは研究の価値あり!」と、

それから氏の全集や数々の本を読みあさりました。

いっぱい買いました!



ここでは、「跳び箱」の指導についてあげてみます。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 152ページ


(では、なぜ子どもは跳び箱を飛べないのでしょう。)

原因は、

「腕を支点とした体重の移動」ができないためです。

これが、なぜむずかしいかといえば、

子どもにとっては未知の感覚だからです。(中略)

[Aの方法]

①跳び箱をまたいですわらせる。

「またいでごらんなさい」

②「跳び箱の端に手をついてごらんなさい」

③「ゆっくり体を持ち上げてごらんなさい」

④「とび降りてごらんなさい」・・・

「跳び箱を跳ぶというのは、

 このように両腕で体重を支えることなのです」

普通は、①~④を五、六回やれば十分です。


[Bの方法]

①補助する人は、跳び箱の横に立つ。

 右利きの人は、

 子どもが右手方向から走ってくる側に立つ。

②走ってくる子どものヒジを左手で支える

③右手で子どものお尻の下を支え、

 子どもを送り出してやる。(中略)

ここで注意したいことは、

手に力を入れすぎて

子どもを持ち上げてしまわないことです。

上には動かさず、水平に動かす。

これが、右手の動きのポイントです。(中略)

何回か繰り返しているうちに、

手にかかる体重が軽く感じてきます。

「もう大丈夫だな」と思ってから、

二回ぐらい余計にとばせます。

この時は、手で支えるふりをしながら、

突然、手を引っ込めてしまうのです。

私の場合は、ここまでで七、八回です。

これでほとんどの子はとべるようになります。

成功率98%です。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 
その場で指導するときのセリフまで決まっています!

これが「法則化」の特徴です。

余計なことは言わない。

指示はひと言で済ませる。

子どもたちに聞くという緊張感も生まれます。

長い説明よりも

実際に子どもたちを「動かす」ことで、

授業をより活性化させていくということに徹します。
 


私が共感して実際授業に取り入れたことで、

算数の授業があります。

「ノートをきれいに書かせる」ことを中心に、

教科書のページどおり

教科書の問題を全部順を追って解かせるのです。

そして全員のノート・教科書にやった問題のチェックを

必ずその時間内に教師自身が一人一人点検する。

並んでいる間に見直しをさせます。

まちがえた子には「まちがい」とだけ言って返す。

できた子には、次の課題をやりながら待たせる。

全員できたら次へ進む。

この繰り返し。


とっても大変そうですが、

後でノートを集めて丸つけして

まちがいを見つけてもその子はいない。

しかし、この方法だと

まちがえた子は席へ戻って自分で考える。

友だちに聞く。

教えてもらう。

丸をもらえるまで行き来する。

そういう活動も含まれているわけで。


時間がかかりそうですが、

やってみるとあっというまに点検でき、

後で山盛りのノートを丸つけすることを思えば、

ずっと効率的でした。

まちがえた子に

すぐ目の前で指導することができるので

先生も子どももその場で納得できる、

そのことが何より一番大事に思えました。


退職直前まで、マネできるところは盗み、

私自身の実践は「これから」というところだったのですが。

でもまたこうして時を越えて「再会」できるなんて

思ってもみませんでした。



「プロの教師の指導法の共有」をめざした、

日本で一番大きな教師の研究団体

「教育技術法則化運動(TOSS)」の代表である

向山氏の実践は、算数、体育だけでなく

学級経営、授業研究をはじめ学校生活全学習活動、全教科など、

多義にわたり説かれており、

その著書は膨大です。


教師向けだけでなく

家庭教育向けの著書もたくさんあります。

しかも、その「法則化運動」から

多くの実践者(教師)が研究書を出版し

引き継がれていっています。



教師の授業研究が多い中、

今回紹介した「勉強のコツ」の本は、

保護者向けのもので、

「それには、ちょっとしたコツがある」

という具体的な学習法が並んでいます。


ぜひご参考に!


先生方にはもちろん、

保護者の方にも読んでいただきたい一冊が、

他にもいっぱいです!






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向山式「勉強のコツ」がよくわかる本―「勉強のコツ」シリーズ (PHP文庫)/向山 洋一

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※ 向山氏の本は、他にもたくさん出ているので、課題に合った書籍はきっと見つかると思います♪






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全集の一覧も参考にしてください。






























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