「序の舞」やっと美しい人に会えました | 三味線演奏・教室 杵屋勝壽のブログ

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日本の習い事。長唄や三味線の事、お教室の日々の様子などを。

昨日、藝大美術館にて20年以上想い続けた上村松園の美人画たちにやっと会うことができました。 

 東の美人、西の美人と別れていて、美人画好きにはたまらない展示です。
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松園の美人画は可愛い、綺麗、だけではない強さと優しさと凛とした気品を持つ私の憧れの日本女性像。

お歯黒や青眉も瑞々しく美しいのです。
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何も描かない背景、鼠色の細い輪郭線、品格のある色彩、平面的な静の中にある力…そんな日本ならではの画が大好きです。

20歳くらいの頃は時間があれば徹夜も楽しく松園の絵を模写していました。
時間もあの頃は沢山ありました💦
父に顔料や膠の使い方を教わり、髪の一本一本、鹿の子の一つ一つを細い筆で描いていくのが大好きでした。

日本の美は静の中の動、簡素な中に全てを表現します。

私が生業としています長唄も江戸時代の日本人が作り上げた文化なので視覚的美観と静の中で動、熱、力を表現しています。
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緋毛氈に金屏風に黒紋付、じっと動くことなく演奏します。
撥使い、指使いも。
唄方は動くこと無くお腹から声を出す事をしなければなりません。
全ては美くしさと良い演奏の為に必要最低限のもの以外を削ぎ落とします。
長唄、日本の古典芸能は視覚的美観が大切な要素だと思います。
昨日はそれをまじまじと感じて日本人らしい素敵な事を沢山お伝えしていきたいな、と思いました。

昨日は沢山の素晴らしい美人画さんたち、そしてやっぱり松園の「序の舞」「草子洗小町」についに会えた事…本当に嬉しかったです!

またいつか会いたい、私の大好きな物です。