病院を退院する直前に先生からもらった「傷病名・病状説明書」に「非小細胞肺がんに対しては、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬が有効となる場合があります」と。何だか難しい薬の名前だなあと思っていたら、看護師さんとの話の中で、「最近は抗がん剤にも新しい薬が出てきて、そうそう、オブジーポとかいうノーベル賞とった人の…」あっ、なんか聞いたことある、とひらめいた。おー、何とこんなところでオブジーポが出てくるとは。なんか製薬会社と揉めてるんじゃなかったっけ、なんて、いい話じゃないところから思い出してしまって…、申し訳ありません。

そう、2018年のノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑さんによる免疫チェックポイント阻害因子の発見がこの原点になっているとのこと。そもそも、がんの治療は、がん細胞を手術で取り除くのが重要だけど、外科的に取り除くのが不可能な場合は抗がん剤などによる化学療法によって治療を行うことに。今の僕の状況。なので、がん細胞を切除するところまでは外科的治療が可能なステージ1、播種して肺全体にがん細胞が回ってがん性胸膜炎になった状態は外科的治療ができなくなってしまったのでステージ4ということかな。で、僕自身、がん体験は初めてなので、抗がん剤治療がどんなのか分からないけど、いろいろ情報を集めてみると相当大変みたい。先日、入院していた時もある患者さんから聞いたことも合わせると、便秘から始まって、下痢、嘔吐、発熱、倦怠感、口内炎、脱毛………、とてもとても辛いらしい。いやー、僕に耐えることができるかな、本当に心配。調べた中には、あまりの苦痛に抗がん剤治療を辞めてしまった人もいるとか。僕もそうなりかねないな、さらに不安。そもそも、なぜ抗がん剤治療がこんなに辛い副作用が出るのか?抗がん剤って、がん細胞だけでなく他の健康な細胞も攻撃してしまうからとのこと。なになに、えっ、抗がん剤の起源は毒ガスから作られたって‼︎ ナイトロジェンマスタード? 興味のある方は是非インターネットを検索。がん患者でなかったらずっと知らなかったな。最初にこれを見つけた人にもノーベル賞を、って思いますよね。

話がそれてしまいました。免疫チェックポイント阻害薬の話。こちらは、がん細胞が体の免疫機能の攻撃から逃れようとして免疫細胞にブレーキをかけようとしている状況に対して、この薬がその免疫細胞にかかったブレーキを解除し免疫力を元に戻すことでがん細胞を攻撃し退治するという「がん免疫療法」と言われるものらしい。この免疫のブレーキ部分を免疫チェックポイントと呼んでいてその部分を阻害する薬だから「免疫チェックポイント阻害薬」 なるほど、なるほど。つまり、この薬はがん細胞を直接攻撃するため、副作用が抑えられるようである。ただ全く無いわけではないようだ。また、特定の疾患を持っていると投与は難しいらしい。いずれにしても、本庶さんの研究によって抗がん剤の新しい可能性が得られたことは確かだな。

もう一つ、僕の「傷病名・病状説明書」に書かれていた分子標的治療薬の話。こちらは、後ほど…。