私の退院後、すぐに予約を取り夫と助産院へ。


以前友人に付いて行った時、付き添いの私への反応はあまり良い感じには思わなかったのだが、友人は日々のいろいろな葛藤を話しながら、助産師の言葉にわんわん泣いたりしていて、患者として行く場合にはまた違うのだろうと期待をしていた。


赤ちゃんは、3時間おきの母乳の注入で、一回の母乳量がまだ2ccくらいだった。

母乳は、赤ちゃんに必要な量ずつ出ていればよい。まだまだ量は出ないので、搾乳機や哺乳瓶なんか使わずスプーンに絞れば良いと。カレースプーンあるでしょ、それにちょこっとあればいいのよと。


それからの助産師の話。甥がNICUに入ったことがあり、いても立ってもいられず夜中に街を彷徨い歩いた。NICU勤務の経験もあり、だいたいのこと、あなたの気持ちもよくわかると。そして、自身のこと、経歴、おっぱいケアの価値について、今後の野望、趣味の話など、夫と二人、共感されているということに安心を覚えつつも、後は、ただその話にすごいですねと頷いて時間が過ぎた。


次のケアは、赤ちゃんが直接吸えるようになったら、初めての授乳の前に、極上の飲みやすいおっぱいにしてあげるからその時に来なさいと。

長くなるだろう入院期間、まだまだ直接吸えるなんて先の話だろうに、その間大丈夫なのかと不安だった。

だが、初めてのこと。やってみるしかなかった。


帰り道、今後自分にやれることがわかったという希望も感じつつ、赤ちゃんのことがずっと気がかりな状況で、夫と二人、ただその人の話を聞いた疲労感があった。

夫は「なんか、自分の話ばっかりだったね。あの人変な気がする。」と。


そんな気もしたが、相手は大先生と呼ばれるような人、そうやって持ち上げられてきたのだろうし、技術は確かなんだろう。自分の違和感に足止め食いたくなかった。