≫11月10日の TBS系列のTV番組『夢の扉~NEXT DOOR~ 』をご覧になった方も多いと思います。

≫内容は、樹木から取り出した『リグニン』を使い、古紙や木からプラスティック様の『りぐぱる』を開発した、三重大学大学院の舩岡正光教授のドキュメンタリーでした。
≫見逃した方のために、少々長めですが、以下番組のHPを引用させていただきます。
≫年間1000万トンもの古紙が燃やされている今、その古紙のリサイクル研究を19年間もの間頑張ってきて、究極のエコ製品の『りくぱる』を誕生させたのが舩岡正光さんです。
≫『リグニン』は繊維の接着剤の役割をしているもので、樹木も95パーセントは繊維とリグニンで出来ています。
≫舩岡さんは樹木からリグニンを取り出す研究に邁進したわけですが、『リグニンには手を出すな』という言葉が研究者の間であるように、リグニンを取り出す数千にもなる実験は失敗の連続でした。
≫なぜかというと、繊維を残しリグニンだけを抽出する方法が見つからず、研究が堂々巡りを繰り返していたからです。
≫実験開始17年目にあるアイデアが閃きます。それは、『リグニンだけをまず特殊な環境に置く』こと。
≫リグニンだけを防腐剤のテノールでコーティングし溶解させることでリグニン抽出に成功しました。
≫2年後に世界初の画期的新素材の『りぐぱる』完成。
≫一見プラスティックのような『りぐぱる』ですが、その原料は石油ではなく木や紙・ダンボールです。
≫『りぐぱる』の特徴は、木とプラスティック両方の性質を併せ持つこと。触感はプラスティックで高強度ですがのこぎりでも切れ、釘を打つことも出来ます。
≫最大の特徴は『変形自在』なことと、『何度でもリサイクル可能』なこと。
≫変形自在で強度もあるため色々な商品に利用可能です。例えば実験段階では車のボディにも使われています。
≫もちろん今ある木工製品やプラスティック製品の代用は完全にこなせます。例えば実験段階では車のボディにも使われています
≫加えて、りぐぱる製品は溶解すれば何度でもリサイクル可能ですので、『究極のエコ商品』と言えます。
≫さて、りぐぱるの一日も早い実用化が望まれますが、今着々と進行中です。
≫製品化は、大阪の古紙から再生紙を作る会社が担当。
≫製品化のために必要な大量の『リグニン』は、徳島県中町の東京ドーム3個分の巨大敷地に巨大プラント建設計画進行中です。

※ 研究の概要は神籬(ひもろぎ)誌24号に紹介されています。
 http://www.nishigaki-lumber.co.jp/himorogi/bun/24.htm

≫原理主義的自然環境保護団体は科学技術を軽視しがちですが、環境と産業を両立させるためにも技術革新、科学研究は必要だと思いました。成果が出るまで19年の長い道のり、こうした実例も仕分け人に理解してもらいたいです。