東京地方は紅葉の時期も終わり、

北国では雪の便りが聞こえ始め、

街にはジングルベルが流れ、

師走の慌ただしさが活気づき、

2014年もあと半月ちょっとに

なった。

日に日に厳しさを増す寒風が

肌に突き刺さる今だからこそ、

太陽がギラギラに暑かった夏休みの

旅行記を書いてみたいと思います。

まあ、以前に『書く』って宣言したしね。

数少ない読者からも

『夏休みの話、どうなってんだよ!?』

というツッコミも入っているし。




2014年9月13日。

約1ヶ月遅れの夏休みを

9月の連休を利用して取り、

どうしても行きたかった、

どうしても食べたかった

『水信玄餅』を求めて、

山梨県の北杜市にある

【金精軒・総本店】を目指すことに

しました。

この旅のことを友達に話すと、

友達もちょうど旅に出たかったみたいで

ノリノリで参加を表明。

今回の旅のコンセプトは、

【水・米・麺】

ということで、

『美味い水』『美味い米』『美味い麺』を

求めて旅に出た。

ちなみに、友達が出して来た旅の条件は

『温泉』と『車中泊』。

全然OK、無問題(もうまんたい)。



時刻は、夜も明け切らぬ午前4時。

都心部の渋滞が始まる前に抜け出そうと

いう寸法だ。

首都高速に乗り、とりあえず中央高速道の

談合坂サービスエリアまでが

下り線の渋滞ポイントなので、

混まないうちにそこまで行ければ、という

つもりで、やや足早に車を走らせた。

しかし、実際に来てみると、車の台数は

それなりにいるけど、渋滞とまでは

いかないくらいの交通量。

いい感じだ。

目的地の【金精軒・総本店】は

水信玄餅が大人気で、6月から9月までの

4ヶ月限定販売。しかも土曜・日曜のみの

販売なのだ。

行楽日の行楽地。

行ったことがなくとも行列は必至なのは

安易に想像がつく。

早出をしたのには、そんな意味もある。


甲府を過ぎ、双葉サービスエリアに

立ち寄り、少し早いペースを調整しようと

思案し、エリア内の駐車スペースを探す。

が、なかなかいい場所が空いてない。

本線上には大した量じゃなかった車の数。

なのにサービスエリアの中には結構いる。

みんな渋滞を避けて早出してきたヤツら

なんだろう。

考えることは、大体みんな同じなんだね。

施設から遠い場所は空いてるんだけど、

歩くのにはちょっと・・・、みたいな

トコしか空いてないので、仕方なく

サービスエリアを出ようとすると

ETC車両専用のスマートインターが

あった。

迷わずそこから一般道路に出た。

時間もあるし、残りの距離も遠くない。

ならば、高速代節約の為に降りましょう。

てことで、一般道路に出てすぐの

セブンイレブンで淹れたてコーヒーと

ホットドックを買う。

それを飲み食いしながら国道20号線を

目指した。

韮崎市で国道20号線に出ると、

右に曲がって北杜市を目指す。

台ケ原の辺りから旧街道に入ると

いきなりソレはあった。



【金精軒・総本店】

意外にもこじんまりとした佇まい。

この建物の3倍くらいを想像していたので

ちょっと拍子抜け。

でもまあ、とりあえずは1番乗りだ。

他の客よりも、店の従業員よりも、

新聞配達よりも早かった。

駐車場らしき場所に車を停めて

三脚を立てて、友達と記念撮影をした。

上の写真を撮る際に、友達と2人で

カメラを覗き込みながら、

やれ構図がどうのとか、露出がどうのとか

プロの撮影隊みたいなことを

言っていたら、いきなり見知らぬ

おじさんに話しかけられた。

「撮影ですか?」

まあ、撮影には違いないので

「はい」

と答えると、

「取材の方ですね?」

「え?」

メディア関係者と間違えられてるようだ。

「雑誌ですか? 新聞ですか?」

と聞かれたので、

「いや、今日はプライベートです」

と答えると、

「ココの名物は水信玄餅ですよ」

と言われたので、すかさず、

「ええ。ソレを食いに来たんですよ」

と答えた。

するとおじさんは、

「駐車場はソコじゃなくて、こっちです」

と言って案内してくれた。

何という親切なおじさんなんだろうと

思っていたら、それもそのはず。

おじさんは、ココの店の警備員で、

水信玄餅目当てで殺到する客の

整理要員なんだとか。

なるほどね。

言われた場所に車を移動していると

おじさんが整理券をくれた。



「お店は9時に開店するので、その5分

くらい前に列の先頭に来てください」

了解だよ、おじさん。

コレで正真正銘の1番乗りだぜ!



