今から約35年くらい前に放送されていた
テレビドラマのタイトルです。
35歳以下の人は知らないでしょうけど、
35歳以上の人でも覚えてる人は少ない
でしょうね。
毎週火曜日に放送されていたドラマで、
大型トラック(バッファロー号)に乗る
2人の運転手が主人公の青春活劇みたいな
モノだったかな。
2クール(6ヶ月)くらい放送してたな。
確か、小野寺昭と石橋正次が主演だった。
まあ、ドラマのことはWikipedia
とかででも調べてみてください。
(YouTubeで検索したら動画なんかも
もしかしたらヒットするかもね)
で、問題は、この『火曜日のあいつ』という
タイトル。
当時オイラは小学5年生くらいで、
その日の休み時間に誰かが、
「そういえば今日、【火曜日のあいつ】
(の放送が)あるよね」
というと、もう1人が、
「ん? アレって【火曜のあいつ】だろ?」
といった。
それをきっかけに、そこにいた10人くらい
のクラスメイトが、二つに分かれて、
「火曜日だよ!」
「火曜だよ!」
と、今から考えると、どうでもいいような
ことを真剣に言い合う小学生の集団。
まあ、子供社会ではよくあることだけどね。
すると、火曜日派の言い出しっぺが
火曜派の言い出しっぺに、
「よし。じゃあ今日の夜にテレビを見て
確かめよう。で、負けた方が罰ゲーム!」
といった。
火曜派の言い出しっぺも、
「よし。受けて立つぜ!」
と自信満々に応えた。
ちなみに、この頃はプロレス技をかけるのが
流行っていて、罰ゲームといえば
【ブレーンバスター】
というのが定番だった。
(ちなみに4年生の頃は四の字固め。6年生
の頃はコブラツイストが流行っていた)
オイラは火曜日派だったけど、仲のいい
友達が火曜派だった。
複雑な心境で下校。
家に着いて、すぐに新聞のラテ欄(番組表)
を見れば、結果は一瞬で判るのだが、
あえて放送まで見ないと決めた。
で、午後8時。
チャンネルは6番(TBS)。
そこにはデカデカと
【火曜日のあいつ】
の文字が…。
『あちゃ~。アイツ、やってもうた…!』
自分の記憶の確かさと、友達の明日の光景を
考えながら、その日のドラマを見た。
翌朝。
暗い顔で歩く友達と学校へ。
校門をくぐると、いきなり昨日の火曜日派の
連中が待ち構えていた。
火曜日派の言い出しっぺが不気味に笑う。
「どうやら俺の勝ちみたいだな。約束通りに
罰ゲーム、受けてもらうぜ」
その言葉に火曜派の言い出しっぺである
オイラの友達は、観念したのか、
火曜日派について行った。
向かった先は、校庭にある砂場。
2人は砂場で向かい合うように立つ。
残りのギャラリーは砂場を取り囲んだ。
ほどなくして火曜日派が
「準備はいいか? 行くぜ!」
と、火曜派の友達の腰に手を回し、
「うりゃ!」
との掛け声とともにブレーンバスターらしき
技を決めた。
(本職のような華麗さは微塵もない)
ドサッという音がして砂場に倒れた2人。
「グエッ!」
という声が聞こえたが、どっちの声かは
わからなかった。
ただ2人とも起き上がらない。
「やばくね?」
誰かがいった。
「水かけてみるか? ラグビーみたく」
という誰かの声がした瞬間、2人はパチリと
目を開け、むっくりと起き上がった。
2人とも身体についた砂をはらって
砂場から出た。
「大丈夫か?」
オイラが友達に聞くと、ヤツはニヤリと
笑って、こういった。
「投げられる瞬間、ヤツの耳を舐めたぜ」
「はあ…!?」
そういわれて振り向くと、ヨロヨロと歩く
火曜日派の言い出しっぺは、腰と左耳を
抑えながら顔が少し紅くなっていた。
それから半年後。
火曜日派の言い出しっぺは、
隣りの区に引っ越すため、転校していった。
あれから約35年。
火曜日になると時々思い出す思い出話。
火曜日派のあいつ。
転校して行ってから1度も会ってないけど、
まさか、あのブレーンバスターがきっかけで
変な道に進んでないだろうな…?