仕事以外で早起きをする時って、
何で時間前に眼が覚めるんだろうね。
今日は、旅の最終日。
相棒のリクエストの1つである
山梨県北杜市にある和菓子屋さんの
【金精軒・総本店】に行くために
このホテルを5時半に出発することに
なっていた。
しかし今はまだ4時くらい。
いくら何でも、ちょっと早いかな。
というわけで、あと1時間くらい寝よう。
ふと目を開けると、5時15分。
やべっ! 急がねば!
ダッシュでトイレ、洗顔、着替えを
済ませて、荷物をバッグに詰め込んで
部屋を出た。
ドアを開けて階段に向かっていると
背後からドアが閉まる音がした。
たぶん相棒だろうけど、あえて振り向かず
階段を降りてフロントへ。
このホテルは支払いが前金制なので、
早立ちの場合は、フロントのカウンターに
鍵を置いて出て行っていいシステムなので
ルームキーを置いて駐車場に向かう。
車のキーを開けて荷物を積み込んでいると
相棒がノコノコとやって来た。
「おはよー」
「オメー、オレの動向を窺ってたろ?」
「うん。置いてかれたら困るからね」
「何じゃそりゃ? ストーカーかよ?」
案の定、隣りの部屋からオイラの部屋へ
聞き耳を立てて、オイラが部屋を出たら
自分も部屋を出ようと、いつでも出発
出来る準備をして待っていたらしい。
そんなことしなくても、ロビーかなんかで
待ってりゃいいのにね。
とりあえず車に乗り込んで、
金精軒に向かう。
何でこんな早く金精軒に向かうのかと
いうと、この日が『水信玄餅』の
今年の最終販売日だからです。
この日を逃すと、来年の6月まで
食べられないし、延々並ぶと相棒の希望
する時間に家に帰れなくなるから、
どうしても早く行って順番取りを
せねばならんのだ。
2年前に来た時は、4時に東京を出て
6時くらいに着いた。
人員整理の警備員さんや新聞配達よりも
早く到着して、その時の順番は
当然1番。
今回もそんな感じに到着する予定で
茅野市を5時半に出発。
予定通り6時に金精軒に着いた。
が、何となく様子が違う。
2年前に感じた雰囲気と、若干何かが
違う気がする。
「あ」
店の前には、もう警備員がいた。
まさかまさか・・・。
嫌な予感がして、店の前で相棒を降ろす。
順番取りのチケットを貰うためだ。
車の窓を開けると、警備員さんに
「そこを入った所に3台分の駐車スペース
がありますから、お車はそちらにお願い
します」
と言われた。
相棒を残して指定された駐車場に入ると
すでに2台停まっていた。
『・・・・・・』
3台ある駐車スペースの真ん中が空いて
いたので、そこに停めた。
右に停まっていたのは、大阪ナンバーの
レンタカーで、二十歳くらいの女の子が
3人で寝ていた。
反対側には足立ナンバーのコンパクトカー
に、50代くらいの夫婦が乗っていた。
みんな、最終日の水信玄餅が目当てで
あちこちから来るんだね。
そういうオイラ達も同じだけどね。
ほどなくして、相棒が戻って来た。
手には整理券が。
まあ、今回は1番じゃないことは
分かっていたけど、なるべくなら
早めでお願いしたいもんだ。
相棒が整理券を差し出した。

