山口にいるおじいちゃんが、末期の癌で余命2ヶ月と言われて見舞いに駆けつけました。

その際、医者と本人を交えての親族会議にも顔を出せたので、医者の話も聞けました。

その時の話を父親と2人でまとめてメールに認めたものをここにも記しておきます。
父親が書いたものなので、「親父=おじいちゃん」です。

「山口の親父の症状は
膵臓ガンが腎臓・肝臓・肺に転移
前立腺ガンが骨髄に転移
全て末期症状。
主治医と親族は、このまま
痛み止めと点滴で、余生を過ごす事を希望するも、
本人は前立腺ガンの骨髄献体検査をし、3~4週間の抗がん剤接種を望む。
来週月曜日に親父が主治医と面会し、最終決定になりました。」


そして、私個人が聞き覚えている内容はこうです。
(内容が一部重複します。)

おじいちゃんの癌は、膵臓(すい臓)、腎臓(じん臓)、肺、前立腺、骨と癌が転移しまくっているようです。
それぞれがもうひどい状態らしいですが、一番ひどいのはやはり膵臓。
もう真っ黒なんだそうです。
膵臓の癌が他のところにも転移しているのですが、膵臓から骨に癌が転移するのはあまり無い事なので、膵臓癌と前立腺癌が併発して、「膵臓⇒腎臓、肺」「前立腺⇒骨」という具合に癌が転移したものと推測できます。

もって数ヶ月ということです。

治療の方法としては、
「しっかり治すなら抗癌剤などを投与し、膵臓癌がやはり主だった癌だとしたら膵臓癌を集中して治す。」
というのがあるらしいのですが、おじいちゃんの年齢や体力などを考えると、それはもう無理みたいです。

なので、お医者さんの言う治療というのは、
「寿命を少しでも延ばす手術(抗癌剤などを使用)」
「痛み止めや栄養剤で、苦しまない生活を送る」
の二つになります。
ただ、「寿命を少しでも延ばす手術」と言っても、2年や5年など劇的に寿命が延びるというわけではなく、延びて2、3ヶ月というとこらしいです。
まず前立腺の癌の有無を確かめてから抗癌剤の投与と、入院が激しく長引く上に家に帰りたくても帰れなくなりそおのまま病院で死亡してしまう可能性があるそうです。
しかも、抗癌剤の副作用というのがありまして・・・痛いらしい。
それどころか、骨髄肝炎やら肺炎やら起こすかもしれないんだそうです。
おじいちゃんの体力が持つかどうか解りません。

お医者さまは、おじいちゃんが60歳くらいで元気に仕事とかしてるのならこちらの手術を勧めるのですが、おじいちゃんはもう86歳くらいでほぼ寝たきりでしっかり歩くのもままならない状態なので、もうひとつの「痛み止め」の方を勧めてきました。

親族としては無理していたずらに数ヶ月寿命を苦しみながら延ばすよりも、自宅でもなんでも安穏とした穏やかなな暮らしをして欲しいと願うわけです。
おじいちゃんも前日までは医者の言うとおりにすると言っていたらしいのですが、いざ、お医者さんと話をすると、

「このまま家に帰るのは嫌だ。」

と言い出しまして、

「少しでも可能性があるなら寿命を延ばす。」

と、言い切ります。

ちょこっと困り顔の親族。

私(孫)としては・・・。
おじいちゃんにはもう苦しい思いをしないで安らかに余生を送って欲しいと思うのですが、でもおばあちゃんのいない家にたった一人で短い寿命を寂しく過ごすよりは死ぬ瞬間まで生きる事に頑張っていて欲しいとも思うのです。

もしできることなら、おじいちゃんは、抗癌剤を打たずに退院して、静かに余生を過ごして、短い期間でも私が一緒に過ごせたら寂しくないんじゃないか思うのですが、それは私が勝手に思っているだけです。

まあ、結局は、本人が「とりあえず前立腺の検査をして抗癌剤を1回打ち、その経過を見て決める。」と意志を固めたようです。
月曜に医者にその旨をもう一度告げて相談するといってたので、本決定は、今日。もう決まってると思います。
変わってるかもしれないけど、きっとこの方針でいくんだろうな。


これが、おじいちゃんの病気の全貌です。

私が聞いた事を記憶に頼って書いてるので、ちょっと間違っているかもしれません。


(※2006年の話です)



夢野かつきのmy Pick