かっとび小僧の 『言いたい放題』


先日、オイラの会社の駐車場に、



1羽のフクロウが迷い込んで来た。



こんな昼間にフクロウ?



そう思った同僚の女の子は、最初、



「タカだ!タカが飛んで来た!」



といって騒いでいた。



こんな街中で、フクロウだのタカだのって・・・。



茶色いハトか何かだと思って見に行ってみた。



すると駐車場のフェンスに、何やらそれらしい



物体がいた。



案の定、フェンスには見覚えのあるシルエット。



おまけに 『カア~』 とか鳴いてるし・・・。



「やっぱカラスか・・・」



と思って見ていると、カラスがいきなりバッと飛び立った。



と、そこに3羽の鳥が舞い降りて来た。



そのうちの2羽は、明らかにカラス。



しかし、あとの1羽はシルエットが違う。



カラスより2回りほど小さく、丸っこい。



色も茶色い。



近付いてみると茶色い鳥は、カラス軍団に追い掛け回され、



代わる代わるくちばしで襲撃されている様子。



「こら!カラス!」



オイラは思わず駆け寄った。



4羽はいっぺんにそこから飛び立った。



3羽のカラスは電線に止まったが、



茶色の鳥は駐車場に降りてきた。



「わ!やっぱフクロウだ!」



人生で、野生のフクロウになんて、



なかなかお目に掛かれない。、



しかも街中で。おまけに昼間に見るなんて・・・。



おおかたの想像通り、フクロウは昼間は目が見えにくいのか



駐車場の車に何度かぶつかって、



なかなか飛び立てないでバタバタしていた。



そっと捕まえると、おとなしくなった。



見ると、足にケガをしていて、血が出ていた。



きっとカラス軍団にやられたのだろう。



オイラは顔をフクロウの顔に近づけて、



まじまじと見た。



くりくりとしたまん丸の目玉。



心なしか涙がにじんでいるように見えた。



とっさにカラスの襲撃から救ってはみたものの、



さて、オイラの手の中にいるこのフクロウ。



いったい何処から来たのか・・・?



そして、どうすりゃいいのか・・・?



そこにいた同僚たちは、



「野生かな?」



「ペットだったのが逃げてきたのかも」



「動物病院、連れてくか?」



などと、口々に言うが、それ以上進展がない。



結局、最初に 『タカだ!』 と騒いでいた女の子が



連れて帰ることに。



別の女の子が、適当な箱を持って来たので



そこにフクロウを入れた。



箱に入れたフクロウを囲んで、みんなで覗き込んでいると



電線から 『カア~』 という声。



まだカラス軍団が狙っていた。



「トランクに入れちゃえ」



フクロウの入った箱を、女の子の車のトランクに入れた。






翌日、女の子の話だと、家族でフクロウを観察した後、



箱のふたを開けたまま、車の屋根に置いておいたそう。



夕方から夜になり、辺りが暗くなってきた頃、



フクロウは自ら飛び立って行ったそうだ。






フクロウは、漢字で書くと 『梟』 と書くが、



何かの言い伝えで、福を運んで来る鳥といわれていて、



『福郎』 とも書き、招福のシンボルとされているらしい。



ま、ちょっといいことあるかも、とか期待しつつ、



あのフクロウの無事を祈りつつ・・・。





(`・ω・´)ゞ