「明日の言葉」

 

                     岡本勝人

 

 

 

2023.12.25

 

 私たちは、生まれ育ち成長して、結婚して老いて死んでいく存在である。意識の裏面には、過去性によって想起される、言葉の断片が風景の閾となって生成する自己のアイデンティティを確認してきた。過去とは、深い無意識が表象された深層のヒエログリフの切片と同一の原風景だ。未来は、差延によって認識されて与えられた事後性によるものからなる。現在こそ、未経験な「明日」に接合面をもつ未来という認識のトランスクリティークである。

 

 

 

(「日本ペンクラブ」最新月報掲載)