青龍と朱雀が複数のジンオウガと戦っていると…

頭の中にサナの声が響いた。

『戦闘を中断して、ベースキャンプに来てください。』

「今ですか!?」

『そうです。 あまり時間がありません。』

「かしこまりました!」

青龍は乱舞していた手を止めると、朱雀に声をかけた。

「陛下がキャンプに来てくれ、と伝えてきた。」

「今っ!?」

「そうだ。」

「何でまた…」

「わからん。 だが陛下のことだ。 何か考えがあるのだろう。」

「ちっ! とりあえず離脱するか…」

朱雀は舌打ちしながらも剣をしまい、ジンオウガの動きを気にしながらエリア5を後にした。



青龍と朱雀がベースキャンプに到着すると、そこにはすでに玄武、炎華、ユイナが待っていた。

「お前ら!?」

青龍の目が丸くなる。

すると、サッと一筋の光が差し、サナが姿を現した。

『皆さん、揃ってますね?』

「ちょっと陛下っ! この非常事態に何召集なんてかけてんのよっ!」

「朱雀っ!」

苛立ちを顕わにした朱雀に毒づかれたが、サナは何も言わない。

よく見ると、サナの顔色は蒼白になっていた。

「陛下?」

『青龍、朱雀、よく聞いてください。』

「「はい?」」

『これより、エリア5をシールドで封鎖します。』

「エリア5を封鎖する!?」

『はい。 そこへ紅蓮海賊団がジンオウガを追い込むので、5人で討伐してください。』

「は? 何故そんな?」

『実は… 孤島のジンオウガたちは、通常個体よりも強化されていることがわかりました。』

「なんですって!?」

「そんな馬鹿な!?」

サナの言葉に、青龍と朱雀は目を見開いた。

『その為、普通に討伐していたのでは時間がかかり過ぎます。』

「確かに…」

『5人で連携して、なるべく短時間で討伐してください。』

「かしこまりました。」

『お願いします。』

それだけ言うと、サナの姿は消えてしまった。

青龍と朱雀は三人に振り返った。

「さて… それじゃあ、作戦を練るか。」

「そうだな。」

全員が集まり、キャンプで作戦会議が始まった。