整理券をもらったので、時間まで車で

しばしの仮眠をとることに。



さて、時刻は8時50分。

すでに水信玄餅を求めて並んでいるで

あろう店先へ。

おぉ~。並んでる並んでる。

(個人情報保護等のため行列撮影はNG)

朝にはなかったパイプ椅子まである。

オイラ達には天下無敵の1番札がある。

スーパーマリオでいうと☆マークだな🌟。

悠々と列の先頭に着いた。

そこには朝来た時にはなかった

水信玄餅のサンプルがあった。



写真を撮る時以外は、なるべく見ない

ようにした。

実物を見た時の感動を味わいたかった

からだ。つまらない拘りです、はい。


やがて開店。

いろいろな商品が陳列してある横の

レジで、待望の『水信玄餅』をオーダー。


待つこと3分。

ついに目の前に現れた水信玄餅。

さっそく水信玄餅を持って、店の2階に

ある(であろう)飲食スペースに

移動しようと靴を脱ぐと、店員さんに

「すいません。今日は外でお願いします」

と言われた。

マジか!? と思ったけど、まあ確かに

これだけの人数(約40人)が

全部収まる広さではなさそうだ。

仕方なく店の外にある縁台へ。

これから買おうと並んでる人の横を通る

ので、みんなの視線が痛いぜ。



さて。

写真やらサンプルでは何度か見たことは

あったけど、

目の前でまじまじと見るのは初めて。



はい、水信玄餅様です。(2人分)

甲斐駒ヶ岳の伏流水を使い、

形を留めるギリギリの柔らかさ。

少しでも衝撃を与えたら、崩れそうなほど

プルプルな水の球。

これに普通の信玄餅と同様に

きな粉と黒蜜をかけて食べる。

実は、このきな粉も自家農園で栽培

している青大豆を使用しているらしい。


ではさっそく。

厳かにスプーンで掬って一口。

「ほわあああぁぁぁぁ・・・・っ!!!」

思わず、こんな声が出そうなくらい

神秘的で新食感。

間違いなく美味い!

たぶん、その気になれば軽く一口で

食べられる水信玄餅を、ちまちまと

スプーンを使って食べる。

一緒にいる友達も

「うめえぇ!」

と言ったきり、あとは無言。

無言というよりは無心。

やはり、水信玄餅を食いに来たのは

間違いではなかった。

水信玄餅の性質上、現地でしか食えない。

当然、お土産も通販もムリ。

だからこそ、わざわざ早起きしてまで

東京から食べに来る。

まあ、それだけの価値があるってこと。


およそ5分で完食出来そうな水信玄餅を

3倍の15分くらいかけて、ちまちまと

食べた。

食べたというよりは、味わった。

味わったというよりは、楽しんだ。

冷たいお茶まで付いて300円は

旅費や労力を差し引いても絶対お得。

お得ちゃん。(© au)

300円で、あの感動を味わえるなら

安いもんだぜ!!



2人ともほぼ同時に食べ終わり、

器を返却しに再び店内へ。

12畳ほどの店内は、水信玄餅を買う人、

水信玄餅以外を買う人、商品棚、店員で

ごちゃごちゃだった。

素早く器を返却し、もう1つのお目当てを

買うことに。


まずはコレ。



【大吟醸 粕てら】です。

金精軒の斜め前にある酒蔵で作っている

大吟醸酒の酒粕を練り込んであるカステラ

だから『粕てら』らしい。

実際にはアルコール等は感じられないけど

風味を楽しむ感じかな。

もう1つがコレ。




【甲州 加寿亭羅】です。

山梨県といえば蒲萄。

蒲萄といえばワイン。

このカステラには山梨県産の白ワインが

練り込んであるけど、コレも風味を

楽しむ感じだね。


どちらのカステラも、めっちゃフワフワで

切れない包丁で切ると100%潰れる

柔らかさ。

焼きたての食パンに似てるかな。


レジで会計をしている時に、ふと目に

入って来たのが、コレ。



いわゆる【みたらしだんご】なんだけど

ここまでハズレなしの金精軒。

コレも絶対美味いはず、と思い購入。

結果は・・・・、




大当たり!


