第百拾四話 ~生きたい歌~ | ~人生の壁の破壊者(デストロイヤー) カツヤ~【あなたの魂に火をつけたい人が綴る 己の高め方BLOG】





少年の心の中には昔、



二人の自分がいた。






一人は

“僕は生きてちゃいけない 汚れてしまった人間なんだ

みんな、ごめんなさい
本当にごめんなさい”

と、泣いている弱い自分。


今にも姿を消したがっている
いつも隠れようとしている








一人は

“お前は生きていていいんだよ
お前はなんにも悪くない
生きていて欲しいんだよ、お前には
下ばっか向いてないで顔あげろよ”


と、弱い自分を励まそうとする
強い自分。










弱い自分が泣けば泣くほど

強い自分の姿が遠退いていってしまう。










強い自分が叫べば叫ぶほど

弱い自分が微笑もうとする








生きていたい









その中で少年はどうしても、あの強い自分にいつもそばにいてほしくて、そしてその声をいつも聞いていたくて…




その為には、どうすればそうできるのかを考え続けた。






少年は片っ端から紙という紙を集めた


そして、その紙にたくさんの炎を描きはじめる。


紙は筆圧で何枚も何枚も破ける



炎はいつしか、言葉へとかわった。


ボロボロの紙の上を、“戦士”だとか、“負けるな”だとか、

“オレには何が見えるか”だとか、

言葉が踊り出していく。



言葉はいつしかだんだん増えていき、
いつしかそれらは詩へとかわっていく。





その詩を少年は叫びはじめた
大きな大きな声で
喉がかれるまで
叫び続けた





最初のうちはデタラメだったけど、いつしか そこには旋律が加わっていく。
少年にしかうたえない、少年だけの旋律だ。



少年はいつでも、何をするにしても、毎日毎日うたい続けた。
うたっている時にだけ、強い自分と会う事ができた。
だから、強い自分が離れないよう、うたい続けた


何度も、何度も

何度も、何度も…………………









少年は生きる為に自分の歌をつくることを知った。
自分への応援歌だ
強い自分に出会える為の歌だ。







それから
たくさんの人の前でうたう自由も知った。










それから
自分以外の誰かの為にも歌をつくるようになるのは、もう少し先の事である。









心の壁の破壊者(デストロイヤー)、カツヤでしたッ!!
( ´∀`)