硫黄島研修
3学年の春期訓練のメインは硫黄島(イオウジマではないイオウトウ)研修、全学生共通の研修

海自LSTと空自輸送機C-1に乗って移動

3大隊は往路C-1~復路LST
入間基地から小一時間で硫黄島に到着
2月なのにこの島は暑い。
地下豪に入るとメガネが曇る。
よくここで闘い続けた。 
昔の日本軍人は凄かった。
本当にあの映画のようだったのか?
宿泊は倉庫
エアマット&スリーピングが並んでいる。
言葉は悪いが死体置き場だ。
サソリ🦂に怯えながら眠る。
幸い、金縛りに遭うことはなかった。

復路は海自輸送艦LST
航海間は海上要員以外はお客様
俺達陸上要員は何もすることがない。
後段組が食べ尽くしたから俺達にはアイスがひとつも残っていない。
今でこそ1日3食だが当時は4食高カロリー
俺は全く船酔いをしない。
極めて快適な船旅だった。
酔う奴は地獄だっただろうが…
当時流行りのトランプのナポレオンで遊ぶ。
細かいルールは忘れたが、副官が鍵となる極めて戦略的なカードゲーム。
軍人にとっては興味深い遊びかもしれない。

1つだけあった笑えるお話
それは酒飲みの陸6SWが起こした。
体が鈍ったSWは暇潰しに船内を走る。
その時、ゴツンと鈍い音がした。
SWの話では火花が散ったそうだ。
扉の上にヒタイを強打。
直ぐに医務室で処置を受ける。
頭の皮があまりにも固いので畳職人のように肘を使いながら縫われたそうだ。
SWの頭には白いネットが被される。
まるでキューピーちゃんのようだ。
前頭部に500円玉が入る跡が残る。
船内は危険が一杯
決して走らないことだ。

本当にあった怖~いお話
航空要員、パラシュート部が中々朝礼に出ない。部屋に行くと既に冷たくなっていた。
原因不明の心不全で突然この世を去る。
既往症が全くなかったのに…

ただ一つだけ気になることがある。

彼は決してやってはいけないことをした。
硫黄島から石を持ち帰ったのだ。

日本帝国陸軍軍人の仕業なのか?

それ以来、硫黄島研修では絶対に物を持ち帰るなと指導されている。
多分、この怖~い話が事の発端だ。
今の防大生は知らないかもなー


(防大3学年 完)