青龍と朱雀が崖から飛び降りると…

そこには2頭のジンオウガがいた。

青龍は爆岩双刃アルコバレノを、朱雀はコウリュウノツガイを、それぞれ静かに背中から引き抜いた。

両手の剣を胸の前で交差させて構える。

「行くぞ!」

「おう!」

二人はジンオウガに向かって走り出した。

ジンオウガが青龍に気付く直前、頭の上で交差させる。

「鬼人化っ!」

瞬間、青龍の体を蒼いオーラが包み込む。

「鬼人化っ!」

同じように朱雀も鬼人化すると、朱金のオーラが包み込んだ。

それぞれの前にいるジンオウガに向かって、二人は剣を繰り出す。

青龍は体当たりやムーンサルトをするりとかわし、振り向きざまにジンオウガの後ろ脚に剣を当てていく。

朱雀は帯電を始めたジンオウガの後ろ脚に乱舞していた。

ジンオウガが怒りで咆哮しても、二人は鬼人回避でスルッと腹下に潜り込み、後ろ脚を狙っていく。

執拗なくらい後ろ脚を狙い、転倒すると頭に乱舞を当てていく。

見事なくらい、二人の動きはシンクロしていた。

やがて、朱雀が戦っていた方のジンオウガが脚を引きずりながら逃げ出した。

「青龍っ! どうするっ!?」

「とりあえずすぐに判別できるようにペイントだけは当てておけ!」

「了解っ!」

朱雀は手際よくジンオウガにペイントを当てると、すぐに青龍の近くに戻ってきた。

「どうする?」

「多分、次の乱舞で転倒するはずだ。 そしたら頭を頼む!」

「おう! 任せとけ!」

そして、青龍の読み通りジンオウガが転倒した。

すかさず朱雀が頭に乱舞を叩き込む。

その間も青龍は後ろ脚に乱舞を叩き込み、ダウンしやすいようにダメージを稼いでいた。

間もなくジンオウガは力尽き、動かなくなった。

「ふう… 回避性能が発動しているとはいえ、常に複数だと厄介だな。」

「そうだな… ていうか、いったいどれくらいのジンオウガがいるんだ?」

すると、二人の目の前に金色の光が差した。

「「陛下っ…!?」」

光の中に、うっすらとサナの姿が見えた。

『ジンオウガは全部で20頭確認されています。』

「「に、20頭っ…!?」」

『はい。 それらを全て討伐する必要はありませんが…』

「最低でも2頭くらいに減らさなきゃいけないわけですね?」

光の中のサナは頷いた。

「わかりました。 では、早めに何とかします。」

青龍は表情を引き締めた。