さて昨日の昼、昨日の夜、と長きにわたって連載したこのシリーズだが、
多分今回で最終回となる気がする。
時は2003年、俺は18歳で高校3年だった。
同じ考案メンバーFくんの勧め(生き様)で砕け散る事を決めた俺は、同じ考案メンバーの女子に告白する事にした。
「告白、不可解な記憶」
その女子は、頭のいい女子だった。
俺が通った高校は進学校だった。入学して驚いたのはヤンキーが一人も居なかった事だ。
そして高校では理系と文系があり、それぞれが成績ごとにクラス分けされている事を知った。
俺は高校3年の時には理系の一番良い成績のクラスに居た。
彼女はというと、それらを超越した、入学時から頭の良いクラスの理系のほう、通称理数科という名のクラスだった。通称というか普通に理数科という名だった。
理数科の特徴は、クラスのほとんどが男子で、女子が10名ほどしか居ない事だ。少数女子のあいだの繋がりも強かっただろうと察する。
理数科は俺たち普通科とは校舎も違っていたが、夏期授業(夏休みなのにときどき授業を受けさせられていた!)でその教室に入る事もあったし、俺は休み時間には割と友達とフラフラ歩き回っていたので、理数科の校舎を通る時には漏れなくその子を探した。
男子ばかりの教室の中に居て、仲の良い女子と笑顔で会話をしている彼女は輝いていた。笑うと上戸彩にも似ていた。
それから考案の会議ではしょっちゅう顔を合わせていた。
話せば話すほど、聡明で俺とは違う高嶺の花だった。自分が生まれたての子供のように感じられた。
運動会が終わり、彼女と会う機会はどんどん減ってしまう。俺はFくんとの相談後、思い切って校舎と校舎の間の渡り廊下に高嶺の花である彼女をダメ元中のダメ元で呼び出した。
彼女が来る。
先に着いた俺は、当時一番カッコ良いと思っていたFIFAワールドカップの赤と青が半々になったタオル(サッカーもしないのに!)を首にかけ、夏服のカッターシャツを(ヤンキーでもないのに)ズボンから出し、待った。
彼女が来て、ふたりはゆっくりと話をした。ゆっくりとした時間が流れる。好きやけん、付き合って欲しいっちゃん。仏頂面の俺が言った。
考えさせて、と言われ一日待ったが、答えは意外にもイエスだった。
その一週間後にメールで振られる事になるのだが、
ここで一つ、現在の俺には不可解な記憶がある。
この彼女とは地元の大きな花火大会に行っている。間違いなく。
運動会が終わり、俺が告白したのが9月。
花火大会は8/5だ。毎年。
という事はなにか?俺は付き合う前に彼女と花火大会に行っていた?
しかし、そうとしか考えられない。
彼女と一週間付き合ったのは、運動会の後だったのだから。
現在俺は、彼女にメールで振られた出来事と花火大会での出来事を同時に思い出した。それも鮮明に。
スマン、最終回は次回になってしまいそうだ。
次回LIVE
2023.9.11@The Voodoo Lounge