やはり30代になるとまわりのキャストが年下が多くなって来て、当時の私はその中でとても張り切っていました。
「頑張らなくちゃ!みんなのお手本にならなくちゃ!」
と。
でも、若い子たちは私よりもダンスも上手くて、個性があって、
結局私は、何も出来なくて今までの自分ってなんだったんだろうかと落ち込みました。
きっと自分はどこに行ってもダメなんだと。
そんな時、そのお芝居の演出家が私に言ったんです。
「僕が中学生の頃、親にお願いして自分のお小遣いで観に行った舞台に星川さんが出ていました。
今でも当時のパンフレット、持ってます」
その舞台はワハハ本舗の全体公演の新潟ツアーでした。
売れっ子の先輩たちの中で後ろの端っこにいた私を覚えてくれた人がいる
私は嬉しくなって
自分のやって来た事はきっと間違ってなかったと思い、全力でその舞台に挑む事が出来ました。
もう、だいぶ前の話です。
この話は私のエッセイ本に書いたんだけど
最近になって本を読んだ方から、あの話、良いですねと言われて読み返したんです。
結局私はいつも不安になってその度にまわりに力を貰って舞台に立って、やっぱり舞台が好きだからこの世界に居たいと思うのです。
私は本を読んでくれた方に言いました。
「あの本に書いてある演出家、誰だかわかります
山崎君ですよ」
そうなんです。
今回、私が客演する舞台の山崎君です。
最近ずっとワハハの芝居の脚本書いてくれてる山崎君です。
彼はあれからグングン力をつけて、今ではワハハの主力作家。
ドラマの脚本も手掛ける売れっ子です。
人生ってやっぱり面白いなぁと思います。
ちょっと前に私が落ち込んでいた時に山崎君が言ってくれたんです。
「星川さんはこれからどんどん面白くなる一方の人です」
私、面白い人になる
面白い人間になって、面白い役者になるよ