6月27日第十三回杵勝会全国大会南座公演に参加させていただきました。

昨年春、南座公演について勝くに緒先生から「出たい人は?」とお声かけいただいた時、私は自分の力量も考えずに「え〜!あの顔見世興行を観た南座に出られるんですか?」と完全にミーハー気分で手を上げてしまったのでした。曲目は藤娘で15分くらいの曲ですが、案の定、それから暗譜の苦しみが続きやっと譜面無しで弾けたのは昨年暮、本番の半年前でした。この間、何と無謀な事に手を上げてしまったのかと後悔しきり、己の石頭と一向に動かない両手を呪い、こりゃあダメかもと絶望しかけました。弱音を吐く私に、先生は優しく叱咤激励してくださり、全く不完全ではありますがお仲間の皆様に合わせて弾く楽しさがわかってきました。

本番前日には先斗町歌舞練場での下浚いがあり、日本髪を結った舞妓さんや芸妓さんに見惚れながら準備をしました。下浚いの時の杵勝会の浴衣といい、本番のくにね会の先輩方に合わせた色無地といい、スポーツと一緒でユニホームを揃えるとさらに一体感が増すもんだなあと思いました。大舞台での演奏はあがってしまい私は何度も間違えて皆様にご迷惑をおかけしましたが、音が揃った時の心地よさは絶対に癖になると感じました。

このような大きな舞台に出していただけるなどとは長唄三味線を習うまでは想像もできませんでした。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。これからも稽古の日々は続きますが少しづつでも前進できたらと思いを新たにいたしました。貴重な経験をさせていただきありがとうございました。