うそつきは、社会のはじまり? | 活字 & 映画ジャンキーのおたけび!

うそつきは、社会のはじまり?

【世間のウソ】 

●著者 :日垣隆
●出版社:新潮社(2005.01 発行)
●価格 :¥714


宝くじで1等が当たる確率よりも、
交通事故で死んだり、大怪我する確率の方が
9万2,651倍も高い。
そう聞いたら、あなたはどう思うだろうか?
「えーうそでしょ!?」と否定するか、
「ああ、そんなもんだろうな」と納得するか。
いずれにしろ、この数字は事実である。
根拠は本書の中にデータとして記されてある。

僕自身は宝くじはジャンボのみをたまに買うが
それも10枚と決めている。
本の中にもあるが、ジャンボの1等くじは
1ユニット(1千万本)に1本しか含まれない。
つまり当選の確率は1千万分の1、
人口約1200万人の東京都民が1人1枚ずつ
買ったとしても、当たるのはたった1.2人!
まあこれが10枚買うと、100万分の1、100枚
買うと10万分の1と、
確率は高くなってはいくのだが、感覚的なもの
としては大差ないように思う。

以前、家族や友人、知人を総動員して
計2000枚ほど買ったことがあるのだが、
(もちろん当選したら賞金は山分けということで)
その時当たった最高が、
なんと4等の1万円!だったということもあり、
当選のために枚数を買うというやり方には、
限り無く懐疑的なのだ。
1枚でも1000枚でも、当たる時は当たる!
と、なんだか冷めた目で見てるようでいて、
ジャンボ発売中!なるノボリを見ると、
ついフラフラと立ち寄ってしまうのもまた事実なのだが…。

なんだか宝くじ談義になってしまったのは、
個人的には本書で一番興味深かったのが、
この項目だからだ。(結局当てる気満々なんかい!)
他にも
●自殺報道のウソ
●安全性のウソ
●男女のウソ
●性善説のウソ
●児童虐待のウソ
など、どれもほうっとうなづける内容が満載。
世間に浸透している事実の裏側に潜む真実を、
説得力あふれる裏付けとともに、
あぶり出している。
常識と思えることでも、違う角度から眺めると、
案外違った顔が見えてくる。
自分なりの目を養うことの大切さを、
あらためて感じた。


■個人的ハマリ度  ★★★★(★5つが最高)


著者: 日垣 隆

タイトル: 世間のウソ