最近、あんまり移民問題については取り上げていなかったのですが、日本の移民流入順位が５位になっているというデータが・・・
日本は、単純労働の外国人受け入れを公式には認めず、移民に関して鎖国的な政策を続ける。だが、留学生や技能実習生の肩書で呼び込んだアジアの若者たちに、低賃金の単純労働を担わせているのが実態だ。国際的な尺度からみても、移民の主要受け入れ国の一つとなっている。
経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）は統計上、「国内に１年以上滞在する外国人」を移民と定義する。加盟３５カ国の外国人流入者数をまとめた「国際移住データベース」から、２０１４年の１年間における移民の動き（出身国別で１万人以上の流入が対象）を抽出し、世界地図に落とし込んでみた＝図表参照。
流入者が多いのは欧州（１８１万人）、北米（８８万人）。アジアも５７万人と続き、うち４割以上を日本（２４万人）で受け入れていることが分かる。出身国別で１万人未満の流入を含めると日本は３４万人に上り、ドイツ（１３４万人）、米国（１０２万人）、英国（５０万人）、韓国（４１万人）に次ぐ。
米国ではトランプ大統領の就任で移民排斥の動きが強まり、欧州連合（ＥＵ）も移民受け入れの是非で揺れている。アジアでは国家間や地域間での外国人材の獲得競争が過熱し、奴隷制度をほうふつとさせる過酷労働も表面化。地球規模で人が往来するグローバル化の中で、移民問題は地続きであり、正面からの議論を避けてきた日本も既に当事者となっている。
すでに、日本は物価が高いわりに賃金は低く、ブラック企業が跋扈している状況で、「わざわざ今更に日本に来たがる外国人もいないだろ・・・」くらいに思っていたのですが、それでも結構な数の外国人が留学生や技能実習生という名目で日本に入ってきているそうです。
表を見ると、中国が圧倒的に多く、次いでベトナム、アメリカ、韓国の順です。アメリカからの流入が３位となっていますが、圧倒的多数はアジアからの流入でやはり貧困地域から日本に移り住むようなケースが多いのかなという気がします。
人類学者のエマニュエル・トッドは、国家を家族形態の在り方から分析し、日本、ドイツ、韓国のような一家の中でも父親の権威が大きく、長男のみがその財産を相続し、原則として家に残ることになる直系家族制度の国家においては外部から来た移民が経済的に繁栄したり財を成すことが難しく、結果として移民を排斥するような方向に働くというようなことを主張しているのですが・・・
移民の受け入れに最も影響を与えるのは、社会の家族型が普遍主義か差異主義かということである。平等主義核家族と外婚制および内婚制の共同体家族は普遍主義であり、移民を本質的に異なる人間とは見なさない。一方、絶対核家族、直系家族、非対称共同体家族は差異主義であり、移民を異なる民族と見なす。
（Wikipedia『エマニュエル・トッド』 より）
移民の流入ランキングトップ５のうち、トッドが直系家族制の国家であると説明するドイツ（１位）韓国（４位）日本（５位）の３国が占めていることを考えると、少なくとも移民の流入段階においては、家族制度よりも経済的に豊かな国、特に地域において相対的に豊かな国へと移民が流入する傾向があるように思われます。
現在では、様々なの理由から「日本には東アジア地域からの移民は入ってこない」と主張する論客も多く存在しましたが、結局、現在においても「相対的にマシ」という理由で日本に移民が入ってきているというのが現実でしょう。いくら日本が貧困化し、国内でヘイトスピーチが横行しワーキングプアで溢れかえったとしても、大気汚染や土壌汚染が進行し切っている中国や、貧困国の北朝鮮に行くよりはマシということで日本に来ているという事ですかね。
また、日本の経営者なども技能実習制度というカタチで脱法的に最低賃金以下の奴隷労働をさせられるのですから、従業員にまともな賃金を払えないような産業（主に農業分野などでしょうか？）では重宝されるのでしょう。
しかし、物価も生活費も高い日本で親族からの経済的支援も受けられないような外国移民が最低賃金以下の労働でまともに生活出来るワケがありませんから、結局生活保護を受けることになったり、地下の犯罪組織に加担するしかなくなります。
目先の低賃金の労働力を確保するために、技能実習制度という名目で日本に外国人を連れてきて、まともな賃金も払わない奴隷労働で苦しめて、結果的に生活保護の受給者や犯罪組織の構成員を増加させ、社会保障費を圧迫させ、治安も悪化させる・・・一体、何がしたんだろう？と思わざるを得ないのですが、国内の多くの中小企業がこんなしょうもない対症療法であっても目先の利益を確保したいと思わざるを得ない程に国内経済が疲弊しきっていると考えるべきかもしれません(￣▽￣;)
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