もう何も言うことも、することもない。

ひたすら感動と余韻に浸りながら

店を出た。

車のクーラーボックスにカステラを入れ、

駐車場を出た。

店の前では、警備員のおじさんが

朝から暑い中、来店客の整理と

交通整理に追われて、汗だくで

頑張っていた。

ありがとう、警備員のおじさん。

ありがとう、水信玄餅。

ありがとう、金精軒。



さて、と。

水信玄餅の余韻に浸りながら、次の目的地

である『武川』へ。

ここには、幻の米と言われている

【武川米】がある。

なぜ幻の米かというと、狭い地域で

少量しか生産されず、しかも地産地消に

なり、市場に出回らないからだそうだ。

今回の旅のコンセプトは

【水・米・麺】なので、この武川米を

ゲットすべく、

【武川町 農産物直売センター】へ。

金精軒から国道20号線を甲府方面に

20分ほど行くとある。



右側の1BOXが、今回の旅の足。

友達所有のトヨタ・ライトエース。

平成8年式の古い車だけど、

燃費も悪くないし、ガタもヘタリもなく

よく走る。さすがはトヨタ車。

(ちなみにオイラは日産車派ですけどね)


さて。

幻の米【武川米】と水信玄餅でも使われて

いる【天然水】を買うべく、店内へGO。


いきなり野菜なんかの地元農産物が

所狭しと山積みになっている奥に進むと

ありました。

幻の米【武川米】。

その名も【農林48号】です。

あと、武川町産のコシヒカリもあった。

それにしても農林48号ってネーミング、

どうなんだろう?

いっそのこと、48の部分を活かし、

AKB48の人気にあやかって、

【MKW48】

(むかわ・ふぉーてぃえいと)

(えむけーだぶりゅ・ふぉーてぃえいと)

とかに改名したらウケるかもね。


さっそく農林48号と天然水を買おうと

思ったら、なんと!

天然水がない!!

今回の旅のコンセプトを覆す現実に

ショックのパー! (© ロボコン)

『地元産の米を地元産の水で炊く』

ってことに拘りたかったので、

幻の米を目の前にしながら、あえて

買いませんでした。

友達は、武川米ではなく

【青大豆納豆】を大量購入してました。

大人らしく箱ごとドサッと『大人買い』

してましたね。

お前は業者か!? と、ツッコミを

入れたかったけど、嬉しそうに自宅への

クール宅急便の伝票を書いている姿を

見たら、何も言えなくて・・・夏。

(© THE JAYWARK)


この青大豆納豆も人気商品らしいけど、

オイラは買いません。

なぜなら、納豆が食えないから。



さて。

天然水がなく、武川米が買えなかった

オイラは、併設されているコンビニへ。

コンビニの冷蔵庫には、サントリーの

【南アルプス天然水】があった。

いっそのこと、コレで妥協しようかな

とも思ったんだけど、何か譲れなくて

飲む用に『いろはす みかん』を買った。

友達は、携帯の充電器のコーナー辺りで

ウロウロしていた。

聞くと、

「いや実は、デジカメの充電器が

100V(家庭用)のしかないから、

車用の12Vから家庭用の100Vに

電圧を変換する機械(インバーター)とか

売ってないかな、と思って」

とのこと。

「まあ、希に売ってるコンビニも

あるっちゃあるけど、だいたいは

置いてねえべな」

「じゃあ道中でカー用品店でも探すか」

ってことで、武川町農産物直売センターを

後にした。


国道20号線を、更に甲府方面に向かい、

国道141号線に乗り換えた。

ここから141号線で清里を経由して

長野県の佐久市を目指す。


その②に続く

(。・ω・。)ゞ



Android携帯からの投稿