この整理券は、
『順番は10番目で2名様』
という意味です。
何か、2年前の整理券と全然違う。
ちなみに、コレが2年前の整理券。

手書きで日付けと順番が書いてある。
ちなみにコレは、人員整理の警備員さんが
書いてくれたモノです。
初参戦の時は1位で、2年振りの参戦では
10位か・・・。
でもまあ、ギリギリのトップテンだし、
よしとしましょう。
てか、実はここからが長いのだ。
9時の開店までの3時間。
どーするか?
駐車場から車を出すわけにもいかず、
缶ジュースの販売機のみで、金精軒以外の
店もない。あってもやってない。
前日、というか、さっきまで寝ていたので
眠くもない。
さしあたり、やることもないので、
隣りのレンタカーの大阪娘の寝顔でも
見てようかな。
金精軒到着から、かれこれ1時間半。
店の周りに人がたまり始めた。
臨時の駐車場が解放されたらしく、
他県ナンバーの車が、店の前を行き来して
いる。
オイラ達は、マジでやることがないので、
車の掃除を始めた。
といっても、全部のガラスを拭いただけ。
実はこの日が、この旅初めての晴天。
だから車は結構汚れていた。
暇潰しにはちょうどいい運動だね。
まあ、朝食は食べてないけどさ。
スマホのアラームを8時半にセットして
おいたのが、鳴り出した。
すると、両隣りの車からも人が降りて
来た。
そこにいた7人は、微妙にタイミングを
ずらしながら、店の前にある人だかりに
混じる。
そこには既に50人以上の人が集まって
いて、なぜか警備員さんも2人に増えて
いた。
そこでは、警備員さんが出席を取って
いた。
「番号札1番さん、こちらにどうぞ」
「番号札2番さん、こちらにどうぞ」
みたいな感じで、どんどん呼ばれていく。
ちなみに、大阪娘達は8番で、オイラ達の
ひとつ前、つまり9番も女子3人組。
ひとつ後ろの11番目はカップル。
そんな感じで店の脇に並ばされた。
1番乗りは70代くらいの老夫婦だった。
それを見た相棒は、1番乗りの老夫婦に
『何時に来たのか聞きたい』
とか言ってたのに、結局聞けず。
人見知り屋さんだね、相棒くん。
で、最終販売日ということで、人出も
ハンパない人数になってきたので、
お店の配慮で9時前に開店して
販売が始まった。
1組づつ順番に人数分の水信玄餅を
受け取って、会計を済ませ、
2年前には入らなかった建物の中で
適当に座って食べる。
(↑ 動画です)
早い話、水の塊をきな粉と黒蜜で
食べる、ってことなんだけど、
そんなことでは片付けられないのが
金精軒の水信玄餅なのだ。
このプルプル感が、水信玄餅の持ち味。
オイラが2年前に初めて食べた時の
感動と感想が、そっくりそのまま
あちこちから聞こえる。
みなさん、初めてなんですね?

写真のお茶は、実際はもっとグリーンな
色なんだけど、室内だし照明の関係で
こんな色に。
食べ終えてしまえば、5分もかからない
のだが、この5分のために何時間も待つ。
もっと言えば、何日も前から準備をする。
更に言えば、半年も前から待っている。
それでも並んで食べる。
コレが行列グルメの醍醐味だよね。
器を返却口に置いて、表に出ると、
どう少なく見ても100人は並んでいる。
更に臨時駐車場の方からも、ゾロゾロと
歩いて来る。流石は今年最終販売日だね。
本当なら、この後、出来立ての
『みたらしだんご』を買うつもりだったん
だけど、売り場もめちゃめちゃ人がいて
それどころじゃなかったので、今回は
泣く泣くパスすることに。
車に戻る時に、警備員さんの横を通ると、
「番号札58さん、こちらにどうぞ」
って言ってた。
もう58番まで来たんだな、とか思い
ながら、さらば金精軒!
水信玄餅を堪能した後は、前日ワインを
買った2人に、青大豆の納豆を買うべく、
『武川町農産物直売センター』へ。
この辺で栽培されている青大豆は、
様々な大豆製品になっていて、
さっき食べた水信玄餅にかかっていた
きな粉も原料は青大豆。
普通の納豆もあるけど、青大豆の納豆は
甘いらしい。
オイラは納豆が食えない派なので、
もっぱら買う専門なんだけど、
グルメねえさんや相棒の話だと、
そうなんだってさ。
ここで納豆を買ったら、後は一路東京を
目指すだけ。
無事に納豆と青大豆納豆を10パック
買い、甲府方面へと向かう。
国道20号線を走っていると、ふと
2年前のことを思い出した。
その時は、国道141号線を清里方面に
向かい、偶然その途中にある
『金精軒 韮崎店』に立ち寄り、まさかの
水信玄餅にありつけた。
1日2個食えたラッキーを思い出す。
今回も、もしかしたら、という淡い想いを
抱きながら、一応韮崎店もチェックしに
行ってみることに。
国道141号線を10分くらい走ると
金精軒の韮崎店が見えてきた。
しかし、それと同時にものすごい数の
人だかりも見えてきた。
オイラ達は、声を合わせて
「うわぁ~、やっぱりなぁ~」
と言った。
まあ、オイラ達は総本店で食べて来たので
あまりガッカリ感はなかったけど、
最初からここを目指して来た人は、
唖然とするだろうね。
併設している焼きたてベーカリーの店の
客も混じってるかもしれないけど、
ほぼ全員が金精軒の水信玄餅目当ての
客なんだろうね。
パッと見、200人はいた感じだった。
もう食べた、というちょっとした
優越感に浸りながら、韮崎を後にした。
本当なら、この後、山梨県から埼玉県に
抜ける『雁坂トンネル』を通って、
秩父エリアのグルメを食べる予定
だったんだけど、相棒が昼までに
東京に帰りたいと言うので、仕方なく
秩父エリア回りはパスして、甲府市内を
ぐるりと周って、中央自動車道の
勝沼インターから高速道路に乗り、
一路東京を目指す。
その⑳につづく・・・。
(。・ω・。)ゞ